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辻調グループ フランス校

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高山 龍浩さん「Tout-le-Monde」(トゥールモンド)

卒業生レポート

2012.02.06

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高山 龍浩さん
Takayama Tatsuhiro

辻調理師専門学校 1996年3月卒業
シャトー・エスコフィエ フランス料理研究課程 1997年 春コース卒業
研修先: Hôtel Métropole (リヨン)

店名:Tout-le-Monde(トゥールモンド)オーナーシェフ
大阪府大阪市西区土佐堀1-4-2 西田ビル1F
℡06-6444-8819

自分が自分であるために

大阪は肥後橋というビジネス街の外れに、常にお客を驚かせ楽しませてくれるフランス料理店「トゥールモンド」があります。
オーナーシェフの高山龍浩氏は1996年に辻調理師専門学校を卒業。
翌年フランス校へ進学し本場で料理を学びました。帰国後は大阪の有名店で経験を積み、
独立開業は2002年のこと。若干25歳の時でした。
若さゆえに多くの困難を乗り越えて、2010年『ミシュランガイド 京都・大阪・神戸』で見事1ツ星を獲得し、
ますます注目されています。また、母校である辻調グループ校では特別授業も担当いただいています。

トゥールモンドでは、昼はア・ラ・カルトでボリューム満点の料理が食べられますが、
夜は一転コースのみで、モダンかつ洗練された料理が提供されています。
昼と夜全く異なったスタイルで幅広い客層の五感を満たしているという、他のお店にはない特徴で
連日賑わいを見せています。

当初、昼はランチコース、夜はア・ラ・カルトで地方料理や家庭料理を提供されていましたが、
2008年を境に現在のスタイルに進化させ、今や食通の間では知らない人はいない!と言える大阪の名店です。
今年開店10周年を迎える高山シェフに、フランス校時代を振り返っていただきました。

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お店の外観                     「Tout Le Monde」のそれぞれの頭文字を取ったお店のロゴ

■ 開業するに至った経緯と苦心したこと
辻調に行くと決意した時から、「20代で店を持つ」という目標を掲げていました。若さゆえの勢いです。
苦心したことは全てにおいて考えが甘かったです。目的に夢中で経験や実績が伴わず、
現実を見れていなかった。でも、それを指摘してもらえる環境に救われました。

■ お店のコンセプトと名前の由来
コンセプトは、昼はビストロ・夜はレストラン。スタイルの違う二面性を表現していくことです。
店名は、今自分がこうしているのも周りの色々な方々の協力であったり、支援があってのこと。
その感謝と敬意を込めて、フランス語で「Tout -le-Monde」(みんなの、皆様)と付けました。

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店内は木目調のシックで落ち着いた雰囲気       カウンター席のファンも多い

■ 料理人としてやりがいを最も感じられること
自分のイメージしたことや、考え、想いを料理として表現できることです。
それが評価され、喜んでいただけたらなお最高です。

■ 仕事で常に心掛けていることや料理人として大切だと思うこと
心掛けていることは、料理には正解がないので、常に心の中で何度も自問自答をするということです。
後は、何かいいアイデアが浮かべばノートに書き留めています。
大切だと思うことは、自分自身を信じること、自分の行動に責任を持つこと、
そして向上心を持ち続けることです。

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厨房にはアラン・デュカス氏が来店した際に書かれた言葉が

今後の目標
スタッフ共々レストランとしてのレベルを上げていきたいです。

■ フランス校で得たもの
フランス校はとにかくきつかった。ついて行くのが必死でした。そして、ものすごく楽しかった。
あらゆることを体に詰め込んだ刺激的なこの1年は、僕の料理人としてのベースになっています。

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フランス校の同期とアラン・デュカス氏の店にて       エスコフィエ校・外来講師と

今も記憶に残るシェフの言葉
Travailler avec le coeur, beaucoup d'amour !
(常に心を込めて仕事をしなさい、そして沢山の愛と共に!)

■ 卒業して思うフランス校・スタージュの一番の魅力は?
言葉が伝わらない分、自己主張をしていかないといけない環境でした。
それと、シェフや先輩がどうやっているのかと、目で見て学ぼうとしました。
料理人にとってすごく必要なことを、学ばせて頂いたと思います。

■ フランス校・スタージュ(実地研修)において印象に残っているエピソード
スタージュの最終日に、お客として食事をさせて頂いたことです。
サプライズだったので、すごく感動しました。

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ムニュ・スペシオ(卒業記念食事会)にて:右から4番目

フランス校は、「自分が自分であるために」ある存在

振り返れば、知らない土地ですごく怒られたことや、失敗したこと、褒められたことで、
一人の人間として大きく成長できたと思います。
自分は料理人だという決意、何事にもチャレンジする勇気を学ぶことが出来たからです。

■ フランス校に進学する後輩たちへのメッセージ
一年間本気でぶつかって来てください。そうする事で達成感に満ち溢れます。
その経験が今後の人生で大きな力に変わるはずです。その力が自分の背中を押してくれると信じて・・・!