「能登島の大自然から学びます!!」~日本料理だけを学ぶ「日本料理学科」ブログ16~
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4月に日本料理本科(1年制)日本料理クリエィティブ経営学科(2年制)が
辻調理師専門学校に開校しました。
今日は学校を離れて10月11日から14日(3泊4日)石川県能登島にフィールドワークに出かけた内容をアップします!
*フィールドワークは本科授業とは別で希望者のみが参加します。(参加料金別途必要)
フィールドワークの目的ですが一流の料理人は、良い食材との出会いを求め、自ら様々な場所に足を運びます。
これまで学生は「良い食材の見極め方」を授業で学んできましたが今回はプロの料理人の間でも高評価されている
能登島の魚介、野菜を実際に見て触れて、その食材を使って現地で料理を作ることを目的として企画しました。
また食材を引き立てる調味料「塩・醤油」はもともとどのような作り方をされていたかを学べる企画となっています。
海の向こうに見えるのは能登半島!これから自然に囲まれた環境での学びがスタートします!
1日目、早朝より大阪から石川県能登島へ移動。時間は12:30いきなりランチタイム
ミシュランガイド北陸2021年度一ッ星獲得の「一本杉 川嶋」でいただきます!
ご主人の川嶋さんは辻調理師専門学校の卒業生で
主に大阪、京都で修業後、昨年夏、一本杉通りという街で開業されました。
いただく内容は秋の会席料理です 。調理場の奥で炎がメラメラと上がります。
能登島で獲れた鰆を串に刺してワラを燃やしてあぶっているのです。店内に香ばしい~香りが漂います。
「魚の鮮度に自信があります。今日はこれを造りとして提供します」どや!(笑)
これから食べる料理が目の前で仕上がっていきます。ワクワクしますね。
今日は秋の名月をテーマに構成された献立です。
かごを取ればどんな料理が現れるのでしょうか、手前のウサギの器がかわいいと女子が歓声上げていました(笑)
川嶋さんを前に緊張した様子で会話が全くない(笑)数々の料理に圧倒されています。
徐々に緊張もほぐれて後半は笑顔での会食となりました。ごちそうさまでした!
ランチタイムの後は同じく一本杉通りを探索。
こちらの「しら井」は日本料理のだし汁には欠かせない良質の昆布、鰹節をはじめ海藻なども販売されています。
川嶋さんのだし汁もこちらの昆布、鰹節から引いていますよ。
店内では特別に良質の昆布を見極める方法など貴重なお話しを聞かせていただきました。
ありがとうございました。
次も同じく一本杉通りにある老舗の醤油店「鳥居」で見学させていただきます。
こちらは地元、能登でつくられた大豆、小麦、塩を原料に
明治時代の古い建物で昔ながらの道具を大切に使いながら、手間ひまかけて
工程はすべて「手作業」で行われています。
説明いただくのは鳥居さん!
「醤油の原料は大豆と小麦、この配合が決め手です」とても、楽しくわかりやすい説明です。
途中爆笑するシーンも!
次は最終工程、醤油を絞りだす話しです
「一番でかい子!出ておいで、私とバトルをやるよ!」エッ・・バトルですか?
「この棒を押し合いして勝負します」「日頃私は一人でこれを押しているから力には自信あるよ!」
鳥居さん強すぎ!(笑)何歳ですか?
バトルはさておき、
棒を押すことで大豆、小麦が発酵してできた「もろみ」がつぶれて液体(醤油)となり絞り出されるのです。
ポトポトと少しずつたれ落ちてきます。
鳥居さんありがとうございました。とても分かりやすかったです!
鳥居さんの作られる醤油はプロの料理人の間でもよく知られていますよ。
能登島について里山里海ミュージアムで知識を吸収!
1年を通じて良質な魚介、野菜が「てんこ盛り!」ということがわかりました。
本日はこれにて終了!2日目も楽しみですね!
2日目、最初の学びは「塩づくり」についてです。
時間はAM8:00この原始的な小屋は何だろうか?
実はこの中で塩づくりが行われているのです。
ここでの塩づくりに使われる火力はすべて「薪で火をおこします!」
質問です。源内さん(ここのオーナー)!薪を焚いて塩をつくると美味しくなるのですか?
