OSAKA

辻調理師専門学校

ブログ

「だし巻き玉子のテストです!」~日本料理だけを学ぶ「新学科」ブログ13~

日本料理クリエイティブ経営学科
日本料理本科

2021.09.21

韓国語で読みたい方はこちら

4月に日本料理本科(1年制)日本料理クリエィティブ経営学科(2年制)が
辻調理師専門学校の新学科として開校しました。

今日はこれまで練習を重ねてきた「だし巻き玉子」のテストです。


卵を使った料理は世界中にありますが、卵は意外と難しい食材です。
フランス料理なら「オムレツ」、日本料理なら「だし巻き玉子」を例にとるとわかりやすいかもしれませんね。
いずれも美味しく仕上げるポイントは「火通し加減」です!


写真のだし巻き玉子を見て!焼き色がなく、しっとり艶やかといった感じですよね。
だし巻き玉子は玉子焼きとは少し違います。
だし巻き玉子は卵にたっぷりと味付けしただし汁を混ぜて焼き色を付けずに素早く巻きます。
一方一般的な玉子焼きはだし汁を加えず卵と砂糖、醤油で味付けして焼き色を付けながら巻くイメージです。
いずれも巻きながら火を通していくぞ!
先生!どちらが難しいのですか? 
だし巻き玉子です。だし汁を加えると卵生地が柔らかくなる分、巻きにくくなります。
プロでもきれいに仕上げるのは難しい料理です。
そのため卒業までに全員写真のような100点満点のだし巻き玉子が巻けるように練習を重ねてもらうのです。
できるようになりますか? 大丈夫!全員できるようになります!


9時10分、授業開始です。本日担当の大引先生から実習説明があります。
「今日はだし巻き玉子のテストを行います!」
だし巻き玉子はこれまで個人実習という授業で5回(1回180分授業×5回)練習を積み重ねてきました。
今日は練習の成果を確認する日なのです。



この鍋は「巻き鍋」といってだし巻き玉子、玉子焼きを焼く専用の鍋です。
学生は一人一台、購入しています。テスト前に40分間練習をします。
まずは巻き鍋を十分熱して油を塗って卵生地がくっつかないようにします。ジュ~
これを「鍋ならし」といいます。とても大事な準備です。


ではだし巻き玉子の作り方を説明します!卵3個を箸で七分程度(卵白が混ざりすぎないように)混ぜます。
そこにだし汁に味醂、塩、醬油を混ぜた合わせだしを加えます。


熱した鍋に卵生地全体の1/2量を一気に投入!ジュ~


素早く向こう側から卵生地を巻いてきます。ここで焼き色を付けてはいけません!


次に残っている卵生地の1/2量を投入!ジュ~ 
巻いた卵の下にも生地を流し同様に焼きます。


コツは箸だけで巻こうとせず同時に鍋を手前に持ち上げるようにして勢いよく巻く!


鍋の動かし方が良ければ卵に傷がつかずきれいに巻けます。いいね!




さあ!テスト開始まであと15分。事前練習もスムーズです。
本番も緊張せず普段の実力が発揮できれば良いのですが。緊張するなよ!(笑) 
ハイ!練習終わり~テスト始めるよ!


「では2人ずつテストを行います」あ~テストという言葉に緊張してきた、ヤバイぞ


テストは採点用紙をもとに、できている点、できていない点をチエックします。


「あ~心配、もう一度鍋ならしや!」
チエックポイントも再度確認「先生!卵の混ぜ方も評価するのですか?」そうや!


「では始めようか!卵生地を合わせたら、いつでも巻いていいよ。」


大引先生が見つめる中スタート!



オッ!いい感じで進んでいますね。焼き色付けるなよ!


高評価のだし巻き玉子です。形がきれいで焼き色もなくしっとり艶やかです。いいね!


残念ながら全員が高評価というわけではありませんでした。
こちら焼き色はあまり付いていないが形が崩れています。原因は箸だけで巻こうとしていますね。
次回は箸だけに頼らず鍋もしっかり振ろう。



「ヤバイ!焼き色がついた」
焼き色が付くとこのような仕上がりとなります。
ところで先生!なぜ焼色が付くとダメなのですか?
「焼き色が付くということは焼き過ぎです。
そのため卵生地の水分が蒸発しすぎてパサついた食感となります。しっとりとした食感がおいしいですよ!」



だし巻き玉子は3等分に切り分け、器に盛り付けて完成。


これ100点!焼き色がなく形もきれい、しっとりと艶やかです。すばらしい~


こちらは断面を見れば黒い線のような模様があります。これは焼き色が付いている部分です。
食べるとそこだけ固く感じます。そして悪い意味での香ばしさを感じます。
テストを終えて各自、できている点、できていない点がはっきりとわかりましたね。
練習する時間はまだまだあります。これからも100点目指して練習しよう!
さっそく今日の晩ごはんは全員「だし巻き玉子」やな(笑) 
おしまい


~プロフィール~
辻調理師専門学校 日本料理
小川 健
香川県出身。
私は今から35年前に辻調理師専門学校を卒業しました。
その当時と今も日本料理の基本は変わっていません!
揺るぎない基本をしっかり学ぶことが技術と知識を向上させる近道です。
日本料理に興味のある人、興味はあるけど自信のない人も大丈夫!
日本料理本科、日本料理クリエィティブ経営学科では
「難しいことが簡単にできるようになる」授業内容になっています。
どんな授業だ?これからも授業の様子はブログで紹介していきますよ!ご覧ください。