「包丁好きにはたまらない授業がはじまりま~す☆」 ~日本料理だけを学ぶ辻調 ブログ4~
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2021年4月に日本料理本科(1年制)日本料理クリエイティブ経営学科(2年制)が
辻調理師専門学校の日本料理学科として開校しました。
この2つの学科では日本料理の会席料理を中心に学びます。
今日は2つの学科で行う授業、日本食文化概論から「包丁」について学びます。
授業開始5分前、なにやら教室がざわつき始めました。ザワザワ...
その理由は教壇に並んだ日本料理の包丁です。
普段使っている包丁もあれば初めて見る包丁もずらりと並びます。
先生、一番左に見える包丁、見たことありませんが何を切る包丁ですか?
「これはウナギをさばく専用の包丁でウザキ包丁と言います。しかも東京を主に関東で使われている型です」
*うなぎをさばく(腹を裂いてさばく)ことから「ウザキ」と呼ばれています。
ということは関西式もあるのですか?
「あります。関西式は学校でも今後穴子をさばく実習で使いますよ。」
穴子をさばく?
穴子はウナギ同様、細長い魚のため「ウザキ」を使いますよ。
どのようにさばくのか興味ある人は下記から確認できますよ。
日本料理だけを学ぶ辻調「新学科」のはなし10
│辻調理師専門学校ブログ│辻調理師専門学校 - 食のプロを育てる専門学校 (tsuji.ac.jp)
今回の授業を担当いただくのは大阪、千日前道具屋筋商店街にある「堺一文字厨器」田中先生です。
授業早々学生に質問です。
「みなさんは調理に使う刃物がなぜ包丁という名前が付いたかご存じですか?
スクリーン1から4の内どれが正解でしょうか。まずは考えてください!」といった感じで、
クイズ形式で包丁の歴史から包丁の素材、包丁職人による刃物作りなど楽しい授業が展開していきます。
先生、ところでさっきの包丁の名前の由来の答えは何番ですか?
「3番でした。」
次は和包丁の素材についてです。
「鋼(はがね)」という金属を使います。
みなさんは日本刀を作る工程として高温で真っ赤になるまで熱せられた一枚の刃物鋼を
トンカチでコンコン叩きながらのばしていく場面をテレビなどで観たことがあると思いますが
和包丁も同じように作られます。
左から順番に形が変化していきます。そして黒い鋼が銀色の輝きを増して和包丁らしくなります。ピカッ☆
お~和包丁って1本一本手作りなんやって感じで聞いています。
「切れ味の鋭い和包丁で料理が作りたい!」といった理由で日本料理の道に決めた学生もいますよ。
そして和包丁は薄刃包丁、刺身包丁、出刃包丁をはじめ様々な用途に応じた専用の包丁と仕上がっていくのです。
しかしこれだけずらりと並んだ包丁は迫力ありますね!
前半の90分もあっという間に終了。
休憩時間ですが田中先生に質問! あれッ!女子ばっかりですね
先生、包丁触ってもいいですか?
「どうぞ、見た目は同じでも1本1本持った感じに違いがありますよ」
こちらの2人は鋼について質問です。
先生、包丁の切れ味は「鋼の素材」に違いがあるのですか?それとも作り方ですか?
「両方ですね。本焼きと言って他の金属を張り合わすことなく一枚の鋼を職人が丹念に
叩きのばす方法で作ると日本刀のように固く切れ味の良い包丁となります。値段は高価だけどね」
授業は後半に入り、同じく堺一文字厨器の丸町先生から「包丁研ぎ」についての講義です。
「切れ味の良い包丁を育てていくにはまず「砥石」の使い分けがとても重要です!」
砥石には荒砥石、中砥石、仕上げ砥石の3種あります。普段使いは中砥石を使いますが
刃が欠けた時など、修理をするにはまず荒砥石で研いで削ります。写真は荒砥石です。
表面がザラザラしているのがわかりますか?
仕上げ砥石は石の素材自体が細やかなためこれで研ぐと刃が滑らかになります。
「和包丁の形はそれぞれ違います。その形に応じた研ぎ方をしなくては切れ味の良い刃はつきません!
薄刃包丁と出刃包丁では鋼の厚みが2倍以上違います。刃先の形状も違う。
そのため刃部分をどのような角度で砥石に当てるかがポイントとなるのです」
丸町先生はこの業界では超がつく大ベテランです。
先生の説明は分かりやすく説得力があります。
包丁を研ぐときのポイントが十分理解できましたね。
入学して間もない学生にとって「切れ味の良い刃をつける」ことは身近な目標です。
丸町先生からのアドバイスを逃さず書き出します。
学生はノートパソコンに保存されているテキストを見ながら受講、ポイントとなることは書き込みます。
時代はデジタルですね!
今日の包丁に関する授業は直ぐにでも活かせる内容がたくさんありましたね。
今後は包丁研ぎの技術もレベルアップすることでしょう!
授業の最後は理解度を計るための「確認テスト」15問を10分でチャレンジ!
「残り時間3分です!」
こんなに「どでかいタイマー」学内で初めて見ました。
田中先生の性格が伺えます。(笑)
採点の結果、学生の理解度はかなり高かったです。
この学科には「包丁好き」が多いのです。
興味のあることは吸収しやすいのでしょう。
授業終了後、包丁好きな学生が集まります。
授業で新たな知識を得たことも有りこれまで以上に包丁に対する関心が高まったのでしょう。
「田中先生!今度お店に行ってもいいですか」
「大歓迎ですよ!いつでも来てください」
和包丁は手作りのため同じサイズでも実際に持つとそれぞれ握ったときのバランス感覚が違います。
「本当だ、この包丁は僕にピッタリです!」
気が付けばアッという間の180分でした。
田中先生、丸町先生、楽しい授業ありがとうございました!
~プロフィール~
辻調理師専門学校 日本料理
小川 健
香川県出身。
私は今から35年前に辻調理師専門学校を卒業しました。
その当時と今も日本料理の基本は変わっていません!
揺るぎない基本をしっかり学ぶことが技術と知識を向上させる近道です。
日本料理に興味のある人、興味はあるけど自信のない人も大丈夫!
日本料理本科、日本料理クリエイティブ経営学科では
「難しいことが簡単にできるようになる」授業内容になっています。
どんな授業だ?これからも授業の様子はブログで紹介していきますよ!ご覧ください。