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辻調理師専門学校

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「今日の実習は、天ぷらを極めます!」日本料理だけを学ぶ辻調! 日本料理クリエイティブ経営学科のブログ5

日本料理
日本料理クリエイティブ経営学科

2024.10.02


今日は日本料理クリエイティブ経営学科1年生の個人実習を紹介しますね!
内容は天ぷらです。
みんな大好き「天ぷら」。そして日本料理の代表選手みたいな存在かなぁ・・。
「そういえば、天ぷらが嫌いな人ってあまり聞いたことないけど!」
学生は本日2回目の天ぷら実習となります!では実習風景をご覧あれ!


まずは本日使う食材の下準備から始めよう!
天ぷらといえば海老は外せないよね。
尾を残して殻をすべてむき取ります。



海老の天ぷらは絶対まっすぐ揚げたい! 
そのための下準備はまず海老の腹側5ヶ所くらいに切り込みをいれ、
次に背側から指で海老の繊維をつぶすようにのばします!これで決定


次はイカです!
海老と同様に天ぷらには外せない食材ですね。
オッ!なにしてる?
「表面の薄皮をむいています。皮をつけたまま揚げると固く感じます!」
 

海老とイカの下準備は完了、揚げる直前まで冷蔵庫で冷やしておきます!



人参を3㎜幅の棒状に切るとマッチ棒サイズになります!
玉ねぎの薄切りと小エビで、かき揚げ作るよ!
ごめん、三つ葉を忘れていました!


天ぷらを極めるならまずは天ぷら衣を知ることかな!
みなさんは日頃、天ぷらってどこで食べますか? 

多数の学生から手(パー)「セルフのうどん屋で食べま~す」と返答あり。
その天ぷらは天ぷら粉を使っているから時間がたってもカリッとしているのです!
辻調で極める天ぷらは小麦粉と卵、水のみを混ぜて天ぷら衣を作ります。


先生手(パー)「うどん屋の天ぷらと何が違う?」
まず食感は「カリッ」ではなく「サクッ」のイメージね。
そして一番の違いはそれぞれの天ぷらの食感「カリッ」「サクッ」を保つ寿命が違いますよ。

うどん屋の天ぷらはカウンターにズラリと美味しそ~に並んでいますが、
20~30分たってもカリッとしています!
天ぷら衣もたっぷりついて、これを天ぷらうどんにすると美味しいですわーい(嬉しい顔) 

しかしこのタイプの天ぷら約10品を一品ずつコースで食べるとどうでしょうか? 
カリカリの食感とたっぷりの天ぷら衣は食べ疲れしそうですもうやだ〜(悲しい顔)
天ぷら専門店で提供される天ぷら衣は薄く、食感は「サクッ」ですが揚げてからの寿命は2分ほどです。
その後は衣が柔らかくなり残念な結果となります。

そのため、天ぷら専門店では客はカウンターに座り、揚げたてを一品ずつ楽しむものです。
美味しく食べるには、お客さんも早く食べてあげないといけないわけですね。
  
私の知る天ぷら店のご主人は、
「時間がたってもサクッとした天ぷらは目指しちゃいねぇ!
客からのいただく最高の誉め言葉は、あなたの揚げる天ぷらはたくさん食べても胸やけしないね!」
だと言っておりました!


前置きが長くなりすいません!
サクッと感をだす天ぷら衣を作るには衣に粘りをださないこと!
工夫1、卵で溶いた水は冷やして小麦粉と混ぜたとき粘りをでにくくする。



工夫2、小麦粉は使う寸前にふるいにかけることで、
空気に触れながら下に落ちる粉の湿気が飛び、粘りがでにくくなります。


工夫3、太い箸で卵水と小麦粉を混ぜてよい感じの天ぷら衣を作る!
太い箸で混ぜると通常の箸と比べて混ぜる回数を少なくでき、粘りがでにくくなります。
先生手(パー) 結局、工夫1から3で言いたかったことは「粘りをださないための工夫」ですね! → 正解手(チョキ)



今日の実習は学生が交代で揚げる人、食べる人に分かれて行います。天ぷら店仕様ですねわーい(嬉しい顔)
では、はじめます。
1品目の海老を油に投入! 
油の中でジュワ~ッ! 


オッ!海老がまっすぐ、奇麗な仕上がりです。



揚げたてをすぐに提供!
心の中で「すぐに食べて」と言っているのでしょう。



次はイカの天ぷら!
油の温度は約180度!でジュワ~と揚げます。
イカは揚げすぎると固くなり、美味しくありません××
写真のように中はレアに仕上げると柔らかく決定 


アツアツでイカが提供!ひと口でパクッ!幸せを噛みしめていますね黒ハート


最後は小エビのかき揚げで終了! 
ここで揚げる人と食べる人が交代します。




後半は揚げる人が変わりまずは海老を揚げますが、なにやら海老を見つめています。
どうした?
「海老を油に入れた瞬間から油の泡立ちの変化を見極めています!
泡状がだんだん穏やかになるにつれて衣の水分が抜けるので、
よし!と思ったタイミングで引き揚げろと習いました」

「その他は衣の色!きつね色ほどになればよいかなぁ~」「最後に箸でつまみ衣が固ければよし!」
説明できるということは天ぷらを油から引き上げるタイミングがちゃんと理解できているということですわーい(嬉しい顔)手(チョキ)


ところでみなさん、天ぷらって揚げ物ですが揚げているのは表面の衣だけって知っていましたか?
衣に包まれた海老は揚げている間にアツアツになった衣の熱で蒸されて火が通るのです。
だから揚げたての天ぷらは表面の衣はサクサク、
中の海老の水分は抜けずしっとりとジューシーな食感なのです!
この天ぷらはうまいぞわーい(嬉しい顔)


一方こちらの海老の天ぷらは衣が薄すぎたため海老を直接油で揚げた状態となりました。
海老の水分が抜けて見た目も固そうだけど、食べても固いこれは×××


オッ!君は何しているの?
「油の音を楽しんでいます!」
楽しんでるだけかい(笑)


最後は小エビのかき揚げです! 
理想は食材にギリギリ衣が絡みついた状態で揚げるとサクサク感が楽しめますよ!
そのため余分な衣は落としましょう。



入学して約5カ月が経過、調理をする所作もプロらしくなってきましたね。
かき揚げも美味しそうに揚がっていますわーい(嬉しい顔)


もちろん他のテーブルでも同じように天ぷらを極める!が進行中です。


最後に幸せそうな男を発見!わーい(嬉しい顔) 
おつかれさまでした。



~プロフィール~
辻調理師専門学校 日本料理
小川健 

香川県出身。
私は今から35年前に辻調理師専門学校を卒業しました。
その当時と今も日本料理の基本は変わっていません!
揺るぎない基本をしっかり学ぶことが技術と知識を向上させる近道です。
日本料理に興味のある人、興味はあるけど自信のない人も大丈夫!
日本料理本科、日本料理クリエイティブ経営学科では
「難しいことが簡単にできるようになる」授業内容になっています。
どんな授業だ?これからも授業の様子はブログで紹介していきますよ!ご覧ください。