西洋料理だけじゃない?!中国料理の演出料理!
皆さん、こんにちは!
突然ですが中国料理の演出料理といえば何か思い浮かびますか?
西洋料理の演出料理はクレープシュゼットやお客様の目の前でのフルーツカットなど...
目にすることもよくあるかと思います。
では中国料理の演出料理はどんなものがあるのでしょうか?
今回は実際に授業で行っている2品の料理をピックアップして紹介していきたいと思います。
まずは1品目!
「鳳城滑魚生~サラダ仕立ての中華風お造り~」です。
中国料理のイメージといえば豪快な炒め物を想像しがちですが実はこんな華やかな料理もあります。
新鮮な鯛を1尾使用し細切りにした野菜の上に盛り付けて特製の香味油とニンニク醤油でいただく絶品の料理です。
海鮮食材が売りのお店に行くとよくヒラメやスズキなど季節の白身魚を使用した中華風お造りが名物になっていたりもします。
そういったお店ではまず注文が通ると...
お客様の前に先ほどの料理が運ばれてきてサービスが料理の説明をします。
今回は教壇の先生が実際に学生の前で説明しながらサービスを実演しています。
そして塩胡椒をふりかけて
特性の香味油とニンニク醬油をお客様の目の前でかけます。
この時に醬油を先にかけてしまうと刺身に醬油がしみ込んで醬油の風味がきつくなってしまうので油をかけてから醬油をかけるのがポイントです。
先に香味油をかけているおかげで全体に程よく醬油がかかっていますね。
細かいポイントですが、こういう事も料理を美味しくお客様に食べてもらうためには欠かせない知識です。
そして引っ付いた刺身の切身をサービス用のスプーンとフォークで1枚1枚ほぐしていきます。
この時実際にはスプーンとフォークをわざと当ててカチカチと一定のリズムで音を鳴らしながらほぐしていきます。
そうすることで、ほかのテーブルのお客様は「何の音だろう?あのテーブルの料理は何ですか?」と興味を持ってもらうことができるというわけです。
このようなアピール方法はお客様の目の前で行う演出料理ならではのポイントですね!
最後にすべての材料と混ぜ合わせていきます。
お店によって異なりますがナッツ類や春巻きの皮を揚げたものが添えられることが多く、野菜と刺身のサラダに食感のアクセントをもたらします。
目で見て楽しい、食べておいしい1品ですね!!
1品目の中華風お造りも素敵な演出料理ですが中国料理にはまだまだ演出料理がたくさんあります。
2品目は「什錦鍋巴~おこげの五目あんかけ~」です。
熱々の餡とおこげの香りが食欲をそそる麵飯料理です。
材料は什錦という言葉にもあるようにたくさんの材料が入っています。
什錦:「十錦」のこと。つまり、10種類の素晴らしいものという意味。
イカ・海老などの海鮮、鶏肉や豚肉、干し椎茸や彩りでキヌサヤなど盛りだくさんの豪華な材料がふんだんに使われています。
たくさんの種類の材料が入っていますが1つルールがあります。
それは全て薄切りに切るということ!
こうすることでのどごし滑らかな食感の餡になり、薄いおこげの存在を邪魔せず調和のとれた仕上がりになります。
これらの食材を油通しし、透き通った黄金色のスープに入れて水溶き片栗粉でとろみをつけたら餡が完成します。
一方おこげはというと、中国料理のおこげは元々は鍋に薄く貼り付いたご飯を、乾燥させて作っていたのですが、今では市販品も売られています。
市販品はもち米で作っているものが多く、揚げるとポン菓子を固めた、スナック菓子のような食感で、餡を吸うともちっとします。一方、手作りのおこげは厚さが自由自在なので薄めに作ると儚い食感にすることもできます。
このおこげを揚げていくのですが、ここからが演出料理のポイントです。
おこげが演出料理と聞くとなぜ??と思う方もいると思います。
ではなぜ演出料理なのかというと、普通の料理はテーブルに出すと完成なのですが、揚げたてのおこげに目の前で熱々の餡をかけるというパフォーマンスを行うためです。
まずはおこげを揚げて、しっかりと膨らみ火が通れば急いで温めた器に盛り付けます。
そして事前につくった餡と一緒にお客様の前まで持っていきます!
この時もサービスは小走りです(笑)
お客様の前に持ってきたら料理説明をします。
そして時間をおかずに餡をおこげに一気にかけます。
パチパチ!!ジュ――――ッ!!!
写真では音はなりませんが聞こえそうなぐらい美味しそうな湯気が立ち込めていますね!
揚げたてのおこげに餡がかかることで、おこげについていた高温の油と餡の水分が反応して何とも言えない美味しそうな音がなります。
最初におこげは麵飯料理と書きましたが、ご飯ものというのはコース料理では終盤に出てくることが多いです。
そのためこのような演出料理を持って来ることでお客様にインパクトを残し満足感を持って帰ってもらうことができます。
どうでしたか??
今回は中国料理の珍しい一面を紹介してみましたが中国料理の演出料理にも興味を持ってもらえると嬉しいです。
最後に、今回は料理講習の授業だったので学生の試食もありました!
美味しそうですね...試食している学生もとても幸せそうな表情でした(笑)
~プロフィール~
辻調理師専門学校 中国料理担当
掃部 梓
とても読みにくい名前ですが
実は掃部と書いてカモンと読みます‼︎
中国料理を始めて8年目ですが、まだまだ知らない知識や技術を求めて日々成長中!
"料理に限界は無い"とよく聞きますが、本当に料理の世界は毎日が新鮮で刺激的です!
こんな世界...ぜひ皆さんも飛び込んでみてはいかがでしょうか^^