「すし実習!こんなにいっぱい魚をさばきます!」~日本料理だけを学ぶ「日本料理学科」ブログ20~
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4月に日本料理本科(1年制)日本料理クリエィティブ経営学科(2年制)が
辻調理師専門学校の日本料理学科として開校しました。
今日は「すし実習」を覗いて見ましょう。
先生、このすし実習は1年間でどれくらいやるのですか。2~3回ですか?
正確に言えば1年間に90分授業が56回あります!
えッ!そんなにあるのですか? 授業の目的を教えてください。
近年、海外において日本料理が人気を博しており、日本料理店が増加する一方で、
海外から日本を訪れるお客様が日本料理を食す機会も増えました。
今は残念ながらコロナの影響から国内で外国の方を見かけることが少ないのですが、今後は活気づくでしょう。
また、日本料理を学ぶ外国人も、海外の日本料理店で活躍できるチャンスも増えてきました。
そして、日本料理の中で最も好まれている「すしを握れる」ことが、
海外での就職において優位に働く可能性が高いと言えるのです!
また、客前で仕事をすることの多いすし店では、国外を問わず、
無駄がなく清潔感を保ちながら握る姿勢もまた、お客様に安心感を与える重要な素養とみなされます。
この授業の目的は、
握りずしを中心に、巻きずし、棒ずしなど、すしの基本となる仕事ができるようになることと、
お客様に気持ちよく食事していただけるような美しい「所作」を身につけることであり、
1年後にはお客様へ握りずしが提供できるレベルまで到達することを目指しています。
すし実習も20回目!これまで握りずしを中心に細巻きもできるようになっています。
まずは今日の食材タイ、キス、コハダ、アジの4種を卸していきます。
今日はじめて扱う「光もの」ピカッ!
光ものとはコハダ、アジなど魚の表面の皮が青くピカッと光っているように見える魚のこと。
写真は光ものを代表する魚、コハダです。
まずはコハダのウロコ、内臓を取ります。コハダを扱うのははじめてでも大丈夫!
これまで扱ってきた魚とウロコ、内臓の取り方は同じです。みんなポイントは分かっています。
コハダは三枚に卸すのではなく腹側から開きます。
包丁の入れ方さえマスターすればスムーズにできます。ほらこんな感じです。
次は塩を上から振りかけます。パラパラパラ~
コハダは生臭みが強いのが特徴このまま90分!
塩による脱水作用を利用して余分な水分を抜くことがポイントです。
余分な水分が抜ければ同時に臭みが取れます。
先生質問です!たっぷり塩を振っているので塩辛くないですか?
ハイ!とても塩辛くて食べられません。
この後「酢」につけることで塩辛さがまろやかになり、なお一層生臭みもとれるのです。
その仕組みは、話せば長くなるので今日はいたしません(笑)
こちらでは烏賊をゆでています。みなさんは「おぼろ」って知っていますか?
巻きずしなどの具材として使われています。ボソボソとした小さな粒粒!
色はピンクや黄色が一般的かな。
それを作ります。
ゆでた烏賊と海老はミンチを挽く機械にかけます。「オッ!ミンチになって出てきた」
すし店では「おぼろ」は自家製です。作り方、味付けもこだわりがあります。
もちろん辻調も「おぼろ」にこだわっていますよ(笑)
作り方は簡単!
ミンチに酒、砂糖、醤油などを加えてグツグツと約1時間かけて水分を完全に蒸発させます。
注意することは煮詰めすぎて「焦がしたらあかんで」(笑)
仕上げの最後は色鮮やかな辻調特製のおぼろが完成!
味はまろやかで甘~い感じです。
ところでなぜこんなに黄色になったのですか?
秘密です(笑)
ゆでた海老は殻をむき、腹側から開きます。左右対称でないとカッコ悪いぞ!
きれいな仕上がりです。すしネタは見た目が美しくないといけませんよ。
これはキス!下準備はコハダと同じです。
コハダ同様に腹側から開きます。
入学して約7ヵ月が過ぎますが包丁を使う所作がプロらしくなってきました。
左指がピーンと伸びてカッコいいね!
中骨の取り方もスムーズです。
腹開きしたキスは腹骨と小骨を丁寧に取り除きます。これで下準備完了!
塩で身をしめたあと、酢につけて後は握りずしのネタとして使えます。
これまで一番多く卸した魚「アジ」です!自信をもって全員完ぺきに卸せます!
本日担当の堀井先生「みんな成長したなぁ~」という目線で見つめています(笑)
それにしてもアジの鮮度はバツグン。
「身割れがなく全体的に赤色がかった感じがサイコー!」と叫びたいくらいです(笑)
アジも塩をしたあと酢につけて下準備が完了です。
ここまでで今日のすし実習は終了(90分×2回=180分、途中10分休憩あり)。
下準備した魚、おぼろを使って
明日の朝から全員が「握りずし、裏巻き(巻きずしの応用)」を繰り返し練習します。
もちろん試食もあるぞ!
今日もたくさん魚を卸したね!
お疲れ様でした。
次回のプログでこの続きを紹介します。見てね!
~プロフィール~
辻調理師専門学校 日本料理
小川 健
香川県出身。
私は今から35年前に辻調理師専門学校を卒業しました。
その当時と今も日本料理の基本は変わっていません!
揺るぎない基本をしっかり学ぶことが技術と知識を向上させる近道です。
日本料理に興味のある人、興味はあるけど自信のない人も大丈夫!
日本料理本科、日本料理クリエィティブ経営学科では
「難しいことが簡単にできるようになる」授業内容になっています。
どんな授業だ?これからも授業の様子はブログで紹介していきますよ!ご覧ください。