OSAKA

辻調理師専門学校

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(^^♪調理実習比べてみよう!(^^)!

調理技術マネジメント学科

2020.11.26

こんにちは!
西洋料理を担当している小竹 牧(こたけ まき)です!

今回は1年生と2年生の調理実習を覗いて比べてみますね♪


1年生では調理実習の事前学習方法としてTラーニングという動画を
前週の調理実習で見ながら教壇の先生が調理のポイントを説明してくれます。
学生たちは先生が解説したポイントを必死にノートに取り、翌週の調理実習までに、
家や電車などでTラーニング(動画)を見て予習をした上で、当日の調理実習に挑みます。

さあ♪いざ調理実習開始!(^^)!

学生たちは班ごとで担当を決めて自主的に実習していきます。
「まずは時間の掛かるものから仕込むこと!」と先生が言ってましたね・・・。
学生たちはじゃがいもの皮剥きをはじめました。正解!!
じゃがいもはこの後、塩ゆでにするのが時間かかるので早い段階で調理していかないとね。
しっかりと予習してきた証拠ですね。
後はしっかりと火を通して裏ごししないといけないよー!
私たちは言わずにじっと見守ります。


別の学生は玉ねぎをみじん切りにしています。
この作業はすでに何回もしているので、自信もってやっていますね。


隣ではコルニッション(きゅうりのピクルス)を千切りにしてます。
コルニッションを切るのは初めてだけど人参の千切りはやったことがあります。
大きさが違うだけでテクニックは同じです。


今回は、通常の調理実習ではなく、学生が作った料理をインストラクターの先生が評価してくれる日です。
材料を1人前ずつにふり分けておき、この後、一人ずつ料理を作ります。


先ほど塩ゆでしていたじゃがいもの火が通ったので水気を切り、
鍋にもう一度移して火にかけ、さらに余分な水分を取ります。


それを裏ごし器で粘りが出ないように漉す。これが結構難しいのです。


じゃがいものピューレ完成黒ハート(^^♪
鍋の側面のピューレをゴムベラできれいに落とし温かいところで保温しておきましょう。


仕込みの段取りがある程度ついたら最後は豚肉の下処理。
豚肉は縮まないように筋切りをするのがポイント。
脂と肉の境目に太い筋があるので、そこをしっかりと包丁で切断することで
豚肉を焼いた時、筋が縮んでもまっすぐのまま焼くことができます。
これは個人作業です。


その後、さらに肉叩きで軽くたたき、肉の繊維をほぐして肉を焼いても縮みにくい状態にします。
筋がきちんと切れているかは焼いたらわかります。
こちらは評価内容のひとつです。

いざ、調理スタート(^^♪

25分間で料理を完成させるのが目標!


サラダ油とバターが薄っすらと色づいた時が豚肉を入れるタイミング。
バターがいい状態で豚肉を入れることができていますよ。
後はこの状態を保ちながら裏表豚肉の火が通るまで焼くこと!


豚肉にきれいな焼き色がついてまっすぐな状態を保ったまま焼くことが出来ています。
これは筋がしっかり切れている証拠ですね。


豚肉に火が通った後はソースづくりです。作り方はもちろん、ソースの状態や味の評価をされます。
今のところ本人的にはグー♪だそうです。この後が肝心ですよ!


程よくソースが煮詰まれば豚肉を戻して軽く温めなおします。
「煮詰め過ぎだよー!」と心の中で叫んでます。


こちらはソースの状態も量も程よい感じに出来ています。
後は豚肉の火がきちんと通っていて味がグーなら言うこと無し。後もう少しがんばれ!!


付け合わせのじゃがいものピューレも丁寧にきれいに盛り付けること。


「豚肉のシャルキティエール風」完成\(^o^)/
少しソースの色が濃く仕上がっています。考えられるのは肉の焼き色、玉ねぎの炒め方、
トマトの入れるタイミングと煮詰め方です。ですがソースの濃度と量は丁度いいですよ。


豚肉火通しチェック!よしっ!ちゃんと火が通ってるよ。
これで安心して食べられますね。


ボナペティ!(召し上がれ!)。
あー疲れたけどおいしい!
学生は自分の評価を知ることで今の習得レベルを把握することができます。
目標に達していないところは次の実習に持ち込み達成できるまでに日々精進するのです。
このように1年生では調理の技術や技能を少しずつステップアップしていきます。
お疲れさまでした!(^^)!

