通信教育部ブログ

受講生日記

マドレーヌ先生のシュー・ヴァリエ




皆さん、こんにちは!パティシエール兼お菓子の先生でもあるマドレーヌです。
今回ご紹介するのは「シュー生地」で出来るいろいろな製品のアレンジです。
お家でシュー生地を焼く...ちょっとハードルが高いですよね。私でもすこし身構えてしまいますが、よくある失敗例なども踏まえてお伝えしたいと思います。

◆プレートの準備をする
薄めにショートニングを塗り、絞り出したいサイズの抜き型に打ち粉をつけ、跡をつけます。今回は直径5cmの抜き型で。
シュー生地は約倍のサイズに膨らみますので、間隔はしっかりと開けましょう。
また、家庭用のオーブンは熱の伝わりにも影響しますので間隔を開けて熱が全体に行き渡るようにしましょう。


◆材料を準備する
シュー生地は材料はとてもシンプルです。
計量のポイントとしては、バターを加熱する際に溶けやすいようにカットしておくこと!薄めのスライスが特に溶けやすいのでおすすめです。




◆生地を作る
バターがきちんと溶けるまでは沸騰しないように弱火〜中火で加熱します。溶けきったら、強火にし、しっかりと中心まで沸騰させます。

火を止めて粉を加え、全体に水分が行き渡るように大きく混ぜます。早く混ぜようとすると、液体が飛び散る可能性があり危ないので、大きくを意識しましょう。
ボソボソした状態からつるんとまとまるところまで混ぜます。




中火にかけてデセシェしていきます。目安は鍋底に薄い幕が張るまでですが、生地を触って熱くなっていることを必ず確認しましょう。


ボウルに移して、卵を分量の半分加えていきます。まずは切るように混ぜて、表面積を増やし、卵が混ざっていきやすいようにしてあげます。切るときのポイントはへらに人差し指をあてて横向きで左右往復させる。




粘りが出始めたらへらを立ててしっかりと練っていきます。


残りの卵も残っているものを常に半分ずつ加えて硬さの様子を見ていきます。

最後の混ぜ加減ですが、混ざったら終わりではなく、なめらかでツヤのある状態までしっかりと練り上げます。写真の右側は混ざっただけの状態のもの。左側はそこからしっかりと練り上げたもの。右側は少しざらつきが残っている感じです。固さはなめらかな三角形になる状態で。




生地があたたかい状態で出来上がっていればこの固さですが、冷めているともう少し固く仕上がります。
寒い時期は特に生地が冷めやすいので手早く作業をすることが大事です。プラスチック素材のボウルを使用すると少し保温力があるので作業しやすいですよ。

◆プレートに絞り出す
絞りのポイントは口金を動かさない!
この高さと決めたところ(プレートから約1cmの高さ)で口金を固定し、思い切って一気に絞り出します。一気に絞り出すことで表面に凹凸が出来ずらくなります。「動かさない!一気に!」をしっかり意識しましょう。





ドリュール(塗り卵)を垂らさないように全体に塗り、フォークを使って跡をつけながら抑えます。この時、生地の厚みが均一になるように意識しましょう。

アーモンドダイスなどをのせて焼く場合は、焦げやすいのでアーモンドに霧吹きなどで水分を含ませておきます。

◆生地を焼く
シュー生地はオーブンの状態が影響しやすいお菓子です。
実際に我が家も...


おっと。。。理想的なかたちではないですね。
表面がのぺっとしていて横に広がっています。

原因はシュー生地が膨らみ切る前に表面が乾燥し、固まってしまったことです。
ちなみに我が家は熱風を使って焼く家庭用のコンベクションタイプのオーブン。

少し工夫が必要です。

ポイントはこの2つ。
①乾燥する前に膨らみきるためには...
②乾燥しずらくするには...

①に関しては、コンベクションタイプのオーブンはプレートが温まるまでに時間がかかりやすいです。それを回避するために、予熱に際にプレートを入れて一緒に温めておきます。
生地はプレートではなく、シリコンペーパーに絞り出します。
温めたプレートの上に生地を絞ったシリコンペーパーを乗せて焼成します。
そうすると、下火がしっかりと最初から効き、生地が早い段階で膨らみやすくなります。

②に関しては、熱風を最初の段階でできるだけ表面に当てないこと。
生地を下段に入れて、上段に空のプレートを置くことで上からの直接的な風を防ぎます。


焼き上がりを比較するとこんなに違います。
左:何もしていないもの  右:工夫して焼いたもの


◆クレム・パティシエールを炊く
クレム・パティシエール。お菓子屋さんのクリームという名前の通り、いろいろなお菓子に使用します。
卵を使うクリームですので、炊き加減、炊き上がりの処理の方法によっては食中毒が起こる可能性のあるものですので、きちんと守って作りましょう。

加熱していくと火が入って全体がもったりと固まってきます。


そこからコシが切れて、さらさらになり、艶が増してきます。もちろん沸騰している状態です。ここまで炊きます。


炊き上がりはしっかりとアルコールなどで消毒したバットとゴムベラを使い、ラップをしてすぐに氷水ですぐに冷やしましょう。


しっかりと冷やしてから使用します。
きちんと炊けているとこのようにバットからぺろんっと外れます。

◆お菓子を仕上げる
今回は少ないパーツでいろいろなアレンジをしてみました。

*シュー・ア・ラ・クレム 2種
シンプルにパータ・シューとクレム・パティシエールで。少し大人なアプローチとしてクレム・パティシエールにグランマルニエを加えました。

クリームをクレム・ディプロマットで。
クレム・パティシエールに生クリームを加えて軽めのクリームに。

*シュー・ア・ラ・クレム・シャンティ
クレム・パティシエールの上にたっぷりのクレム・シャンティを絞って。
私、これ大好きなんです!

*シュー・パリジャン
シュー生地にアーモンドを振って焼き、クレム・パティシエールにプラリネを加えて、ナッツの美味しさがプラスされたお菓子に。




おまけ...
シュー生地が余ると(あえて余らせますが 笑)これを作っちゃいます。
「グジェール」




シュー生地にチーズを加えて焼いたおつまみ!パプリカパウダーや黒胡椒などを振っても◎ ワインやビールのおつまみに最高ですよ。

シュー生地は合わせるパーツによっていろいろなお菓子に変化できます。
みなさんもいろいろなバリエーションにチャレンジしてみてください。



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