「日本料理の切りもの、むきものができるようになります!」~日本料理だけを学ぶ「新学科」ブログ11~
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4月に日本料理本科(1年制)日本料理クリエィティブ経営学科(2年制)が
辻調理師専門学校の新学科として開校しました。
前回は個人実習という授業の中で学生全員がどのような「魚を卸す!」練習ができるのか紹介しましたが
今回は野菜の基本的な切り方と、むきものができるようになるのかを覗いて見ましょう!
入学して最初に体験するのは「包丁研ぎ」です!
この包丁は先端が「鎌」のように曲がっていることから「鎌型包丁」別名「薄刃包丁」と呼ばれます。
まずはこの包丁に切れ味鋭い刃が付くように徹底的に研ぎます!
優れた料理人でも「よく切れる包丁」を使わなければ仕事がスムーズにできません!
プロの料理人は常に切れ味を意識しています!
向かって左から「短冊切り」「千六本」「せん切り」以上3つの切り方を、
入学後すぐ大根を使い美しくスピーディーに切れるよう練習します。
授業当日までに学生は辻調オリジナル動画「野菜の切り方」を何度も観て切るときのポイントを十分記憶してきます。
事前にイメージできれば当日は迷いなく取り組めますよ。
「包丁の先端部分で切ることがポイントなのか。わかったで!」
授業早々、担当の先生から3つの切り方についてのルール説明があります
「せん切りは1㎜以下の細切り」「千六本は2、3mm幅の棒状」「短冊切りは8㎜幅」以上の条件で
正確に早く切れるようにがんばりましょう!
ハイ!
せん切りはまず、1㎜以下の厚みで横にへぐ!
千六本は2,3㎜の厚さにへぐことから始めます。
いずれも均一な厚みにへげなければ、この後切ってもサイズがバラバラにしか切れません。
意外と難しいのですがポイントは学生わかっています!
大根を押さえている指でへぐ幅を決めることを。いいぞ(笑)
最初は自分の目でへぐ幅を慎重に見ます
「これで3mmくらいか」
慣れてくれば大根を押さえている指先で3mm計れるようになるのです。
決められたサイズに正確にへぐことができれば後は、リズムよく刻みます「トントントントン~」
鎌形包丁は刃の先端部分で刻むことが基本です!これも動画から学んだポイントでしたね。
これは胡瓜を使って「乱切り」の練習。
胡瓜の切り口を斜めに同じ角度で切ることの繰り返しです。
乱れると書きますがサイズがバラバラに乱れてはいけませんよ!
乱切りは正確にすべて同じ大きさ形に切れたかどうか4㎝枠に仕切った紙の上に並べていきます。
これだと同じ大きさに切れているかどうかが一目でわかります。
入学後1ヶ月もたたない間に、個人実習を通じて
基本となる切り方3種と乱切りがかなりの高レベルでできるようになります!
次の課題は子芋です。日本料理には「六方むき」と言って6面とも均一に皮をむくという技術が要求されます。
しかも複数の子芋の場合はすべて同じ大きさに揃えます。
子芋の六方むきも、事前にオリジナル動画を何度も観てポイントを覚えます。
「ポイントは包丁の下の方で一気にむくこと」「六面とも同じ角度でカーブを描きながらむくこと」
実習当日はまずこの2つを意識しょう!
子芋はまず上下を切りそろえてから皮をむいていきます。
実は上下ともまっすぐに、ヘげていないと皮が均一にむけないのです!
おっ!全員とも包丁の下の方で皮がむけています。動画からしっかりポイントが学べていますね。
ポイントがわかっていても初めから全員がうまくできるわけではありません。
この六方むき、ほぼ同じ大きさでむけていますが面がガタガタ。
なめらかなカーブが描けてなく形が悪いですね。
こちらの六方むきは4つの内2つは大きさもそろっていて、なめらかなカーブが描けて良いでしょう。
次の課題はすべて同じ大きさにむくこと!
最初からこのレベルでむける学生もいます。皮6面が均一になめらかにむけています。
このレベルを目標にこの時期、放課後、練習する学生も多数います。先生もしっかり教えてくれるぞ!
6月になれば鎌型包丁の扱いにも相当慣れてきます。次は大根の桂むきの練習が始まります。
大根の旬は寒い冬の時期ですが辻調にはこんなに太くて、まっすぐな大根が入荷されます。
この大根どこから来るのですか?
それは秘密です(笑)
途中で切れることなくできるだけ「長く、薄く、まっすぐ」むけることがレベルの高い桂むきと言えますが
日本料理では野菜を使った包丁技術の中では一番難しいと言えます。
数回練習するだけではできるようにはなりません。
じっくりと練習を積み1年後には写真のように長さ2m以上、1㎜以下の厚さでまっすぐにむけることを
全員が目標にしています。道のりは長いぞ!
最初は途中で切れて、長くむくことができません。
原因はむいている際、包丁がぐらぐらと動き安定せず刃の先が大根に当たり切れてしまうのです。
ある程度練習を重ねることで、徐々に長くむけるようになりますが多数の切り込みが入り切れやすくなります。
まだまだです。
桂むきは学生それぞれできている点、できていない点が違います。
その際、オリジナル動画で、自分のできていない点を何度も観てコツをつかむことが近道です。
まず、できていない点の改善方法を先生に教えてもらい、
そこを意識して練習していけばスムーズにむけるようになります。大丈夫です(笑)
6月~7月は桂むきと並行して葱を薄く刻む練習を行います。
葱を薄く刻むコツはまず、包丁によく切れる刃がついていなくてはプロの料理人でも難しいのです。
具体的に言えば薄く切ることができず、葱の繊維をつぶしてしまうのです×
ヌルヌルとぬめりが出てきて、目が痛い×
葱がところどころつながる原因にもなります。
切れる包丁だとこんなに違いが出ます!繊維がつぶれず、つながることもありません。
「先生、さぼらず包丁研ぎます!」(笑)
7月下旬には茄子の皮を超薄くむくために「ねじむき」という包丁技術を学びます。
桂むきに比べると簡単!全員この程度すぐにむけるようになりますよ。
現在学生は夏休み中、9月から授業再開となりますがこれからもどのような授業があり、
何ができるようになるかを紹介していきますね。
~プロフィール~
辻調理師専門学校 日本料理
小川 健
香川県出身。
私は今から35年前に辻調理師専門学校を卒業しました。
その当時と今も日本料理の基本は変わっていません!
揺るぎない基本をしっかり学ぶことが技術と知識を向上させる近道です。
日本料理に興味のある人、興味はあるけど自信のない人も大丈夫!
日本料理本科、日本料理クリエィティブ経営学科では
「難しいことが簡単にできるようになる」授業内容になっています。
どんな授業だ?これからも授業の様子はブログで紹介していきますよ!ご覧ください。