「製菓世界大会【クップ・デュ・モンド・ドゥ・ラ・パティスリー】に憧れて」
高校3年生の頃「Coupe de monde de la pâtisserie」に強い憧れを持ち、その舞台に立つことが自分の夢になりました。幅広い知識と豊かな想像力、迅速なスピードを身に着けるために日本という場所に縛られずフランスで多くのことを習得したいと思いフランス校進学を決めました。

「クオリティー+スピード+コミュニケーション」
フランス校の実習ではクオリティーとスピード、コミュニケーション能力を同時に求められる難しさを感じました。一回の実習にあたって「エキップ+ドゥムール先生とのコミュニケーション」「デモ（講習）の復習」「役割分担」「時間内に製品と仕込みを終わらせるための時間管理」等たくさんの準備をしなければなりません。それに伴い場面場面で自分が何をしなければならないのか、何を指示するのかなどの判断能力や、先を読んで行動する力がついてきたように思います。

「フランス人シェフとフランス語で話すことでモチベーションもアップ」
日本の実習との違いはやはり「フランス人のシェフがいること」です。作業も速く丁寧で本当に尊敬しているシェフですが、フランス人なのでフランス語で話さなければ言葉は伝わりません。だからこそ勉強のし甲斐があり、努力した分だけ成果が出て、コミュニケーションや実習がスムーズになります。自分の成果が目に見えてわかることが何よりもモチベーションのupに繋がっています。


シェフのドゥムール先生と一緒に

「人の温かさと積極的なコミュニケーション」
フランスで感じたことは人の温かさと積極的なコミュニケーション能力です。街ですれ違った時、入店や退店をする時に「ボンジュール」「オルボワール」「ボンジュルネ」等、外国人である自分達にも積極的にコミュニケーションを取ってくれる姿に感動しました。初めての買い物で緊張していた私にわかりやすいように英語で話しかけてくれたり、笑顔でフレンドリーな接客をされていて心温まったのを覚えています。
日本とは違い街中にトイレがなかったり（あっても有料のところが多い）、デモやストライキが起こり交通機関に支障が出ることが頻繁にあったりと不便なこともありますが、なんでも早めに、計画的に行動するようにしています。

ブルゴーニュワイン醸造所「ルイ・ジャド社」見学にて

「暇な時間がないほど楽しい寮生活」
正直寮での生活は初めてだったので不安はありましたが、とても充実して楽しい毎日を過ごしています。週末にはみんなでワインを飲んだり買い物にいったり、休日の予定を立てたりなど、暇な時間の方が少ないくらいです。フランス語や実習でのわからないところをすぐに教えあえるところも寮生活のメリットだと思います。

チョコレート会社「ヴァローナ」チョコレート博物館にて

リヨンの「フェット・ド・リュミエール（光の祭典）」にて

「冬のヴァカンスも食べ歩きも積極的に動いています！」
冬のヴァカンスはフランス、スペイン、イタリアの各地を巡ります。食に重点を置き、地方の伝統料理やお菓子にワインを楽しみ、ミシュランガイド三ツ星を獲得しているお店にも訪れる予定です。
　食べ歩きはパリの「セドリック・グロレ」という店に行きました。世界中に名の知れた超有名店で毎日のように行列ができると聞いていたので開店の2時間30分前から並びました（2番目でした！）。店に入るとテーブルいっぱいに埋め尽くされたヴィエノワズリ―がまず目に入り、甘く香ばしい香りが鼻を突き抜けます。お目当てのクロワッサンとパン・オ・ショコラ、フルーツシリーズのガトーやフランなど、まるでお菓子を買っただけとは思えない金額で驚きましたが、箱も金色でとても高級感があり、内装のこだわりも強く感じられたので大変満足できました。特においしいと感じたのは「パリ・ブレスト」です。ナッツがふんだんに使われていて、特に中のノワゼットのプラリネとても濃厚でおいしかったです！日本にいる時から一度は訪れたかったお店だったのでとても嬉しく贅沢な気持ちになりました。

ヴァカンスはフランスとその近郊の国を友達と巡ります

「細工ものができる研修先での研修を希望」
研修はチョコレートや飴細工のできるお店を希望しています。改めて自分の力がどれだけものかを知れる楽しみと、再び新しい環境からスタートする不安もありますが、一生に一度の経験なので悔いの残らないように全力で励みたいと思います。

「フランス校へ入学を考えている皆さんへ」
この地で何を学び何に繋がるのか、少し先の自分をイメージすることが大切です。10か月という短い期間でどこまで成長できるかは本人の意思次第です。大きな夢や目標を持つ人ほど多くの人を味方につけることができます。たくさん欲張って自分のものにしてください。そしてあなたがフランスに来た理由を最後まで忘れずに持ち続けてください。その思いがきっと卒業時のあなたを大きく変えるはずです。このフランス校を通じてあなたの夢の第一歩を踏み出してください。


清水 一秀（SHIMIZU Kazuhide)

大阪府 向陽台高等学校　卒業
辻調グループ出身校　エコール辻大阪 辻製菓マスターカレッジ