OSAKA

辻調理師専門学校

ブログ

「先生!もう魚をさばくテストですか」 ~日本料理だけを学ぶ辻調 ブログ3~

日本料理クリエイティブ経営学科
日本料理本科

2023.05.01

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2021年4月に日本料理本科(1年制)日本料理クリエイティブ経営学科(2年制)が
辻調理師専門学校の日本料理学科として開校しました。
この2つの学科では日本料理の会席料理を中心に学びます。


今日は4月21日!
授業開始から2週間が経過、実習授業では「鯵の三枚おろし」の テストを行います。
「2週間前を振り返ると授業では包丁研ぎから始まり、野菜の切り方、そして鯵を使っての三枚卸しの練習をしてきましたね」
先生!まだ2週間しかたっていないのにもうテストですか?
しかも魚を卸すなど、本当にできるのですか?
ではテストの様子を見ていきましょう!


魚を卸すときには「出刃包丁」を使いますが、テストに備えてしっかりと研いできたはず!
魚を綺麗に素早く卸すには切れ味抜群でないとね☆


もうすぐテストが始まりますがこちらの学生は緊張した様子で集中しています。
「どうか合格しますように」と心の中でつぶやいているのでしょう。


一方こちらの学生は「先生!この鯵はいい型していますね」(⌒∇⌒)
君もひょっとして釣り好きくんか? 
日本料理学科の学生は釣り好きが多いのです。


テストはまず6分間で鯵の水洗いまでを完了させること!
*水洗いとはうろこ、内臓を取り除き、頭を切り落とし水で洗って水分をしっかり拭き取ること。
「みんな!用意はいいかな、スタート」


手順として鯵には尾の付近にうろこの塊がついています。それを包丁ですき取ります。


次は表面のうろこを1枚も残さず取り除きます。

手(パー)先生!質問、頭を持ってうろこを取っている人と、尾を持って取っている人がいるけどどちらが正しいのですか?

「良く気づきましたね!頭を持つことが正解です。理由は、頭は大きく固いため手で持つと安定します。
鯵のウロコを取るには包丁でゴシゴシと表面をこそげ取るようにします。
尾を持つと安定しにくいのです。やりにくそうに見えませんか?」
これは減点だ!✖


「うろこの次は頭を落とします。食べられる部分をより多く残すため包丁は斜めに切込み頭を落とします。
鯵のかま部分の下から切ることで『かま下落とし』と呼ばれます」

手(パー)先生!鯵の表面にキズが付いていますが大丈夫ですか?
「ウッあせあせ(飛び散る汗) ヤバいの見つけましたね」
ダメです減点✖ 



はい!残り2分ね~
内臓を取り除き、後は水できれいに表面と腹の中を洗います。急げ!時間がないぞ。


洗った後はフキンで水分と血液などをキレイに拭き取ります。
「ハイ!時間です手を止めて」



ここで試験監督の湯川先生登場「う~ん、少し血液が残っているかな」
本当だ、少し残っています。だけど湯川先生、採点厳しくないですか?
「魚の臭みの原因の多くは血液から来るのです。
 学生には最初から厳しく、しっかりと血液を取る習慣を身につけさせているのですよ」わーい(嬉しい顔) 
愛のムチってやつですね。ビシッ!(>_<)


こちらの学生はどうですか?
「お腹あたりにウロコが少し残っているよ。
ウロコも臭みの原因となるし、食べたときに口からうろこがでてきたら嫌だろ」ビシッ!(>_<)


手(パー)先生!ところで何を採点しているのですか?

「評価項目は写真の通りです。ここに書かれていることが完璧にできれば水洗いの基本がちゃんとできていることになりますよ」


水洗いが終了。
水分もしっかりと拭き取られ、この後、三枚卸しの評価に移ります。


「次は三枚卸しのテストです!時間は6分間です。よーいドン」
こちらの学生、魚を卸す姿勢がとてもキレイです。そして包丁の持ち方もいいですね決定


こちらの学生も姿勢、包丁の持ち方とも決定! 
入学して2週間ですがプロに見えますわーい(嬉しい顔)


三枚卸しに関しては何を評価しているのですか?
「評価項目は写真の通りです。ここに書かれていることが完璧にできれば三枚卸しの基本がちゃんとできていることになりますよ」

手(パー)先生!評価項目に「衛生管理」とありますがこれも評価されるのですか?

「いい質問ですね。プロの料理人は常に衛生管理が出来なくてはいけません!不衛生では食中毒を起こしかねませんよ。
そのためテストでは常に料理が作れることと衛生面を並行して評価しているのです」ぴかぴか(新しい)



「残り3分ね!」
鯵は三枚に卸した後、腹骨をすき取ります。
ここでは包丁の使い方と切り込む角度を正確に行わないと失敗してしまいます。
しかしこちらの学生は上手です。写真を見ても手つきが素晴らしい決定


「オッこの2人は腹骨を取るのが上手だね」といった表情で湯川先生が見つめます。


最後の工程は「骨抜き」という道具で小骨(血合い骨といいます)を1本ずつ抜きます。
どこに小骨があるかがわかっていれば簡単に抜けるのですが意外と抜き忘れるのです。
湯川先生は絶対に見逃さないぞ!目 
ビシビシ評価してやってください。
「は~い、6分経過!テスト終了」


では評価していきます「よし!キレイに卸せているね。血合い骨も残っていない」
ありがとうございます。


「腹骨がキレイに取り切れていないね。ほらココ見てごらん。これじゃダメだよ!」
湯川先生、ムチをどうぞ! ビシッ!(>_<)


「キレイに三枚卸しできているのに!ほら、ここに小骨が1本残っているもうやだ〜(悲しい顔)残念」
ビシッ!(>_<) 


本日の100点はこんな感じとなります!!


向かって左の身を見て!
よく見ると背側の身が欠けています。これは包丁で卸す際の刃の角度が問題。
そして腹骨をすき取る際、身を取りすぎています。
70点くらいかな。


こちらはまず腹骨を取りすぎています。特に左側の身!
そして卸す際に少し力を入れ過ぎなのか身割れが見られます。
50点くらいですね!


学生が本日、卸した鯵です。平均してキレイに卸せています。
最初は鯵を教材として三枚おろしの基本をしっかりと身につけます。
入学して2週間後の結果としては素晴らしいですよ!
何かができるようになれば、もっとやる気になります!そして自信につながります。
これからも頑張ろう!

手(パー)先生!今後はどのような魚を卸すのですか?

魚を卸すことに興味がある学生は多数いると思いますが!
「わかりました!昨年の日本料理学科での授業内容をブログにアップしていますので興味のある方はご覧ください。」

ここをクリック→https://www.tsuji.ac.jp/college/chorishi/blog/cat1278/9_1.html


~プロフィール~
辻調理師専門学校 日本料理
小川 健
香川県出身。
私は今から35年前に辻調理師専門学校を卒業しました。
その当時と今も日本料理の基本は変わっていません!
揺るぎない基本をしっかり学ぶことが技術と知識を向上させる近道です。
日本料理に興味のある人、興味はあるけど自信のない人も大丈夫!
日本料理本科、日本料理クリエイティブ経営学科では
「難しいことが簡単にできるようになる」授業内容になっています。
どんな授業だ?これからも授業の様子はブログで紹介していきますよ!ご覧ください。