10月のフランス料理講習
辻調理師専門学校、調理師本科生(1年制学科)、
調理理論西洋料理の授業をピックアップしたいと思います。
時間割はこんなかんじ・・・10月○○日 4時限目:調理理論西洋
担当は、若林 知人先生です
今回のテーマは蒸し焼き。
蒸して焼く???
ピンとこないかもしれませんが、フランス料理には加熱調理技法がたくさんあり、
焼く=ソテもその1つです。
授業で使う教科書『基礎からわかるフランス料理』には19種類の調理技法を紹介していますが、
細かく分ければそれ以上!
蒸し焼きとは、
厚手の鍋で素材を焼いた後、蓋で密閉し、
素材や香味野菜から出てくる蒸気を閉じ込め、
焼くのと蒸すのを同時に加熱調理すること...を指します。
本日の講義レシピは、子牛コートのポワレ、グラン・メール風
ポワレとは、今回のような蒸し焼きを指す時や、フライパンのフランス語『ポワル』から
フライパンで焼くなどの意味があります。
詳しくは教科書にのっていますので、オープンキャンパスに来て西洋料理の先生に質問してみてください。
子牛は生後1年未満の若い牛を指しますが、フランス料理で使う子牛は3~6か月ぐらいのものが多いです。
さっそく子牛肉の下処理です。
今回はコートと言われる骨付きロース肉を使います。服のコートじゃありませんよ!
牛肉よりも色が淡くきれいですね。
昔のヨーロッパでは、牛は農耕に使われていて、その後食べられていたので非常に硬かった肉だったのです。
そんな中貴族たちはやわらかい肉を求め、重宝がられたのが子牛肉!
なので現在のフランスでも子牛肉は非常に高価で珍重されています。
子牛肉を鍋に入れ、表面に焼き色をつけます。
教室いっぱいに広がる肉とバターの焼ける香りをお届けできないのが残念です。めっちゃいい匂い~
香味野菜と一緒にオーブンに入れ蒸し焼きします。
つけ合わせはグラン・メール風ということで、おばあちゃん風というのが直訳!
ようはフランス人が好きなじゃがいもに、小玉ねぎ、ベーコン、マッシュルームを使った家庭料理の定番です。
そんな中でも学校では面取りをしたじゃがいも(じゃがいものトゥルネ)を使います。
肉が焼き上がりました。
何分オーブンに入ったか?その後の重要点は?
疑問が出てきた人は料理人の卵第一歩進んでいますね!!!
肉を切り分けていきます。素晴らしい火通しに、若林先生のテンションも上がります。
助手の先生との息もぴったりでお皿に盛りつけます。
ここからが辻調ならでは。
講義を見るだけでなく試食があります。
食べることで理解度は数倍に跳ね上がります(個人差がありますが 笑)
学生も今回の火通しの肉のやわらかさ、調味加減、ソースやつけ合わせとのバランスを確認します。
初めての子牛肉の味にビックリ!
試食後は、今回の振り返り。
この調理技法の利点は、特徴は、適した素材は???
なぜそうするのか?そうしないとどうなるか?一つ一つ学んでいき、1人前の調理師に向かっています。
次回はどんな料理を見て、実習できるのか、成長が楽しみです。
<プロフィール>
辻調理師専門学校 西洋料理
野口直樹
大阪府生まれの奈良育ち。
今ドハマリしているのは、夏でも冬でもBBQ。
圧力鍋クッキング!