「今日の実習は鯛の姿造り!No.1を決めま~す」 ~日本料理だけを学ぶ辻調 ブログ19~
2021年4月に日本料理本科(1年制)、日本料理クリエイティブ経営学科(2年制)が
辻調理師専門学校の日本料理学科として開校しました。
この2つの学科では日本料理の会席料理を中心に学びます。
今日は日本料理クリエイティブ経営学科2年生の個人実習「鯛の姿造り」をクローズアップします。
全員に天然鯛1尾ずつ配られ、個人で鯛の姿造りを作ります。
これまでも鯛を使い三枚卸し、刺身を引くトレーニングは数多くやってきましたが姿造りは今日が初めて。
今回は頭、中骨を盛り付けに使うためそれを活かす卸し方があります。
これまでの卸し方とは少し違いますよ。
写真を見て!盛り付けたとき表側になる方です。包丁で卸す部分に切込みを入れています。
腹部分は卸さないことがわかるよね!
理由として表側は客の目に見えるためこの部分を卸すと大きな穴が開きます。
そうなれば見た目が悪いよね××
こちらは盛り付けたとき裏側になる方です。裏側は客の目に見えないため腹部分もすべて卸します。
まず表側から卸しますが背中側から包丁を入れていきます。骨に身が残らないよう慎重に、慎重に!
裏表を卸し終わるとこんな感じとなります。表側は腹身がほとんどありませんね。
卸した身は皮付きで刺身にするので、皮に熱湯をかけて皮部分だけに火を通して柔らかくします。
その後はすぐ氷水にジャボン!と落として急冷します。
熱湯をかけると皮がちぢむため、包丁で切り込みを入れて見映えよくしておきます。
こんな感じに!
では造りを引きます!背側の身は8㎜幅の平造り!切り込みが模様となり美しい☆
腹側の身は背側の身と比べて薄いため、斜めに5㎜厚さのそぎ切りにしていきます。
それぞれ平造り、そぎ造りに切り分けました。盛り付けまで冷蔵庫で冷やしておこう!
鯛の次は盛り付けに必要な「あしらい」と呼ばれる野菜類を準備します。
まずは大根の桂むき、2年生になれば桂むきも、余裕ですね。
大根を長く、薄くむいて千切りにすればこの通り、十分お店でも使ってもらえるレベルですよ。
いいね!
桂むきの応用として人参も同様にむき、線状に切ったあと
箸にくるくる巻きつければバネのような、おもしろい形になります。
これ「より人参」と言います。
今日は胡瓜でも「より胡瓜」を作りました!
すべて準備が完了、これから盛り付けです!
姿造りは鯛の骨部分が器となります。
卸した骨部分にバランスよく盛り付けるのです。
同じ鯛の身、あしらいを使いますが学生個人の盛り付けのセンスで全く違う完成度となります。
それにしてもこの鯛を卸した学生は上手ですね、骨にまったくと言っていいほど身が残っていません。
下の青色の布巾がはっきり見えるほどです。
いいね!
姿造りの盛り付けは非常に難しい。
色彩感覚、適度なボリューム、立体感などが要求されます。
「オッ!鯛の身を盛りすぎじゃないかい」
「鯛を囲む大根のけんが多すぎるのでは?」
こちらの学生に今、話しかけると怒られそうなぐらい真剣な表情で盛り付けしています。
全集中といった感じです
我ながらとてもいい写真だと思います。
いいね!
全員の盛り付け完了!
今日は学生から見て一番完成度が高いと思う姿造りを選んでもらいます。
「一番だと思う姿造りの前に自分の名札を置いてください!」
ここからはみなさんも一緒に見ていきましょう。
本日、一番完成度が高いと評価されたのはこの姿造りでした。
先生の評価もこれが本日の一番でした。
みなさん、お疲れ様でした。
授業も終盤です。やり残しがないように学生生活を送ろう!
~プロフィール~
辻調理師専門学校 日本料理
小川 健
香川県出身。
私は今から35年前に辻調理師専門学校を卒業しました。
その当時と今も日本料理の基本は変わっていません!
揺るぎない基本をしっかり学ぶことが技術と知識を向上させる近道です。
日本料理に興味のある人、興味はあるけど自信のない人も大丈夫!
日本料理本科、日本料理クリエイティブ経営学科では
「難しいことが簡単にできるようになる」授業内容になっています。
どんな授業だ?これからも授業の様子はブログで紹介していきますよ!ご覧ください。