OSAKA

辻調理師専門学校

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夏は何故だか長い魚が食べたくなる?

日本料理
調理技術マネジメント学科

2024.07.24

7月に入って暑い日が続きますが
皆さん元気にお過ごしですか?

夏と言えば2年生の日本料理マスタークラスの実習では
恒例の『鱧(はも)強化実習』が今年も行われています。
初めて鱧を触る学生もいますが、今年も皆奮闘してます。
詳しくは是非、こちらをご覧ください。

さて、今回は実習ではなく調理技術理論の授業からのお届けです。
日本料理の授業では、主に「歳時(ひな祭りや七夕など)にちなんだ料理」についてと
「季節の素材」の知識と調理法を勉強しています。
夏バテで食欲が低下する季節ですが、美味しいものもたくさんあります。

それでは7月の授業をのぞいてみましょう。

この長い魚は太刀魚です。大きな口に鋭い歯、銀白色に輝く魚体は美しいですね。
太いもの(指5本分以上の幅)は釣り好きの間ではドラゴンなんて呼ばれています。 
太刀魚はその名の通り、キラリと光る銀色の太い刀の形をしているところから
その名がついたといわれています。




塩焼きは定番ですがせっかくなので長さを活かして三つ編みにしてみました。
串を打って焼き上げたら 


完成!
太刀魚塩焼き~三つ編みversion~



焼き物のほかには皮目をバーナーで炙って食べやすくした
「焼き霜造りサラダ仕立て」に、青葱を芯にした天ぷら「太刀魚難波巻き」も勉強しました。


次の素材は「鮑(あわび)!」
高級食材ですね。

クロアワビにメガイアワビ(ビワガイ)、エゾアワビを使って三品の紹介です。
一般的にクロアワビは歯ごたえを大切にする生食に向いていて、
メガイアワビは加熱する調理法に使われることが多いんですね。
今回はクロアワビを塩釜焼きに、メガイアワビを吉野煮、蒸し鮑のゼリー掛けに調理しました。

中途半端な火通しは鮑を固くしてしまいます。


塩釜焼は鮑に間接的に火を通す蒸し焼き。


吉野煮は薄く切った鮑に葛粉をつけてさっと煮汁で煮ると歯切れのよい柔らかな食感に。


蒸し鮑は今回3時間蒸して程よい柔らかさに仕上がっています。贅沢ですね。

続いては1年生のころも勉強していますが強化実習前に鱧の扱い方を復習しましょうということで
鱧の下処理から開き方を思い出してもらいながら調理した料理を紹介します。


鱧焼き霜造りです。鱧ちりもいいですが、焼きちりも堪りません。


鱧源平焼き 白い方が塩焼き、茶色い方は甘辛いたれをつけて焼き上げた料理です。

源平焼きとは、同じ食材を赤と白の二色に仕立てた料理につけられる名前です。
源氏の白旗、平家の赤旗にちなんでいるんですね。


そして揚げ物は、もち米を加工して乾燥させた道明寺粉を使った餅粉揚げです。
夏野菜と一緒に盛り付けて食欲そそる黒酢のあんを掛けています。
暑いときには酸味のあるもので食欲増進です。
そして夏バテ解消には"土用の丑の日"でお馴染みの鰻です。


開いているところはグロテスクなので自重しますが、
関西式の腹開きと関東式の背開きの2種類を使って、


鰻の白焼きと蒲焼きの・・ここも源平スタイルでの盛り付けです。


さっぱり酢の物の「うざく」。


メインはうな丼、うな重、ひつまぶしもいいですが、薬味たっぷり鰻ご飯も美味しいですよ。
さらにパワーをつけるためにスッポン鍋も登場です。


こんな感じで、その時期の美味しい素材や季節を感じる食材を使っての授業。
これから夏休みですが、夏バテしないよう頑張りましょう!
たくさんの美味しい食材に出会える 実りの秋も待ち遠しいですね。



~プロフィール~
辻調理師専門学校 
中林 直也

調理技術理論 他
ワンちゃんのモフモフと肉球を愛する男 日本料理担当 中林です