中国料理 「湯」 スープについて
こんにちわ!(ノ・ω・)ノ
中国料理班ブログ担当の中島です!
今回は先日授業で行った中国料理のスープについて紹介したいと思います!
タイトルにあるように中国語で「湯」と書いてスープの意味になります。
最初に断らせて頂きたいのですが、この度の材料紹介はリアルな材料が出てきますので
(例えば、鶏が丸々一羽や豚の足、内臓を包んでいた網膜など)
生々しいものが苦手な方はご注意ください(。-人-。)
遠目から見たり、目を細めて見たらいいかもねヾ(´ε`;)ゝ...
さて、日本でスープといえば昆布とかつおで取る、おだしが一般的かと思いますが
中国料理では「素湯」と呼ばれる精進スープを除き、基本的に動物性の材料を使用してスープを取ります。
先日の授業では4種類のスープを紹介しました!
まずは「毛湯」という鶏がらスープです。
「マオ タン」と読み、エビチリ、八宝菜、麻婆豆腐など、どのような料理にも使用する基本的なスープになります。
材料はこちら!
まずは基本の材料となるのは鶏ガラです!鶏ガラとはお肉を取った後に残る骨格の部分ですね。
肉は殆どついてないのでそのまま食べれる部位はありませんが骨からダシが出るのでスープの材料としては安価で最適です。
続いての材料は、鶏は鶏でもひねどりと言われる親鳥です。
このひねどりは卵を産まなくなった雌鶏で、身は固くなってしまっていますがうま味が凝縮されていているのが特徴です。
長く生きている分トサカが大きかったり爪が長いですね~
若鶏に比べ安価で鶏ガラと同じくスープには最適な食材です。
残りは豚の背骨ですね。
後は動物性の臭みを抜くために生姜の皮と白ネギの青い部分をいれます。
こちらの材料をボイルしあく抜きして寸胴にお湯を沸かして弱火でコトコト約3時間炊き出します。
そしてできたのがこちら!
澄んでますが少し濁ってますよね。これはガラなどの骨や鶏の脂肪分によって濁ってしまうんですね。
味はこれと言って美味しくありません(笑)
いろいろな料理のベースになるスープなので主張しすぎる味は必要ないんですね。
それでは次のスープ!
上記で紹介した毛湯をベースに更に美味しくて綺麗なスープを取ります。
その名も「清湯」です!
「チン タン」と読み、スープ料理を作るときのスープとして使用したり
素材の味を引き出したい料理などに使用します。
材料はこちら!
豚もも肉と鶏胸肉です。両方とも脂肪分の少ない赤身肉になります。
ちなみに鶏胸肉は脂肪分の皮を外して使用します。
まずは2種類の肉をミンチにして水、または毛湯で溶きのばします。
次に鍋に毛湯を入れて溶きのばしたミンチを混ぜます。
火にかけて湧いてきたらあら不思議!
この少し濁ったスープが
こんなに透明なスープになってしまうんです!
これは肉のたんぱく質の凝固作用を利用していて、
肉に火が通りタンパク質が凝固する際に、濁りの原因である物質を一緒に吸着して固まっていくので、
そのおかげで濁ったスープが澄んだスープになるんですね!
なんだか難しい話ですが要するに綺麗に澄むんです!(笑)
沸いたら毛湯と同じようにネギ、生姜を入れて弱火でコトコト。
味はさっぱりですが毛湯に比べてうま味もあり、クリアーな味わいながらに美味しいスープです。
続いて「上湯」です。
「シャン タン」と読み、字のごとく上級スープです。
材料はこちら!
左から上記に出てきたひねどり、続いて豚もも肉、牛すね肉に右下から白粒こしょう、右真中が陳皮というミカンの皮を乾燥したものです。
白粒こしょう、陳皮は上記の2つに使用したネギ、生姜の役割ですが、さらに香り高い食材を使用し、肉の癖を取っています。
最後に右上にあるのが「火腿」いう中国ハムという食材です。この画像では小さめにカットしてありますが
現物はこちらです!
豚の後ろ足を塩漬けし、水分を抜いて乾燥、熟成させて作ります。
そのなかでも中国浙江省の金華地区で飼育された金華豚から作られる「金華火腿」は世界三大ハムの一つとも言われています。
こちらの材料をぶつ切りし、あとは毛湯と同じ方法で取っていきます。
出来上がりはこちら
色も上記の二つと比べれば色が濃いですね。
味はというと、骨から取る毛湯などとは違い、肉や熟成したハムから取るスープはとても芳醇な香りとうま味を纏っています。
最後に紹介するのが「白湯」。
「パイ タン」と読みます。この読み方は聞いたことある人もいるのではないでしょうか?
字のごとく白いスープですね。とんこつラーメンなんかに使われる白濁したスープです。
材料はこちら!
見慣れないものもちらほらと・・・
左からげんこつ(豚の骨)、豚足、もみじ(鶏の足)、豚の背油、豚の網脂、になります
皆さんに全く馴染みのない食材は網脂でしょうか?
これは豚の内臓を包んで保護している網上の脂です。
上記の3種類は弱火で取るのに対してこちらはぐらぐらと強火で取ります。
強火で炊くことにより、脂がお湯に乳化し、白く濁るんですね。
また豚足やもみじなどからコラーゲン質が溶け出して濃厚な味になります。
出来上がりはこちら。
ちなみに冷蔵庫に一晩入れておくとプルプルになります!コラーゲンの塊なので女性の方の味方ですよ!美肌効果!!
味はというと、想像通りとても濃厚・・・
決してそのまま飲むものではありません(笑)
毛湯と割ったりしてさっぱりとした野菜料理などにうま味をつけたい場合や、素材そのものにうま味の無い材料を用いる場合、料理を濃厚に仕上げたい場合などに使用します。
このように4種類を並べてみると違いが分かりやすいですね~
今回はそれぞれ毛色の違う4種類のスープを紹介しましたがいかがでしたでしょうか?
ちなみに講習では学生達に白湯以外のスープを全て飲み比べしてもらいました。
白湯は濃厚過ぎるので興味のある子だけ自己申告してもらい飲んでもらいました(笑)
それでは次回は今回紹介したスープを使用したスープ料理を紹介したいと思います!