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辻調理師専門学校

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「今日は60分間で料理4品作ってください!大丈夫、君たちならできる」 ~日本料理だけを学ぶ辻調 ブログ21~

日本料理クリエイティブ経営学科

2024.01.26

2021年4月に日本料理本科(1年制)、日本料理クリエイティブ経営学科(2年制)が
辻調理師専門学校の日本料理学科として開校しました。
この2つの学科では日本料理の会席料理を中心に学びます。

今日は日本料理本科(1年制)のグループ実習にクローズアップします。
今日の実習は反復実習といって、過去に先生の指導を受けながら作った料理を学生だけの力で完成させます!

先生の指導がない分、学生はいつも以上に慎重に考えながら取り組まないと失敗しちゃうってことですね。
良い意味での緊張感を持って頑張ってください! 
なんかワクワクしますねわーい(嬉しい顔)


では今日の献立を紹介しますね。写真を見て!
手前左から親子丼、隣はけんちん汁、奥の左側は烏賊と分葱のぬた和え、鰆の幽庵焼、以上4品です。
これを60分間で同時に仕上げます。
「先生手(パー)、60分って短くないですか?」 
大丈夫、あと2ヶ月で卒業となる君たちの実力ならできますよわーい(嬉しい顔)




使用する食材を集める。並行して実習スケジュール表をグループで作成します。わーい(嬉しい顔)
60分で料理4品仕上げるには段取り力が完成度にかなり影響します。
そのため学生はグループでスケジュール表を作成!これを見ながら進めていくのです。


打ち合わせを終えて、実習スタート、まずはだしを引く。これがないと始まりませんね。


並行して鰆を卸す。
これまで多種の魚を卸してきた学生は今ではどんな魚でもうまく対応しますよ。



約30cm上から均一に塩を振ります。魚の下準備の基本です。
余分な水分を抜き、その後、酒、味醂、醤油で味付けしたタレ(幽庵地)に漬けます。
このサイズなら20分漬ければOKかな。



タレに漬けこんだ後は皮側に切込みを入れる。
これをすると食べる際、箸で皮を切りやすくなります。
その後、金串を打ち。盛り付けた際、立体感が出るようにします。
下準備はここまで!
焼くのは仕上げる寸前ですよ!



並行してこちらのテーブルでは烏賊を2cm角に切り、酒を煮立てた中で軽く火を通します。
これをすることで烏賊の生臭みが取れ表面がざらつくため仕上げる際、
和え衣となる辛子酢味噌が絡みやすくなります。




これは分葱です。熱湯でさっとゆでて火を通します。
ポイントはその後、分葱の上を麵棒でゴロゴロところがして中に潜む「ヌメリ」を取るのです。
このヌメリが臭みの原因なのです。
烏賊と和えて食べる料理です。烏賊同様2cmの長さに切りそろえます。


あたり鉢を使って辛子酢味噌を作成中、仕上げる寸前に烏賊と分葱を和えて
「烏賊と分葱のぬた和え」が完成です!




隣のテーブルでは豆腐を油で炒めています。これはけんちん汁の仕込みです。

まず水切りした豆腐は油で炒めてより水分を飛ばします。
そこへ大根、人参、椎茸、こんにゃくを加えて再度炒めます。

油で炒めることで野菜にもコクがでます。
その後、だし汁を加えて野菜に火が通れば塩と薄口醤油で味付け!
最後に水溶き葛粉で汁に適度なとろみをつけます。
今のような寒い季節にはアツアツ状態で食べたいですよね。とろみがつく分、冷めにくいのです。



実習開始から40分が経過、そろそろ親子丼を各自で仕上げていく時間です。

一口サイズに切った鶏肉は熱湯でさっと霜降りに!
これをやるか、やらないかで美味しさが違ってきます。
鶏肉の臭みが取り除けます!
その後、甘辛く味付けした合わせだしの中で火を通すと同時に味付けをします。



親子丼には鶏肉のほか玉葱、青葱が入ります。

みなさんは親子丼の作り方を知っていますか? 
美味しさのコツは卵の火通し加減です!そのため1人前ずつ専用の丼鍋を使って作ります。
では動画で確認してください!ここをクリック ↓


各テーブルでも親子丼の仕上げが始まりました。
「自分で食べるものは自分で作る」がルールです!



実習開始から50分が経過、残り10分!ここで「鰆の幽庵焼き」を焼き始めます。
アツアツで食べることがベストであることは学生もわかっています。
今回は焼き時間約8分と計算しているようです。
皮側はしっかりと焼き色を付けると見た目も美味しそうですね手(チョキ)


残り5分を切りました。
最後はけんちん汁を盛り付けます。
制限時間ギリギリで盛り付けることも計算しています。これならアツアツで試食できますね。


「は~い60分経過!実習終了」すべてのグループ、なんとか制限時間に間に合いました。
これから試食開始です。


オッ!けんちん汁はアツアツで仕上がっているなぁといった表情ですね。


自分で作った親子丼の完成度が気になるようです。
決め手はやはり卵の火通し加減です。
フワッと半熟状態がベストですが、どうだったのだろうか。
今日の実習は60分間を使い4品仕上げるルールでやってきましたが慌ただしい実習となりました。
「もう疲れたよ~」という声がちらほら聞こえてきます。

みなさんお疲れ様でした。
授業も終盤です。最後まで気を抜かず、がんばれ~

~プロフィール~
辻調理師専門学校 日本料理
小川 健
香川県出身。
私は今から35年前に辻調理師専門学校を卒業しました。
その当時と今も日本料理の基本は変わっていません!
揺るぎない基本をしっかり学ぶことが技術と知識を向上させる近道です。
日本料理に興味のある人、興味はあるけど自信のない人も大丈夫!
日本料理本科、日本料理クリエイティブ経営学科では
「難しいことが簡単にできるようになる」授業内容になっています。
どんな授業だ?これからも授業の様子はブログで紹介していきますよ!ご覧ください。