通信教育部ブログ

受講生日記

マドレーヌ先生のバンド・オ・ポム



皆さん、こんにちは!パティシエール兼お菓子の先生でもあるマドレーヌです。
今回ご紹介するのは「折り込みパイ生地」の製品の『バンド・オ・ポム』です。
寒いこの時期はバターを溶かさずにパイ生地を折るのに適しています。そして、りんごも美味しい季節!ということでこの製品を選ばせていただきました。

フイユタージュは基本的に
*フイユタージュ・オルディネール feuilletage
*フイユタージュ・アンヴェルセ
*フイユタージュ・ア・ラ・ミニュット
の3種類あります。
この製品はどの生地を使っても作れますが、今回は「フイユタージュ・ア・ラ・ミニュット」を使って作りたいと思います。

なぜこの生地を選んだかというと...
①作業時間が少ないこと
②バターを叩くという作業がいらないこと
という理由です。
家庭で作業をする際、テーブルがしっかりとしていないとバターを叩いて硬さ調整をする作業を思い切って出来なかったり、叩く音がご近所迷惑になるのでは...という心配があります。そこを気にせず作業が出来るのはこの生地なんです。

◆材料を準備する
※今回分量はメニューの半分の量で作ります
粉類はふるい、しっかりと混ぜ合わせます。混ぜ合わせてからふるっても大丈夫です。バターは2cm角ぐらいにカットしておきます。


粉類を入れている器、お気づきでしょうか?そう、パスタとかを茹でる用の深めの大きいお鍋です(笑)
粉を使う作業って周りに粉が飛び散りやすいですよね。そして、掃除が大変...ということで思いっきり混ぜれなかったりします。
深めのお鍋の中だと周りに飛び散りずらいので思いきった作業がしやすくなります。


◆生地を作る

粉類に角切りのバターを加え、粉をまぶします。




冷水を少しだけ(大さじ1杯程度)残し、残りを一気に加えます。
指をしっかりと開いて指を立て、大きな円を描くように全体的に混ぜます。


ポロポロとした細かい生地がたくさん出来てくるので、指についた水分の多い生地を一度はずし、粉っぽいところに残しておいた水を加えて全体をまとめるように押さえます。




台の上に出してしっかりと全体をまとめるように押さえてひとまとめにし、正方形に整えます。この時、こねないように注意しましょう。



ビニールに包んで30分程度休ませます。

折り込みをする台ですが、大理石のような加工のキッチンであればそのまま台の上で作業が出来ます。木の板やシート状のまな板などがあればそれを下に敷くと作業がしやすくなります。


生地をのばす際はくっつかないようにまずはしっかりと打ち粉(強力粉)を振りましょう。フイユタージュは特に水分が多い生地でくっつきやすいので注意しましょう。

最初はボロボロとしているので綿棒で押さえるようにしながらのばします。
だいたい横幅の4倍の長さまでのばします。



4つ折りします。中心をずらして折り重ね、それをさらに半分に折り重ねます。(4つ折り1回)




90°回転させて横幅の3倍になるようにのばし、1/3を折り返し、更に反対側を折り返して3つ折りにする。(3つ折り1回)この時点ではまだバターの塊が見えている状態です。




ここで1回冷蔵庫で30分〜1時間休ませます。
冷蔵庫で何かを冷やす際は、金属のトレーや器に入れて入れるとよりしっかりと冷やすことが出来ます。ちょっとしたことですが、夏の暑い時期などは生地に影響が出やすいので工夫をしてみてください。

先程と同じように「4つ折り1回」「3つ折り1回」と折り込み、30分〜1時間冷蔵庫で休ませます。
ここまで折り込むとバターの塊はほぼ見えない状態になっています。これで折り込みは終わりです。


◆生地を成形する
生地をカットするのですが、この後生地をのばすサイズ(形)を考えてカットします。



最後の折り込みで長くのばした方向は生地が伸びづらい状態になっています。(写真の生地の横方向)
この後長方形にのばしたいので、長さを出しやすいように縦にカットしました。
正方形にのばしたい場合は横にカットすると良いです。

生地の分量を基本分量の半分で作ったので、成形も半分のサイズで作成します。
我が家の冷蔵庫やオーブンでは55cmの長さが入らないので、長さを半分の27cmになるように成形します。

帯になる生地を17cm×27cmにのばします。
のばす際はまず最初にのばしづらい横幅からのばすと一気にのばしやすくなります。冷蔵庫でしっかりと冷やし固めます。


底になる生地を38cm×27cmにのばします。
冷蔵庫に入らないサイズなので、くるくる巻いて冷蔵庫で冷やし固めます。


しっかりと冷えた生地をそれぞれ帯生地は2.5cm幅、底生地は12cm幅でカットする。ここで冷えがあまいとカットした時に層が潰れる可能性があるので、夏場などは必要であれば冷凍庫でしっかりと冷やし固めてからカットしましょう。


底生地にピケをし、両サイドに水刷毛をして帯生地をくっつけ、内側を指でしっかりと押さえます。









包丁の背中を使ってシクテを入れます。人差し指と中指の間に包丁を入れていきながら、中指の幅で均等に入れていきます。






◆組み立てる
帯にドリュールを塗り、クレム・ダマンドを絞ります。
片目の口金が無い場合は、丸口金で絞ってヘラで平らにのばせば大丈夫です。





ここで27cm長さの帯が3本出来るのですが、3本焼いても食べきれないですよね。そういう場合はこの段階で冷凍し、しっかりと固まったら密着ラップをして冷凍保存をしてください。食べたい時に解凍してリンゴを乗せてもらえば良いです。

リンゴの皮を剥き、種を抜いてスライスし、スライドさせてクレム・ダマンドの上にのせます。端っこは見えないところに入れると無駄なく使えますよ。





リンゴの表面に溶かしバターを塗り、グラニュー糖をふりかけ、220℃のオーブンで約50分焼成します。




◆お菓子を仕上げる
焼き上がりアプリコットジャムを塗ってカットします。
そのまま熱々で食べる時は、粉砂糖を軽くふるだけでも美味しいですよ!




ひらめき おまけ...






余った、2番生地。薄くのばしてクレムダマンドを薄く塗って、薄めにスライスしたリンゴをのせて焼くと...



薄焼きのリンゴパイに!
熱々にアイスクリームを添えると素敵なデザートになります。
手間暇かかるパイ生地、残さず使い切りたいですね!

パイ生地を使ったお菓子はまだまだたくさんあります。



課題にもあるピティヴィエの応用のガレット・デ・ロワなど、イベントに合わせて食べるお菓子など、みんなで楽しみながら食べるものもあります。
少しハードルが高い生地の一つですが、作りやすい冬の時期に是非いろんなバリエーションにチャレンジしてみてください。




リアルな声をお届け
修了生の方向け
修了生お知らせ メール登録