「いえ関係ありません。ガス、電気を使うと燃料代がかかるので薪を使っています」
えっ!薪って高いのでは?「すぐ近くに山があるからそこら取ればタダ、理由はそれだけ」
自然の特権ですね(笑)
ここでの塩は原始的な作り方をしています。
「簡単に言えば目の前の海から海水をバケツで運び
この桶に溜めて煮詰めていくと塩分濃度が3%からどんどん濃厚となる。
煮詰めて塩の結晶ができるまで続ける方法です」
では実際に煮詰めた塩水を味見します。「これはまだ4%くらいかな?それにしてもまろやか」
「こちらの桶はもっと煮詰まっているけど8%くらいかな。辛い!」
こちらの桶には塩分12%ほどに煮詰まった塩水があります。「にがっ!」(笑)
塩水を煮詰め続けると雪のような真っ白い塩となります。
現在販売されている塩はいろいろな方法で大量に作られていますがこれが原始的な塩の作り方です。
源内さんありがとうございました。
次は「シタダミ獲り」です。シタダミとは能登の海岸にいる貝のことです。
身は小さくあまり食べませんが、美味しいだしが引けます。
能登島ではこのように必要なときに取りに来て味噌汁のだしなどに使うそうです。
スーパーなどの商品としては出回らないそうです。
午前中の学びを終えてランチタイム。
これは「ごっつお飯」と言って能登島のお祭りなど特別な日に家庭で作る料理だとか。
それにしても手が込んでいます。感謝します!
味付けは薄い目で素材の味が生かされています。
春に採れたタケノコ、ワラビは春に冷凍して保存食としてこの時期にも食べます。SDGsですね!
「おばあちゃんの味がする。私はこの味大好き!」へーそうなんや。
ごちそうさまでした。大変美味しくいただきました!
お腹いっぱいの後は、体を大いに動かしてもらいます。
バスで1時間移動、その先は
プロの料理人から注目されている「NOTO 高農園」へ到着!
オーナーの高さんからひと言「私の農園の土は赤土を使用、すべて有機野菜にこだわっています」
こちらで獲れる野菜は主に直接レストランに届けられるためスーパーなどでは購入できません。
通販はやっているそうです。
急に雨が激しくなりましたが高さんから、野菜に対する情熱を語っていただきました。
それにしても広大な畑です。
これはほんの一部ですよ(笑)
ここでは日本品種の野菜は勿論のこと、西洋品種野菜や、あまり世間では知られていない野菜なども多数作られています。
特に根菜と呼ばれる大根、人参など地下に向かって成長する野菜が豊富です!
理由は土壌が赤土のため柔らかいのです。そのため下へ下へと延びるのです。
いろいろな野菜をその場で試食させていただきました。
美味しいものを食べているときの表情は嘘をつきませんね。いい顔しています(笑)
今日の学びはこれで終了。雨に打たれて少し寒かったね。夜は温泉に行こうか!
ということで和倉温泉にやってまいりました!
「風呂上りにコーヒー牛乳、飲みま~す」ご自由にどうぞ
温泉最高やったよね!ところで夜ご飯なにかな?
期待は裏切りません!能登島で獲れた魚介の大舟もりです!これだけではありません。
車エビ塩焼き、あこうの煮つけ、ハマチのフライなどなど、びっくりな内容でした。
「一晩でこんなに魚食べたことありません」それにしても全部うまい!
「ところで明日は4時起きだからね!漁港へ行くからね。早く寝な!」は~い
これで2日目も無事終了。
この続きは次回のブログで紹介しますね。
~プロフィール~
辻調理師専門学校 日本料理
小川 健
香川県出身。
私は今から35年前に辻調理師専門学校を卒業しました。
その当時と今も日本料理の基本は変わっていません!
揺るぎない基本をしっかり学ぶことが技術と知識を向上させる近道です。
日本料理に興味のある人、興味はあるけど自信のない人も大丈夫!
日本料理本科、日本料理クリエィティブ経営学科では
「難しいことが簡単にできるようになる」授業内容になっています。
どんな授業だ?これからも授業の様子はブログで紹介していきますよ!ご覧ください。