中国料理 竹蓀燉鶏湯 その②(キヌガサタケと若鶏の蒸しスープ)
こんにちわ!(ノ・ω・)ノ
中国料理班ブログ担当の中島です!
前回に引き続き薬膳スープの紹介をしますよ~
前回は材料の紹介をしましたのでいよいよ仕上げの工程に入っていきます!
まずは材料をボイルし、材料のクセを抜きます。
ボイルする時間は食材によって異なります。
龍眼、ナツメ、クコの実などはボイルし過ぎるとせっかくの風味、薬効が無くなってしまうので
表面の汚れを取る程度でサッと、若鶏は動物性のものなので特にアクが出るため、しっかりめにボイルします。
材料の処理が終われば
こちらの器に材料を入れていきます!
写真では伝わりにくいですが、鶏が丸々一羽入るほどのサイズですからね~ (๑˃̵ᴗ˂̵)و
ちなみに使用するスープは前回もお伝えしたように清湯ですよ~
スープを一度鍋で沸かして味付けはシンプルにお酒を少々と塩のみ!
すべての材料が器に入ったら蓋をして約1時間半蒸します!
ちなみにキヌガサダケは蒸しすぎると食感が損なわれるために仕上がる30分前に入れます。
あと、クコの実は長時間蒸すと鮮やかな赤い色が飛んで、くすんだ色になってしまいます。
栄養価や薬効の意味合いで入れているのですが、見た目が美味しくなさそうになってしまうとせっかくの料理が
台無しなので、このようにペーパータオルにくるんでエキスを抽出後取り出せるようにしておきます。
北京ダックの時に紹介したスチームコンベクションオーブンのスチームモードで1時間蒸し、
キヌガサダケを入れて残りの30分蒸します!
それではここで理論なお話を少々(๑¯ω¯๑)
今回「蒸す」という、蒸気を使用しての加熱方法を選んだ理由を説明したいと思います。
蒸しながら加熱をする利点がいくつかあるのですが、
まず水分量が減らない!
前回の記事で紹介したような直接火にかける方法の場合、煮詰めることでしか得ることができない香りなどが
出る利点もあるのですが、どんどん水分は蒸発してしまうので出来上がりの量が定まりにくいんですね。
忙しくて目を離してたら煮詰まり過ぎて液体が殆どなくなっちゃった!なんてことも・・・゚(゚ノ´Д`゚)ノ゚
続いて、スープが濁らない!
スープが濁る原因は、脂肪分が液体と混ざって乳化したり、空気が入ったりなど、いずれもスープの中で材料などが
対流して起こる現象なのですが、蒸気の加熱の場合スープの中身はいたって平和な状態です(笑)
中の液体が沸点に達さないため、対流が起きないんですね。
上記の2点からコンベクションオーブンやセイロなどに入れっぱなしにしておいても失敗が殆ど無いということも
忙しいお店などでは大きな利点になる要素ですね~(´∀`*)
後は、蒸気が加熱媒体になるので穏やかに加熱がされていく事により、
じっくりと材料のエキスがスープに流れ出るんですね。
ですので、良いものも出ますが悪いものもスープに流れ出ていきます(;´Д`)
だからアクの出る材料はしっかりとボイルしてアク抜きをしておく事が大事なポイントになるんですね!
ちなみに前々回で紹介した「上湯」はこのように蒸して取ることもありますよ~
それではそろそろ出来上がりのスープを見てもらおうと思います!
こちらです!!!
埋もれて見えにくいですが鶏も丸々一羽入ってます!
出来上がればペーパーにくるんだクコの実を取り出して、新たに水戻ししたクコの実をちらします!
これで色鮮やかなクコの実が入り、色彩にも華が出ますね!
スープの色ですが、
この清湯が
綺麗な黄金色になってますね~(*´﹃`*)
これはスープにいろいろな材料のエキスが流れ出てこのような色になったんですね。
もしもお店でこの料理が1人前のサイズのお椀に取り分けられて出てきたらなんのインパクトもないスープ料理ですが、
北京ダックの時と同様で、この大きい器で出てきて蓋を開けたら鶏が一羽丸々入っているとインパクトがありますよね!
その時にお店の人に、「このスープにはいろいろな材料が入っていて美味しいけれども体に良い薬膳スープなんですよ」
なんて言われたら自然と期待しちゃいますよね!
気になるお味はというと、飲んでみてびっくり!!!
するほど何かあるような味ではないんですけどね(笑)
でもなんだか優しくて安心するような味なんです。
講習で試食した学生たちの反応ですが、最初はやっぱり薬膳スープっていうことで構えて飲むんですね。
一口目で、お!全然変な味じゃないじゃん!って雰囲気になるんですよ。
そのうちなんだかほっこりするわぁって感じになってレンゲを持つ手が止まらなくなり、
そのうちレンゲがお椀とあたってカチャカチャする音が教室内に響くんですね(笑)
僕は10クラス以上この授業に携わらせていただきましたが、すべてのクラスが同じような光景でしたよ。
そんな優しい味の正体とは何なのでしょうか!?
それは今回使用した「生薬」と呼ばれる材料達に秘密があるんですね。
その話は次回のお楽しみ!
是非とも読んでくださいね!