鯛づくし料理グループで作ります!~日本料理だけを学ぶ辻調「新学科」のはなし19~
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今年の4月、辻調理師専門学校に2つの学科が新設されます!
内容はズバリ!日本料理だけを学ぶコースです。
学科名となる「日本料理本科」は1年制!「
※写真および内容は、新学科で実施予定の内容を、過去にエコール 辻 大阪で実施したものです。
今回紹介するのは鯛を使ったグループ実習です!
これまで個人実習で一人一人が「鯛」のウロコ、内臓を取る!三枚おろしを実習済です。
そして平造り、そぎ造り、薄造りも全員が実習してポイントを理解しています!
今日はこれまでの個人でできるようになったことを生かしてグループで鯛を使った料理を作ります。
写真の料理5品、デザート1品です。
実習で作る料理は「美味しい状態で客に提供できること」を想定して
料理5品を同時に仕上げるのではなく時間差をつけて仕上げます。
美味しい状態とはなに?
さしみは冷たい方が美味しいよね!ならば、冷たい状態で仕上げる。
焼き魚は熱い方が身もホクホクとしていて美味しいよね。
それなら熱々で食べられるように仕上げる。そういう意味だよ!
グループ全員が料理の作り方は勿論のこと、段取り、仕上げるタイミングなど
十分理解した上で実習に臨みます。
良い状態で複数の料理を仕上げるのは実は難しいのです。
実習開始とともにまずはメイン食材の鯛!
ウロコ、内臓を取り除いた後、きれいに水分を拭き取り頭も落とします。
これを「水洗い」といいます。
水洗いも三枚おろしも全員が経験済みのため先生の指導がなくてもスムーズです。
慣れた手つきで卸しています。
こちらの学生、三枚おろしはスムーズでしたが、腹骨の取り方がイマイチわかりません。
鯛の腹骨はかたく、まずは最初に身から外す作業が必要です。
先生からのアドバイスで理解できたかな。
卸した鯛は料理ごとに使い分けます。
上の写真は「刺身用の鯛」背中の身と腹の身に分けられています。
これを専門用語で「節取り」といいます。
下の写真は節取りせずに上から塩を振って鯛に塩味をつけると同時に
余分な水分を抜いている(鯛の生臭みを抜く効果あり)ところです。
これは焼き物「鯛の若狭焼」に使います。
鯛の頭と中骨はこの後焼いてだし汁を引きます。
焼いた鯛のあらを水と昆布と一緒に火にかけ約30分「グツグツ」といった感じです。
香ばしい鯛の味がするだし汁が引けるのです。
このだしを使って鯛ご飯を炊きます。めちゃくちゃうまいよ!
蕪はくしの形に切り、一個ずつ丁寧に「角」を滑らかになるようにむきます。専門用語で面取りといいます。
これをしないと蕪は火が通れば柔らかくなるため表面が煮崩れてしまいます。手間がかかるが大事な仕事です。
その後、米のとぎ汁(米を洗ったときにでる白い水)でゆでます。
米のとぎ汁には酵素が含まれているため蕪を白く仕上げ繊維を柔らかくする効果があります。
木の芽(山椒の木の若芽です)は2枚ずつ重ねておきます。今日は鯛ご飯に添えます。
香りが日本料理といった感じです。
実は若い学生の中には木の芽の香りが苦手な子もいます。
しかしこの1年で慣れて、逆に好きになるケースが多いのです。
今日の鯛のさしみは「鯛の松前造り」といって
細長く切った鯛の身にまぶしてある昆布のことを松前といいます。なぜ?
松前とは今の北海道のこと。
昆布といえば全国でも100%近くが北海道で収穫されるため、
昆布を混ぜ合わせたさしみに「松前」とつけることがあるのです。
覚えといてくれ!
鯛に串を打ち、焼き物の準備です。
先生からアドバイス
「2つの身を一緒に串打ちするときはまず、同じような大きさの身をペアにしてから串を打つこと!」
それが素早く串打ちができるようになる近道です。
これはデザート「フルーツゼリー」にかけるソースです。
卵黄、生クリーム、キルシュをベースにしたサバイヨンソースです。
とろみがつくまで火を通します。かたくなりすぎないように注意!
自信作のサバイヨンソースの上にカラフルなフルーツゼリーが盛られます。
これは揚げ物2種、
細長い方は「鯛の湯葉巻揚げ」茶色い方は「鯛のコーンフレーク揚げ」
揚げ物の衣は意外とスナック菓子が使えるよ。
みんな大好きな「じゃがりこ」も旨いぞ!
鯛の松前造りと煮物、鯛蕪が同時に完成。
造りは冷たく、煮物は熱々で仕上げないとプロとは言えません。
完成度はどうですか?
「造りは冷たい!鯛蕪も熱々完璧です。」
次の試食は焼き物「鯛若狭焼」と揚げ物「鯛の湯葉巻揚げ、コーンフレーク揚げ」の2品です。
2品とも熱々がよい状態です。
あとは鯛ご飯、デザートと続きます。
※写真および内容は、新学科で実施予定の内容を、過去にエコール 辻 大阪で実施したものです。