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辻調グループ フランス校

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渥美創太さん「CLOWN BAR(クラウン・バー)」

卒業生レポート

2016.02.15


エコール 辻 東京 フランス・イタリア料理マスターカレッジ 2005年3月卒業
フランス校 シャトー・エスコフィエ フランス料理研究課程 2005年 秋コース卒業
研修先:Troisgros(トロワグロ)<ロアンヌ>

Stella Maris(ステラ・マリス)
Laboratoire de Joel Robuchon(ラボラトワール・ドゥ・ジョエル・ロブション)
Restaurant Toyo(レストラン・トヨ)
Vivant Table(ヴィヴァン・ターブル)
Clown Bar(クラウン・バー)シェフ

ル・シャトーブリヤンやセプティームといった、押しも押されぬ実力派の人気店が集まるパリ11区の北マレ地区。2014年、その北マレ地区に、1世紀以上も前からある老舗ビストロCLOWN BAR(クラウン・バー)を、パリ2区の超人気店サチュルヌが買い取り、リニューアルオープンしました。そして、そのオープンにあたり、シェフに抜擢され、一躍パリのグルメ界の話題をさらったのは、一人の若き日本人でした。今回は、今や予約困難な人気店となったクラウン・バーのシェフ、渥美創太(あつみ そうた)さんにお話を伺いました。

 
■フランス校を卒業してから現在までの経歴を教えてもらえますか。
はい。まず、ステラマリスで3年働いた後、ロブションのラボラトワールで1年半、レストラン・トヨ1年半、その後ヴィヴァン・ターブルでシェフを2年、そして現在に至ります。

■クラウン・バーはどのようなお店ですか。
バー・ア・レストランです。美味しい自然派ワインと料理を気楽に楽しんでもらうお店です。

  

■今日料理を頂いてみて思ったのですが、良い意味ですごくシンプルな料理ですよね。
本当はもうちょっと色々やりたいことはあるのですが、厨房が小さく自分を含めて2人しか入れませんし、平均して昼は60名、夜は70~80名のお客様が入るということもあって、なかなか悩ましいところです。

 

■一日の仕事の流れを教えてください。
朝8時に出勤し、材料の確認作業、そして仕込みと同時に材料発注。それが終わると昼の営業で、営業終了後すぐに夜の仕込みと続きます。お店が9時オープンで、料理の提供は12時から15時までなのですが、夜の営業が19時から23時までと、一般的なお店よりも長いのでこのような流れになります。15時から夜の営業開始までの間に休憩がとれる時は1時間程休憩をとりますが、それも発注をかけながらということがよくあります。夜は24時くらいに料理を出し終わってそれから掃除です。ただ、毎晩のように友人がたくさん来てくれるので営業終了後も話をしたりして、家に帰るのは午前2時頃でしょうか。それから夕食を食べて寝るという生活です。

■今の仕事のやりがいは何ですか。
暇にならない、という所でしょうか。忙しい方が楽しいんです。バカンス中とかダラダラしていると逆に疲れてしまったりします(笑)

■今後の夢や目標、展望を聞かせてください。
昔は自分でお店をやってみたいと思っていたんですけど、今はフランスでは自分のお店を持とうとはあまり思いません。それに、今後、クラウン・バーは他業種とのコラボレーションイベントなど、様々な企画や展開を予定しているので、今はそこでどんな料理を作るかに気持ちを集中しています。
また、クラウン・バーのオーナーはとても理解のある人で、私のやりたいように料理をやらせてもらっているということもあります。例えば、自分でお店を経営し、限られた予算で食材を調達せざるを得ず、その結果自分のやりたい料理ができないよりも、今のように高品質の食材を使って、自分のやりたいように料理を作ることができるというのは、料理人にとってはある意味で理想的な環境だと思います。

 

■フランス校に行って良かったなと思うことは何ですか。
沢山ありますが、何といってもフランス校に進学していなかったらフランスに来ていなかったでしょう。また、フランス校の研修先がトロワグロじゃなかったら、おそらくフランスで働こうと思うこともなかったんじゃないでしょうか。

■具体的にトロワグロのどんなところがそんなに良かったのですか。
実はトロワグロの料理云々というよりも、賄いのスタイルがすごく面白くて。11時半になると、いつもみんなでホテルのスタッフ分も入れると40人分の賄いを作るんですよ。全員分のフルシェットを準備してワインを置いてパンを持ってきて、40人そろってみんなで食事をするのが本当に楽しくて。そして休みの日には、みんなでサッカーをして。これまで働いてきた職場で他にそんなところありませんけど(笑)「こんな生活をずっと続けたい!」と思って、それでフランスで働こうと思ったんです。

■最後に、これからフランス校に進学予定であったり、フランス校進学を検討している人に何かアドバイスがあればお願いします。
恥ずかしがらないで何でもどんどん攻めていくことでしょうか。先生にでも街のフランス人にでも、あんまり気を使わないで。フランスでは、そうやっていけば本当に充実した楽しい生活が送れるんじゃないかなと思います。日本人はどうしても遠慮がちになってしまいますけど、あまり遠慮がないくらいの方がフランスではいいと思います。