実習25回目 舌平目のデュグレレ風を作ろう
みなさん初めまして。
西洋料理クラス、担任の山内です。
辻調の調理師本科には1年間に日本・中国・西洋料理を学ぶクラスと西洋料理だけを学ぶクラスがあります。
西洋料理コースでは毎日が西洋料理!
その為、より深く西洋料理が学べるクラスなのです。
今回は西洋料理クラスの実習です。
毎年、学生より西洋料理の実習で「美味しかった料理」トップ3に入る
「舌平目のデュグレレ風」を紹介します。
メニュー名にあるデュグレレですが、
この料理の考案者で19世紀の最高のレストラン料理長の1人、アドルフ・デュグレレの名前なのです。
以前はこのように人の名前が料理名になる事が良くありました。
今でも作られる料理を考案するって本当にすごい人ですね。
この料理にはフランス料理の大切なテクニックが沢山詰め込まれているので、
しっかりとポイントを押さえて学んでほしいですね。
ところで「舌平目」って見たことありますか?
こんな魚です。
牛の舌みたいですよね。ウシノシタ科の魚で、関西では赤舌と呼ばれるものが流通しています。
既に実習ではアジを3回、イサキを1回、それぞれ3枚卸しの実習をしていることもあり、
舌平目の扱いは2回目ですが、慣れた手つきで5枚に卸しています。
やっぱり回数を重ねる事は大切ですね。
卸した舌平目のあら(骨や頭)でフュメ・ド・ポワソン(魚の出し汁)を取ります。
出し汁をとる事で食材のロスもなくなり、さらに美味しいソースの決め手になります。
事前に講習で学び、前回の実習で実践、今回は復習と確認。
このプロセスで学ぶことでポイントはしっかり理解できているようです。
出し汁を取っている間に付け合わせを作っていきます。
ポム・シャトー(じゃがいもを面取りしたもの)を作ります。
じゃがいもをラグビーボール状に面取りするのですが、慣れないとなかなかむけません。
基礎技術の一つなので実習中に何回も登場してきます。
今回で6回目なのでかなり上手になってきました。
これを塩ゆでにして付け合わせにします。
舌平目はトマトを粗く刻んだもの、玉ねぎ、エシャロット、パセリのみじん切り、白ワイン、
魚の出し汁と一緒に火を通していきます。
舌平目に火が通りました
舌平目は取り出して冷めないように保温しておきます。
煮汁は火にかけて煮詰め、ソースのベースにします。
ここまでしっかり煮詰めます。
鍋に移してバターをたっぷり加えてソースを仕上げていきます。
バターを加えてコクをつけることをモンテ・オ・ブール(monter au beurre)といいます。
味もしっかり確認します。
美味しくできたようですね。
盛り付けましょう。
舌平目にたっぷりとソースをかけます。
これぞフランス料理といったビジュアルです。おいしそうですね。
早速試食です。
この笑顔を見れば出来上がりの味が想像つきますね。
やっぱりおいしい料理を食べている時は自然と笑顔になるものです。
この笑顔をみると調理師という仕事にやりがいを感じます。
今年も間違いなく人気メニューで登場しそうですね。
今度は豚肉料理、そのあとはオマール海老を使った実習となります。
フランス料理の魅力を感じてもらい、さらに料理の沼にハマってもらいましょう。
~プロフィール~
辻調理師専門学校 西洋料理担当
山内 茂
京都府出身
フランス料理を食べてみたい。それなら自分で作ればいい。
そんな理由で辻調に進学を決めました。
毎日、見た事も食べた事もない料理を勉強するのが楽しかったです。
今でも料理の話を始めたら楽しくて止まらないですね。