通信教育部ブログ

受講生日記

第7課 「薯蕷と上用を使った"じょうよ(う)"饅頭」


あっという間に和菓子講座も最後の月になってしまいました( ゚Д゚)

今月は練習日をたくさん設けておりますので、一気にラストスパート!(添削の先生方ごめんなさい汗)

頑張っていきたいと思います。

第7課、8課のテーマは「蒸し菓子」。

まず第7課では「薯蕷饅頭」を作っていきます。

薯蕷(じょうよ)饅頭にはもうひとつ上用(じょうよう)饅頭という名前があります。

薯蕷とはコチラの山の芋のこと。



って箱しか映ってない...

北海道では手に入らなかったので、兵庫県の丹波からお取り寄せしました。

中身はこんな感じ。



大きいボウルに入っているので小さく見えますが、ジャガイモより大きく、黒くてゴツゴツしています。周りの黄色い粉はおがくずです。

最初に習うときは代用品などを使わず、レシピ通りにそろえ同じ状態で学びたい私ですが、今後も作ることを考えると、山の芋はコストがかかりすぎるなあ~と思いながら、DVD再生。送料がね。

先生の前にいろんな芋が並んでいる映像が流れる。その中には、お馴染みのスーパーで買える長芋のお姿も!

(わ!長芋ももしかして使える?!)

と思ったのもつかの間...

「こういう芋は水分が多いのでこのお菓子には不向きです。」

( ゚Д゚)ですよね~...すんごい水分多いですもんね...。自然薯とかもあんまりこっちだと見かけないんですよね。たまにむかごは近くの道の駅で売っているという情報を最近得ましたけど、北海道の気候だと難しいのかな。

山の芋のことを調べているときに、『灰汁が強いので一晩酢水に漬けておく』という解説を見つけたので、前回の糸寒天の失敗もあり(6時間以上水に漬けて置かないと使えない)作業前日夜に教科書の確認と、DVDの最初の部分を確認。

このお菓子の場合は、特に灰汁抜きとか必要ないみたい。すぐ始められそう!と特に前日に何も準備せず寝る。

そして、翌日、DVDを一度見てから作業に入ったわけですが...

まず、山の芋の準備。灰汁の強い部分は除去して作っていきます。



これは一つの山の芋の根の部分を切って半分にしたところ。根の部分に近いところほど灰汁が溜まっており、黄色くなっています。この部分は使わないそうです。

そして擂る時もこの黄色い部分が入らないように注意。この黄色みがかかった部分から擂り始めると、生地が全部黄色くなってしまうんですって!



本当は細かい目のおろし金で擂るのが正解ですが、持っていないのでゆっくり丁寧に細かくなるように作業しました。(この後ポチる)



使うのは50g。残った分も擂りおろして冷凍しました。



ここに何回かに砂糖を分けて混ぜ込んでいきます。段々生地の状態が変わっていくのが面白い。



砂糖が全部混ざったら、冷蔵庫で一晩おきます。

え!一晩おく!?え!!!!!?????

ここで一晩が来たか...やっぱり作業前日に1回全部見ておかないとだめだなと改めて思いました。

しかし、この日しか作業できなかったので、少し休ませて使うことにしました。

休ませている間に餡玉作り♪



餡玉可愛いですね。これはあらかじめ作っておいた自作の餡子です。

そして、蒸し器の準備や洗い物などなど。もう一度DVDも見る。

ステンレスの蒸し器だと、蓋に水分が付きすぎるので蓋にサラシを巻いてくださいという指示があったのでそのようにしました。

2時間ほど経過-。

続いて、もう一つの名前「上用」の由来となる上用粉を混ぜていきます。



これは上新粉よりももっと細かく挽いたもので、あまり一般的ではないと思います。こちらもお取り寄せしました。



粉の上に生地を置いて、折りたたむようにしながら少しずつ少しずつ、粉を馴染ませていきます。

この作業が、単純だけどとても難しそうで、DVDを何度も見ました。

なぜなら...

分量の粉を全部使わないんです!

どういうことかと言いますと、 山の芋は自然の素材。そして上用粉の乾燥具合も環境に寄りけり。ですから数字で判断するのではなく、生地の状態で上用粉を使う量を判断するのです。

だからこの粉が全部生地に混ぜ込まれたら次の作業へ、という事にはならないのです~( ノД`)

ん~難しい。先生が作ったやつ触りたい...。

自信は持てませんが、こんな感じかな、というところに来たので分割。

乾燥しないようにラップをかけながら生地を分けていきます。



この時点でもう美味しそう。



作業中の写真が撮れなかったのでいきなり行程が飛んでますが、分割した生地で餡を包む包餡という作業までいきました。上部は厚く、底部は薄く、と心の中で唱えながら包餡。手早くやらないと乾いてしまうし、ここも難しいところ。

だいぶ透けて見えてますね~餡子。これが透けないように作るのがプロです。

16個分の材料だったはずなのに14個しかできない事件勃発。ここで上用粉を混ぜる量が少なかったんだな~とここで気づく。いや~~~難し面白くてワクワクします。



残った生地を水でゆるめ、食紅を混ぜたものを塗っていきます。



ここも筆で薄く塗って「ほんのり」桜色にしたかったんですが刷毛でうちゃっと塗ったのでピンクの主張が強い作品に仕上がっております。

このまま蒸していきますよ~~~~~♪

私は2段の蒸し器を使っています。2段使えば14個全部一気にむせたのですが、上段と下段で火の当たりというか湯気の量が違う気がするので、1段ずつ蒸しました。

蒸しあがったのがコチラ♪ すのこに載せて冷ましていきます。
 


2週目の方がもしかして乾いちゃって割れやすいかな、と予想してましたが、2週目の方がひび割れが少なかったです。

ただ、1週目とか2週目とかの前に、包餡の際、たくさん触ってしまった生地が割れてしまったのかもしれません。



大きなひび割れ( ノД`)



比較的綺麗に出来た個体。

見本のピンクは本当にふんわり色が載っていたので、こんな風に作れたらすごいかっこいいなぁ~!
と思いまた復習しています。



前回、全部箱詰めして差し入れにしてしまい、味見しなかったので今回はちゃんと自分の分も残して味見しました。



(実はお茶まで準備してあったの図)

口の中に入れると皮がふわっと溶けて、餡子の甘みが広がります。小麦粉の菓子のようにふわふわしているわけじゃないけどなんともいえない軽やかな口当たりが素敵でした。ごちそうさまでした♪

私の実家は、愛知の田舎で毎月お坊さんがお経をあげにきてくださってたり、近所の人が集まってお経をあげたり、と仏教行事の多い家でした。そこにはいつもこの薯蕷饅頭がありました。

子供の頃はこの美味しさがあまり分からなくて、(またこの白い饅頭か~)と思っていましたが、こうして作ってみると、職人の技術がとても必要なことや、贅沢な材料で慶事や弔事に使われていることがとてもよく分かりました。

意外な形で思い出と向き合うことになった薯蕷饅頭作りでした。

次回は...

え?これも蒸し菓子!?な

わらび餅を作っていきます。

作業工程にびっくり回です。それではまた!



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