さて、2年生に進級すると料理のジャンルを絞って1年間勉強していきます。
学生は1年生で技術、技能のスキルを習得。
また、料理のポイントがどこなのかを自主的に判断する訓練を受けています。
2年生ではそれをベースに、個人スキルはもちろんですが、チームワークを作り上げ、協働性を養います。

今回は西洋料理の調理実習ではなく、調理実習のための理論を紹介します!

2年生の調理実習はコース料理がテーマとなります。
料理も複雑になるため、実習のための理論を授業で実施します。
学生は目の前で料理を見ることで、料理の手順やタイムスケジュールをリアルに感じることが出来ます。

メニュー数も多いため2回分の調理実習を3回の理論に分けて実施します。
今日はアンティパスト(前菜)2品とドルチェ(デザート)3品を紹介します。


まずはイタリア、トスカーナ州の郷土菓子「カスタナッチョ」を紹介します。
カスタナッチョは栗の粉に水や砂糖を加えて焼き上げ、栗のほんのりとした甘みを楽しむ素朴なお菓子です。


今回はちみつのジェラートを添えて上からエクストラバージンオリーブ油をかけて出来上がり!!
カスタナッチョが口の中の水分を奪うため、ジェラートと一緒に食べることでバランスが良くなります。


次はイタリア料理実習の最終回のデザート「柑橘風味のセミフレッド」を紹介します。


セミフレッドは卵黄ベースのクリームと生クリームを合わせた濃厚なアイスクリームです。


今回は柑橘類のオレンジとグレープフルーツと合わせて作ります。
鍋に柑橘類の果肉と砂糖を加えて火にかけてさっと沸かし、実を程よく ほぐして冷やします。
フレッシュ感をほんのり残すことで甘みと苦みが程よく残りさっぱりとした口当たりになります。


型に流して、冷凍庫で冷やし固めます。


セミフレッドを皿に盛り付け、オレンジ風味のキャラメルソースと合わせます。


この実習では食後のコーヒーの小菓子もつきます。
今回はトスカーナ州のプラートという町の郷土菓子「カントゥッチ」を紹介。
このお菓子はとても固いビスケットで、
トスカーナでは甘口の白ワイン(ヴィン・サント)に浸しながら食べるのが定番。
学生にはお酒はつかないのでコーヒーに浸して食べるようにすすめています。


前菜は「カリフラワーのパンナコッタ」カリフラワーの甘みをしっかりと引き出すように火を通すのがポイント!
ゼラチンで固めて、キャビアとディル(香草)をのせて出来上がり。


最終回の調理実習の前菜は盛り合わせになります。
今回紹介したのは「バーニャ・カウダ」です。
今や、新鮮野菜をおいしく食べることができる料理として有名でよね!(^^)!
この料理はイタリアのピエモンテ州の郷土料理です。
今回はじゃがいもと赤ピーマンのローストとゆでたブロッコリーの温野菜と合わせています。
当日の調理実習ではもう一品と盛り合わせにして出すのですが、
その料理は別の理論で紹介するため今回は説明のみでした。

学生はプリモ・ピアット(スープ、パスタ、リゾット)とセコンド・ピアット(メイン料理)
それぞれ4品ずつを残り2回の理論で学びます。
そして調理実習の直前にある授業でミーティングをして、
おいしい料理を時間までに出せるように計画を立てます。
さあ、本番でおいしい料理を作ってくれますように祈っております。


<プロフィール>
辻調理師専門学校 西洋料理の 小竹 牧(こたけ まき)です。
大阪出身 焼き鳥大好き(^^♪黒ハート
週末はスーパーに行き、目に留まった食材でパスタ料理を作るのが至福の時!
家族の「おいしい(^^♪」をもらった日には明日も仕事がんばろうって思います。