みんなに好きになってほしい!秋の味覚ジビエ
皆さんこんにちは!
お久しぶりになります。
西洋料理を担当している入船 菜摘(いりふね なつみ)です!
だんだんと暖かくなり、卒業シーズンも間近に迫ってきました!!
辻調理師専門学校では学年末のテストも終了し、新しい春を待ち侘びています!
今日はそんな辻調理師専門学校で行った
調理技術マネジメント1年生、最後の西洋料理理論の
授業を覗いてきます♪
みんなとっても真剣です!
本日の授業のテーマはGibier(ジビエ)!
皆さんジビエ、聞いたことはありますか??
その昔、フランスでジビエは自分の領地で狩猟ができる
上流階級の貴族しか食べられない貴重で高価なものとして有名でした。
そのためヨーロッパでは伝統料理として発展してきた食文化で、
とっても奥が深く、歴史的に見てもすごく古くから
世界中で愛されている食材の1つとして知られています!
基本的にジビエとは狩猟の対象になる野生動物を指していて、
料理ではその中でも食用にする猟鳥獣や野禽獣とそのお肉のことを言います。
野生動物、いろいろありますが例えば...
熊
イノシシ
キジ
鴨
鹿
などなど!!
この5つは本場フランスでもよく見られるポピュラーな食材で、
ジビエの旬は餌が豊富になる秋から冬にかけて...と言われています。
そして令和になった今でも!
ヨーロッパでは秋季限定にしか食べられない特別な食材としてすごく人気があります。
日本では狩猟行為や野生動物を食べるということに
ネガティブなイメージが先行していていることもあり、
捕獲されてもあまり食肉として利用されることが少ないのが現状です。
おいしいのにもったいないです...(-_-;)
今回の理論ではChevreuil grand veneur(シュヴルイユ グラン ヴヌール)
鹿肉のグランヴヌール風というジビエ料理を代表とするメニューを通してジビエに触れていきます。
Chevreuil(シュヴルイユ)とはノロジカの雄を意味します。
今日は、先ほど紹介した鹿の背ロースを使って料理をしていきましょう!
では作り方をザッと5段階でご紹介します!
①まずジビエのくず肉や骨、香味野菜を使って約8時間煮込み、香り豊かなだし汁を作ります。
②マリナードと呼ばれる香味野菜と沢山のスパイスと赤ワインで作った漬け汁に鹿肉を一晩以上漬けこみ、
食材を柔らかく、風味を付け、保存性を高めます。
③翌日、漬け汁とジビエから取っただし汁、香味野菜、赤ワイン、たっぷりのこしょうを煮込み
ソース・ポワヴラードと言われるソースの出来上がり。
④③のソース・ポワヴラードをベースにグロゼイユと呼ばれる酸味の強い木の実で作られたジュレと
生クリームで味を調え、ほんのりと甘いソース・グランヴヌールが完成!
グロゼイユ
⑤一晩漬け込んだ鹿肉を色よく焼き上げたら完成です!!!!!!!!!
焼いたお肉は...後でお見せしますね♪
そして!今回は特別に鹿肉とよく合い、
盛り付けも綺麗になる3種類のピューレを添えて盛り付けしていきます。
ピューレは根セロリ、栗、人参です!
根セロリ
根っこの白い部分を食べます!
こぶしサイズのピカピカの鍋でピューレを作りました!
さあっ!!いざ、盛り付けへ!!!!!!!!!
ジャジャン!!!!!!!!!
どうでしょうか??
おいしそうじゃないですか???
頑張って盛り付けました!(笑)
国内の多くの都道府県では、野生動物による農作物や樹木の食害で
年間に約170億円の被害が出るなど、悩みも多くあることから、
生息密度をコントロールするために捕獲された野生動物をただ殺してしまうのではなく、
食用にすることで消費量を増やし、命を大事にしようとする動きが活発になっています。
正しい方法で調理されたジビエはすっっっごくおいしいですが、
まだまだ食べたことのない人も多く、食卓に根付いていない現実は少し悲しく思います(◞‸◟)
辻調理師専門学校では、
ジビエの料理セミナーやコンクールを開催する団体と協力したりと、
日本でもジビエ料理を好きになってもらえるよう活動をしています。
ちなみに日本でも食べられているジビエの代表的な料理はぼたん鍋ですよ!
皆さんもぜひ機会があればびジビエ料理、食べてみてくださいね!!!!!!!!!
ジビエ独特の風味と触感にきっと、あなたも虜になること間違いなしです(#^^#)!
それでは、また次回!