夏の余韻と新たな挑戦:辻調理師専門学校 9月の風景
皆様、こんにちは! 辻調理師専門学校の山崎です。
秋の気配が漂い始めた9月、辻調理師専門学校では夏休みを終えた学生たちが久しぶりに校舎に戻ってきました。
9月9日、待ちに待った授業再開の日。
校門をくぐる学生たちの表情には、期待と少しばかりの緊張が入り混じっています。
夏の思い出と新学期の始まり 「どんな夏を過ごしたの?」「新しいアルバイト、楽しかった?」
久しぶりに再会した友人たちとの会話が、廊下に明るく響きます。
1ヶ月近い休暇の間、それぞれが様々な経験を積んできたようです。
家族旅行で各地の名物料理を堪能した学生、地元で就職活動を進めた学生、
別科研究講座で高度な技術を学んだ学生など、話題は尽きません。
しかし、いざ実習室に入ると、皆の表情が一変します。
久しぶりの実習に戸惑う姿も見られ、実習室の使い方や器具の場所を思い出すのに一苦労。
実習準備が間に合うか心配です。
「前期は基礎重視だったけど、後期はちょっとレベルアップするよ。」
先生の言葉に、学生たちの目が輝きます。
これまで学んできた基礎技術を土台に、より高度な技術や複雑なレシピに挑戦する時が来たのです。
基礎から応用へレベルアップする実習内容をご紹介します。
西洋料理の実習室では、若鶏の4つ落としの練習が行われています。
若鶏を胸肉ともも肉に分ける技術は、西洋料理の基本。
関節に包丁を入れるとすっと切り分けることができます。
先生が優しく指導します。
「力を抜いて。包丁を滑らせるように。」 その言葉に従って包丁を動かすと、見事に肉が分かれていきます。
成功した学生の顔に、自信の表情が浮かびます。
隣の実習室ではスペイン料理の代表格、パエリアの実習が行われています。
学生にとって、スペイン料理の実習は初めての経験です。
大きな平底のパエリアパンにオリーブオイルを注ぎ、鶏肉や海老、イカなどを丁寧に炒めていきます。
にんにくとトマトの香りが立ち込め、実習室内はすっかりスペインの雰囲気に包まれました。
初めてのスペイン料理実習は、新しい食文化との出会いと挑戦の機会となりました。
製菓実習も行われ、甘い香りが漂っています。調理科の学生は製菓の基礎も学びます。
クレープ生地を習い、オレンジとバニラアイスを合わせてクレープフランベを作りました。
別の実習室では2年生たちがバタークリームを使って絞り出しの練習をしています。
日本料理の実習室で学生たちは、大根の桂むきとせん切りの練習に励んでいます。
湯葉真薯(ゆばしんじょ)の生地を当たり鉢を使って丁寧に作っています。
鰹節と昆布の風味がする一番だしに、塩と薄口醤油で味付けをした吸地。
器に湯葉真薯やほうれん草、椎茸を美しく盛り付け、最後に吸地を注いで完成です。
蓋をあけた瞬間に柚子の香りが漂い、季節感を感じ、日本料理の奥深さを実感する貴重な体験となりました。
9月も終わりに近づく頃、学生たちの様子に変化が現れ始めました。
包丁を握る手つきが確かになり、実習室での動きにも余裕が出てきたのです。
「最初は緊張して、包丁がうまく使えなかったけど、今では料理を作るのが本当に楽しい!」
ある学生のコメントに、多くの仲間が頷きます。
技術の向上とともに、料理への情熱も日に日に強くなっているようです。
辻調理師専門学校の9月は、再出発と新たな挑戦の月となりました。
基礎から応用へ、そして調理と製菓の両方のスキルを磨く。
その過程で学生たちは、単に技術を学ぶだけでなく、料理人としての心構えや情熱も育んでいます。
これからの季節、実りの秋を迎えるように、学生たちの成長もますます加速していくことでしょう。
彼らの目には、未来の料理界を担う者としての輝きが宿っています。
~プロフィール~
辻調理師専門学校 西洋料理担当
山崎 和彦
フランス料理のカッコよさに憧れて辻調に入学しました。
フランスの3つ星レストランでの研修を経験し、
最高峰の料理とサービスを体験できたことが大きな糧となっています。
ブログではたくさんの魅力をお伝えしたいと思います。