多田　雄亮さん
TADA　Yusuke
シャトー・ド・レクレール　フランス料理研究課程
1991年　春コース卒業
研修先: ジャン　シリンガー（アルザス）
ベルナール　アンドリュー（クレルモンフェラン）
勤務先： La Table　de Courage(ﾗ･ﾀｰﾌﾞﾙ･ﾄﾞ･ｸﾗｰｼﾞｭ) ｵｰﾅｰｼｪﾌ
大阪府豊中市本町７丁目１－２８
℡０６－６８５８－８００８
URL： http://la-table-de-courage.net/

『料理人としてのスタート地点』

エコール辻大阪を経てフランス校を卒業された多田さんは、
東京の『レストランひらまつ』で就職、修行された後
大阪、京都のレストランで腕を磨かれました。
若くして宝塚の有名レストランのシェフを務めた後、
２００５年に兵庫県川西市に『ビストロ　クラージュ』を開店、
たちまち予約が取りにくいお店となりました。

その後、２００９年には新たな挑戦を目指し、
『ラ・ターブル・ド･クラージュ』と店名を変えて移転。
店内は広々とした白を基調としたシックな造りで、
料理とワインはどんな食通も納得させる、
北摂フレンチといえば必ず名前が挙がる名レストランです。

多田さんに、フランス校時代を振り返っていただき
後輩の皆さんにコメントをいただきました。


■開業するに至った経緯と苦心されたこと
店長を任されて5年目、自分で店をオープンする時の
料理（通年メニュー）が出来、取引業者との信頼関係ができて
求める食材が手に入るようになって開業する決意が固まりました。

苦心したことは、開業するまでに料理やワインの勉強に
資金を費やしていたので、決意してから独立するまでの間の
資金集めが大変でした。


『La　Table　de Courage』の外観

■お店のコンセプトと名前の由来
コンセプトは、お客様に明日への活力となるような
食事を提供できるようなお店で、
「このレストランにあの料理を食べに行こう」と云ってもらえるような
スペシャリテのあるお店です。

店名はコンセプトの意味を込めて
"勇気・希望=courage クラージュ"にしました。

■料理人としてやりがいを最も感じられること
納得のいく食材やワインを、今自分ができる最高のマリアージュで
提供できること。そして笑顔で帰って頂けることです。
今後の目標は、50歳で自分の理想の店を作り上げることです。


ｵｰﾌﾟﾝｷｯﾁﾝのｶｳﾝﾀｰ席がお気に入りのお客様も多い

■仕事で常に心掛けていることや料理人として大切だと思うこと
常に100%の力が出せるよう健康管理を心掛けています。
フランス料理だけでなくいろんなことに興味・好奇心を持ち視野を広げ、
目標を持ち続けることが大切だと思っています。


店内の壁面には、宝塚在住のハリガネ画家　升田学氏の作品が飾られる


広々とした『La　Table　de Courage』の店内

■フランス校で得たもの
フランス校はフランス料理と本気で向き合った場所でした。

フランスの食材・ワイン・人や文化に触れ、
自分の考えの中の尺度が広がり、その全ての経験は武器となり
力となり自信となっています。

厳しい修行の中でも自分を冷静に考えることが出来ました。
独立した今でもレストラン巡りで食事した料理を思い出し、
素材の組み合わせや盛り付けなどに活かしています。

初心を思い出す時は、フランス校時代のノートを見返したりしています。


ｼｬﾄｰ･ﾄﾞ･ﾚｸﾚｰﾙのｴﾒ・ﾅﾚｼｪﾌ、ﾋﾟｴｰﾙ・ﾍﾞｱｰﾙﾃﾞｨﾚｸﾀｰと


尊敬するﾎﾟｰﾙ・ﾎﾞｷｭｰｽﾞ氏と(ｼｬﾄｰ･ﾄﾞ･ﾚｸﾚｰﾙにて)

■卒業して思うフランス校・スタージュの一番の魅了は？
本場フランスでのフランス料理を知ることができ、}
生きたフランス語の中でフランスの旬の食材に触れながら仕事ができることです。


ｽﾀｰｼﾞｭ先のｼｪﾌ､ﾏﾀﾞﾑ、ｽﾀｯﾌ達と

■フランス校に進学する学生へのメッセージ

とにかく貪欲にいろんなものを食べて飲んでください。

そして意欲的にどんどん行動し、たくさんのことを吸収してください。
きっと生涯の財産となり、必ず役に立つ日が来るはずです。

目標に向かって諦めず頑張ってください。Bon　Courage!


独立開業を目指す後輩達に、自身の体験を語っていただきました。
『ｵｰﾅｰｼｪﾌとのしゃべくり場～夢の叶え方、聞いちゃおう！』（2011年10月22日）より