「入学して初めての実習は包丁研ぎです!」 ~日本料理だけを学ぶ辻調 ブログ2~
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2021年4月に日本料理本科(1年制)日本料理クリエイティブ経営学科(2年制)が
辻調理師専門学校の日本料理学科として開校しました。
この2つの学科では日本料理の会席料理を中心に学びます。
今日は4月10日、入学して初めての実習がこれから始まります。
AM9:00 授業がスタート、担当は音部先生!
「今日がみなさんにとってプロの料理人になるための1日目となります」
「日本料理は特に切れ味の良い包丁で仕事をすることが料理を美しく見せるコツです」
「包丁研ぎの基本となる姿勢、包丁の動かし方をしっかり身につけてください!」
無言の学生が音部先生を真剣なまなざしで見つめます。
日本料理では3本の包丁を基本使います。
写真を見ながら説明するね。
一番手前の包丁は「刺身包丁」と言って主に刺身を切ることに使います。
細長くカッコいいですね。
真ん中は「出刃包丁」と言います。
名前の由来はその昔、この包丁を作っていた職人が「出っ歯」であったことから出刃包丁と名前がつきました。
本当の話ですよ(笑)
主に魚を卸す、肉を切るなどに使います。
一番上の包丁は「薄刃包丁」と言って3本の中で一番、刃部分が薄く作られているからこの名がついています。
野菜の皮をむく、切るなど野菜専用の包丁なのです。
薄刃包丁で魚、肉を切ることはありませんよ。
3本とも形状が違い、刃の厚みも違いますが
その理由は上記説明したような専用の仕事がとてもやりやすいからです。
包丁は入学時に全員が購入!
今後は切れ味抜群の包丁に自分で育てていくのです。
今日の授業は180分間を使い薄刃包丁を研ぎ、その後、大根を使い切り方の練習をします。
「では全員PCをだしてください!」「宿題を確認しま~す」
この学科の授業は数多くPCを活用しています。
授業初日ですが学生はPCを自由自在にあやつっています
先生、ところで宿題って何ですか?
お答えします。事前学習、復習用に辻調オリジナルの動画教材があります。
日本料理だけでその数なんと200本!しかも解説付きです。
今日の授業は薄刃包丁の研ぎ方なので、学生は事前に薄刃包丁を研ぐときの姿勢、
包丁の動かし方、やってはいけないことなどをしっかりと動画教材を観てポイントを覚えてくるのです。
わからなければ何度も繰り返し観れるので理解しやすいですよ。
そしていつでもどこでも活用できます。
へ~便利な教材ですね。
PCの画面には宿題内容「薄刃包丁 研ぎの準備を確認せよ」に対して
自身で観て気づいたポイントを「宿題」部分に書いてきます。
では先生、包丁研ぎはじめますか!
「その前にもう一つ大事な学びがありますよ!
宿題で書いてきた薄刃包丁の研ぎ方で意識すること、やってはいけないことをクラスメイトに説明するのです」
なぜそんな面倒くさいことをするのですか?
「動画を観て、ポイントをPCに書いただけでは理解できたとは言えません!」
「クラスメイトに口で説明して、君の説明を聞いてちゃんと理解できたよ!と言われるくらいでないと理解できたとは言えませんよ」
わかりました!では僕から説明します。
包丁の先端は人差し指と中指だけで押さえます・・・・・などなどこんな感じで説明が続きます。
「では砥石をテーブルにセットしてください!その際、前の人と重ならないようにセットしてよ」
ということでこのようにセット完了。
包丁研ぎスタート!
まずは先生の指導なしで事前に観てきた動画でのポイントを思い出しながらやってみよう!
あれ?全員もっと顔が砥石に近づくように上体を曲げることがポイントじゃなかったかな。
包丁を押さえる指の位置はいいけど。
途中、学生同士でお互い良い点、悪い点を指摘し合います。
「〇〇さんの包丁の先端は砥石にちゃんと当たってないかも?指の位置が問題かも」
「もっと先の方、ここに指をあてるといいんじゃない。それから肩の力は抜いたほうがスムーズに包丁を動かせられるよ」
この学生教えるのが上手ですね。
手前の学生の包丁を押さえる左指に注目!
人差し指と中指で押さえているけど親指と薬指、小指が開いた状態です。
これでは不安定で怪我する原因となります。
向こう側で研ぐ学生の指を見て!
人差し指と中指でしっかり押さえて他の指は握り込む。これが基本の指の使い方です。
これだと安定感があり包丁から指がずれることなく怪我をしにくいのです。
こちらでも学生同士の学び合いがつづきます。
「親指は包丁の角に当てた方が安定するよ」
音部先生!ボクの研ぎ方どうですか?
「もう少し上体を下げて、包丁を押さえる指が不安定だね」
わかりました!
包丁を研ぎ始めてから60分経過「では全員、手を止めてこちらを見てください!」
「みなさんの不十分なところをもう一度教えます」
「足は肩幅に開くこと!そして包丁に当てる指はこうです!どこを押さえるかもよく見て」
音部先生の示す基本姿勢は美しいですね。見習いましょう。
「ではあと10分間ポイントを意識して研ぎましょう!」
音部先生の指導後は今までできていなかった点も良くなりました。
写真からも研ぐ姿勢が良くなったことがわかりますよ。
授業後半は、大根を使って初めて切り方に挑戦です!
「包丁の握り方はこうです!そして包丁は前へ大きく動かしながら切ります」
「まずは大根をまっすぐ切ることを練習しましょう!」
「大根をまっすぐ切る」簡単そうですが実は難しい。
理由は日本料理の包丁は刃の形状が左右対象ではなく斜めになっています。
専門用語で「片刃」と言います。
そのためまっすぐ切ったつもりでも写真のように斜めに切れてしまいます。
結果はこの通り
先生、家に帰りたいです。
大丈夫! 最初はこんなものです。
すぐにまっすぐ切れるようになりますよ。
ちゃんとコツを教えてくれます。
「ハイ次は大根の皮をむいて!」
こちらも結果は
先生、実家に帰りたいです。
大丈夫! 最初から上手くできる人はいませんよ!先生もそうでした。
「では大根を1㎝幅に切って!」
エッこれ1㎝幅か?2㎝はあるね。そして形がバラバラ
先生・・・
大丈夫! 人それぞれ1㎝幅と言っても感覚が違うのです。
まずはゆっくりでいいので正確に1㎝幅に切れるようにしよう。
最初はみんな素人です。焦らずしっかり基本を身につけましょう。
そして先生の指導を素直に受け入れることが上達への近道となります。
今日はとても疲れたことでしょう。明日からも頑張ろう!
今後も彼らの成長をブログで紹介していきますね!!
~プロフィール~
辻調理師専門学校 日本料理
小川 健
香川県出身。
私は今から35年前に辻調理師専門学校を卒業しました。
その当時と今も日本料理の基本は変わっていません!
揺るぎない基本をしっかり学ぶことが技術と知識を向上させる近道です。
日本料理に興味のある人、興味はあるけど自信のない人も大丈夫!
日本料理本科、日本料理クリエイティブ経営学科では
「難しいことが簡単にできるようになる」授業内容になっています。
どんな授業だ?これからも授業の様子はブログで紹介していきますよ!ご覧ください。