基礎技術の大切さを学ぼう!
みなさん、Bonjour!(ボンジュール こんにちは)
西洋料理担当の小池 浩司です。
今回は調理技術マネジメント学科第2学年の授業の様子をお届けします。
皆さんが気になるのはやっぱり実習ですよね?
高度調理実習という科目、実はふたつに分かれているんです。
調理技術マネジメント学科の特徴でもある『シミュレーション実習』は調理・サービス・客役に分かれて行われ、
レストランという環境で実践を通して料理やサービスの腕を磨きます。
こちらの実習風景は後日皆さんに紹介する予定なので、楽しみにお待ちください!
そしてもうひとつが『基礎実習』です。
第1学年でも野菜の切り方や魚のおろし方などの包丁を扱った技術をたくさん学んできました。
けれども、春休みやゴールデンウィークがあったので、包丁を握ってなかった学生もいるかもしれません。
中には切り方を忘れてしまった!?という学生もいました・・・。(涙)
この基礎実習ではその名の通り基礎的な技術のクオリティを上げるために、繰り返し繰り返し行います。
就職してからは野菜などの下処理や包丁を扱った作業を手早くたくさん行わなければなりません。
即戦力になるためには、常日頃の訓練も大事ですね。
そして、いくら技術があっても包丁が切れないとダメ!!
第1学年でも習ったように、先ずは『包丁とぎ』から行います。
西洋料理で用いる包丁は洋包丁と呼ばれる両刃のものです。
牛刀、ペティナイフ、さばき包丁など用途に合わせて様々なものを使い分けなければなりません。
それらを大切に、大切に・・・角度を気にしつつ丁寧に包丁の両面を研ぎます。
ただ単に上下に動かすだけではなく、砥石に包丁を当てるときには
峰(みね)の部分にコインが1枚挟まっているぐらい浮かして研ぎます。
この角度をキープしながら刃渡り全体を研がないといけません。
しかも両面を均等に研がないと、材料を切る時に刃がまっすぐ入りにくくなってしまうので要注意。
こんな感じで爪に細かく引っかかる感じになると刃がついてきた証拠。
人参などの固い野菜も抵抗なく切ることができ、切った断面もピカピカに光ります。
メジャーリーガーの大谷選手のように道具を大切に扱うことの重要性が理解できましたね。
愛情を注いで研いだ自分の包丁の切れ味はどうでしょうか?
これで切りものも上手になってくれるといいですね!
次に野菜の切りものの練習を見ていきましょう。
西洋料理でよく使用する野菜、玉ねぎ&にんじん。
このふたつの皮をむいて洗浄し、見本のようにそれぞれ切り分けていきます。
先ずは玉ねぎ。
今回は『シズレ』と言って、みじん切りにします。
ただただ細かく切ればいいというものではなく、正確には2mm以下のめっちゃ小さい角切り。
ペティナイフで細かい切込みを正確に入れることがポイントです。
OK! 上手く切れていますね!!
次ににんじんです。
『ジュリエンヌ』とはせん切りのことです。
5cm長さに切ったにんじんを、端のほうから1mm厚の板状に切りそろえます。
それらをトランプのように重ねながら並べ、さらに端から1mm幅に切ると、
1mm×5cm長さの棒状のものが出来上がります。
これがジュリエンヌ。
ポイントは1mm厚の板状に切れること。
少しでも厚くなったり薄くなってしまうと、棒状の太さや長さが揃いません。
また、せん切りにするときに包丁が曲がってしまうと短いものが出てきてしまいます。
上手か下手か、はっきりと差が出てしまいます。
次ににんじんを『トゥルネ』で、面取りをします。
5cmの長さのにんじんをクルクル回しながら、細長いフットボールのような形に整えながらむきます。
洋食屋さんで食べるハンバーグの横に添えられているアレね、アレ。
ペティナイフを握り、もう片方の手でにんじんを持ち、
左右同時に動かしながら側面に緩いカーブができるように剥き、
これを繰り返しながら6~7面に形を整えます。
どうですか?
上から下まで一気に包丁を動かすと、表面がなめらかになり美しく見えますよ!!
にんじんのトゥルネの写真、一番上がお手本で先生が剝いてたもの、下3個は学生が剝いたもの。
形の整い方が全然ちがうーーー。
このような感じでコツコツと練習します。
繰り返しやったお陰で上達したかな?
それと基礎実習の中では『パン』も練習します。
小麦粉、水、塩、砂糖、そしてイースト。
とてもシンプルな材料を混ぜ合わせてこねる。
練りはじめはビチャビチャで本当に大丈夫(?)って思ったけど、
練っているうちにだんだんとノビもよくなってツルっとした状態になってきたので一安心。
温かいところで発酵させます。
その後、分割や成形、発酵を幾度か繰り返してオーブンで焼き上げます。
さぁ、どんな感じに焼きあがってくるかな?
オーブンの中を覗いてみます。
これはフランス料理に合わせる『パン・コンプレ』です。
フランスパンのように外側パリッ、中はもっちもち。
全粒粉を使っているので栄養価も高く、香ばしく焼けた小麦粉の香りがたまりません!
そしてイタリア料理の時には『フォカッチャ』です。
ふわふわしていて、焼き上がりにオリーブオイルをたっぷりと染み込ませて仕上げるので、
とってもソフトな感じのしっとり系です。
めっちゃ美味しそうに焼けてるやん
焼き立てサイコー!
材料や発酵のプロセスなどを学んだので、次回が本番。
シミュレーション実習でフランス料理やイタリア料理に合うパンをそれぞれ作り、お客様に提供します。
料理を美味しく仕上げるためにも、先ずは包丁とぎ。
そして切りものの練習。
コツをつかむまでが大変だけど、料理を作る楽しさにつながるので頑張らなければ!
学校では放課後など授業時間外の時間を使って自主練習もできます。
時間を有効に使ってどんどん成長してくださいね。
応援してまーす
~プロフィール~
辻調理師専門学校 西洋料理担当
小池 浩司
下呂温泉出身なので温泉大好き。