TSPAレポート#11:コンクールを通して<大阪>
FFCCレストランサービスコンクール メートル・ド・セルヴィス杯。
今年で第15回目になるこの大会は、日本で唯一の世界基準のサーヴィスコンクールです。
そしてこの大会で優勝した者が日本代表として「クープ・ジョルジュ・バティスト」と言う世界大会へ出場します。
(注意:世界大会開催時の年のみ該当する。本年度は世界大会開催予定なしのため)
コンクールを通し、サーヴィスと言う仕事の重要性を広めるのもこのコンクールの目的の一つです。
そしてこのコンクールに今年から学生部門ができ、西日本の予選が辻調理技術研究所で行われることになりました。
予選の項目は、
グレープフルーツカッティング
外国語によるコーヒーサーヴィス
の2つです。
技術研究所からも12名が予選に出場しました。
私もコンクールを通して、学べる事、自分の成長に繋がることがあるんじゃないかと思い、
このコンクールに出場する事を決めました。
グレープフルーツカッティングの制限時間は、テーブルにお皿やクーベル(スプーン、フォーク)を
用意するところから10分以内。
でも練習をし始めた頃は、グレープフルーツをカッティングするだけで10分かかってしまっていたし、
出来上がりも身に皮が残っていたり綺麗なものではなかったです。
コンクールの決勝に残る為に夏休みは学校でフランス語でのコーヒーサーヴィスを中心に練習し、
家では1日3個~5個のグレープフルーツをほぼ毎日、合計80個くらい練習しました。
でもフランス語はまず覚える事から始まって、とてもじゃないけどサーヴィスが出来るほどのものにはならないし、
グレープフルーツは物によって房の数もつき方も身の硬さも全然違うので何個練習しても苦戦しました。
それでもグレープフルーツの方は少しずつタイムも縮まって、10分かかっていたものが7分以内で終わるようになり、
出来上がりも少しずつ綺麗になりました。
でもフランス語でのコーヒーサーヴィスはフランス語を話すのに必死で、聞き取るのが全然できないし、
言葉を出すのが精一杯で目線が上を向いたり、笑顔がなかったり、声が小さくなったり。
最後の練習が終わっても不安が残るものになりました。
予選当日まで家でも練習を重ねましたが、本番はグレープフルーツ、
コーヒーサーヴィス共に納得できるものではありませんでした。
フランス語も緊張で頭が真っ白になってしまいました。
練習していても本番で出せる力は、ほんの少しで、自分の実力のなさを実感してすごく悔しかったです。
また、西日本プロの部の予選が2日間に渡って行われ、辻調グループからはエコール 辻 大阪の三浦和也先生が
出場され、予選の様子を見学させてもらいに行きました。
プロの部の予選の項目は
グレープフルーツ、キウイのカッティング(制限時間15分以内)
フロマージュ(チーズ)のテスト
でした。
フルーツのカッティングはこのように
食器、リキュール、グレープフルーツ、キウイがセットされていて、
この中から自分が使用するお皿やリキュールを必要分机にセットするところから始まります。
審査員の方をお客様とし、サーヴィスをします。
いつも私たちに指導してくれている先生も本番では全く違う様子で、
見てる側まで緊張が伝わってきました。
でもあの緊張感のなかでの先生の姿。
さすがでした。
フロマージュでは
5種のチーズが用意されていて、それぞれのチーズについて質問が来るので、
それに答えて行くと言うものです。
チーズの名前、産地、味、香り、カビの種類、作用、どんなワインと合うかなど、たくさんの質問に答えていました。
見学させてもらいながら、私もチーズの勉強になりました。(笑)
それから数日後にホームページ上で西日本、東日本それぞれの予選通過者の名前が発表されました。
三浦先生はもちろん、予選通過され、私も何とか予選通過の枠に滑り込む事ができました!
決勝と言うレベルも緊張感も上がる場で自分を試すチャンスをもらえて本当に嬉しいですし、
予選で悔しい思いをしたのでリベンジしたいと思います!
そしてそして!
予選通過した三浦先生にもお話を伺いました!!!
まず予選の項目で1番苦労したの何かと伺うと、
「一番はキウイかな」と言っていました。
キウイが1番簡単なのかな?と思っていましたが、身を均等に切り分けるのがなかなか難しいと言っていました。
チーズに関する知識は、フランス校在学時、勤務時の合わせて5年間で積み重ねてきたもので、特別、
今回のために勉強したわけではなく、次の準決勝のための語学の勉強も今まで積み重ねてきたものがあるので、
特別にはされていないそうです。
それよりもその先の決勝のカクテル、生ハムの練習はこれから毎日続けられるそうです!!
先生は元々サーヴィス志望ではなかったそうなんですが、フランス校に勤務され、サーヴィスで研修に行き、
今ではサーヴィスの仕事が楽しくなったと言っていました。この大会に出ることにしたのも、
もちろん有名なサーヴィスの方がたくさん出ているし勝ちたいという気持ちもあるけど、
自分のスキルアップのためだと話してくれました。
大会に向けて練習し、出場することで自分のスキルが上がるし試すことができるから、とも話していました。
本当にその通りだなと思いました。
実際グレープフルーツのスキルは学校でした時よりも上がってましたし、フランス語だって、
コンクールに出ていなかったら、あまり勉強していなかっただろうし、
話せるようになりたいなんて思わなかったと思います。
この大会のためにたくさん練習して、プロのレベルも見る事ができて、
コンクールと言う緊張感の中で自分の実力を試す事ができて、技術のスキルアップだけではなく、
いろんな面で成長できたかなと思いました。
早く先生たちのレベルに追いつきたいし、追い越したいです。
技術研究所には秋場先生と言う、この大会で全国2位まで残り、今では審査員もしているすごい先生もいるので、
残りの半年いっぱい見て聞いて先生の技術はもちろんですが、お客様に対しての思いやりや接し方、
たくさん盗んで学ぼうと思います!(笑)
10月に行われるプロ部門準決勝にはエコール 辻 大阪の三浦先生、
11月に行われる決勝の学生部門に技術研究所から私を含め4人出場します。
三浦先生もきっと準決勝を通って決勝に進んできてくれると思います!!
プロ部門、学生部門共に日本一を目指して頑張ります!
みなさん応援よろしくお願いします!
2013.09.18
辻調理技術研究所 フランス・イタリア料理研究課程 TSPA