キャビア キャビア キャビア
こんにちは ボン・ジュール
今日は高度調理技術マネジメント学科3年制の特別セミナーを紹介します。
フランス料理の高級食材と言えば『フォワ・グラ』、『トリュフ』、『キャビア』が挙げられます。
三大珍味とも言われていますね。
そんな高級食材の味を知ろうということで、
キャビアを取り扱っているアルカン社とストゥーリア社に協力いただき、
キャビアについての特別セミナーを実施しました。なんて贅沢な企画なんでしょう!
さてキャビアって何か知っていますか。そう、チョウザメの卵を塩漬けしたものです。
ではチョウザメだったら何でもいいの?というわけではありません。
世界には20種以上のチョウザメがおり、キャビアになるのは数種のみです。
まずキャビアについての講義を聞きます。
ストゥーリア・アジアオフィス代表のポーラン氏に沢山の画像を見せていただきながら話しを聞きました。
キャビアの人気とともに天然のチョウザメが乱獲されたため、ワシントン条約によって絶滅危惧種に指定、
2008年以来、天然キャビアの生産はなくなりました。
そんな中ストゥーリア社は、フランス唯一の100%フランス産キャビアの生産者で、
「アキテーヌ産キャビア」 として※IGPを取得しています。
※IGPとは...簡単に言うとフランスが定めた規定をクリアした凄い証!!
因みにちゃんと説明するとこんな感じ
⇒生産地域に着目してEUで規定し、フランスではINAOが統括している規格。
品質や評判など産品の特性が限定された地域の特性に由来すること、
言いかえればその土地の自然や気候、人的要因を反映していることを証明している。
ストゥーリア社では3種のチョウザメを養殖し、そのうち2種のキャビアを販売しています。
あれ!もう1種はと思った方もいるでしょうが、残りの1種がキャビアの王様といわれる
『ベルーガ』というチョウザメで、卵を採取できるまでにあと数年かかるそうです。
そう、キャビアの卵は、早く大きくなる品種で7年、ベルーガだと12年以上かかるそうです。
またやっかいなことに、ある程度大きくなるまでオス・メスの判断ができず、
ここまで育ててきたのにオスだったなんてことも。
その間の飼育代、餌代がかかり、またきれいな水でしか良質なキャビアが取れないということで、
水質管理を徹底して行っています。そんな理由があるのでキャビアって高価なんですね。
味ってどんなことを想像しますか?
ねっとり、プチプチした食感と、濃厚な味わい、これは食べてみないとわかりませんね。
そんな疑問を解決するためのセミナーなんです。
まずは今回用意していただいた2種のオシェトラ種とバエリ種のキャビアを食べ比べてみましょう。
① オシェトラ種
フランスで最も養殖されている品種。
その卵(キャビア)は中粒でダークブラウンからライトブラウンまで変化に富み、
ヘーゼルナッツやフレッシュなバターのような繊細な味わいが特徴
② バエリ種
もともとは黒海、カスピ海に生息していた品種。産卵のために淡水に移動する。
卵(キャビア)は、金色がかった濃い茶色で、食感はしっかりとしていてヨードが感じられる味わい。
これだけのキャビアを食べ比べるなんでなかなかできませんね。
キャビアの後は、オマール海老やラングスティーヌ(手長海老)と
キャビアの取り合わせた料理のマリアージュの勉強です。
今回は、フランスで唯一ハイプレッシャー急速冷凍のオマール生産をしているという
サンクデーオー社の商品です。
オマールは、活オマールを使いたくても、調理場に届く頃には死んでしまっていたり、
ハイシーズンには値段が高騰したり、高級な食材なのに殻からうまく身が外れなかったりと、
なかなかハードルの高い食材です。
サンクデーオー社のオマールは、活きの良い状態のオマールを高圧処理にかけることで、
ツルッと殻が剥け、さらにすぐに急速冷凍しているので活けオマールと遜色のない品質です。
レストランの現場では、冷凍状態のオマールを、
オーダーが入ってから調理できるという利便性にも富んでいます!
オマール海老、カナダ産とヨーロッパ産の2種を用意いただき、食べ比べから始まりました。
色の違いがあり、火を入れるとより赤い方がヨーロッパ産の特徴です。
その後はフランス人のロマン氏による講義。
フランス人による講義は臨場感にあふれ、学生たちも見入っていました。
学生たちは試食したキャビアとオマール海老の料理のおいしさに感動していました。
3年制学科の特別セミナーでした。皆さんも勉強になりましたか。
少しでも興味を持ってもらったらうれしいですね。
~プロフィール~
辻調理師専門学校 西洋料理
野口直樹
大阪府生まれの奈良育ち
今ドハマリしているのは、夏でも冬でもBBQ。
圧力鍋クッキング!