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辻調理師専門学校

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料理のための外国語?!

調理技術マネジメント学科

2024.08.21

(^^)/みなさん、こんにちは!

調理技術マネジメント学科では、2年生になると料理にちなんだ専門的な外国語も学びます。
何語を学ぶかは専門とする料理によって以下のように決まっています。

・日本料理マスタークラス → 英語
・西洋料理マスタークラス → フランス語かイタリア語
・中国料理マスタークラス → 中国語

日本料理では、日本の食文化を外国人に伝えられるように、
そして、訪日外国人を食でもてなすことができるようになるために、英語を学びます。
中国料理と西洋料理はレシピをそれぞれの言語で読めるようになるのが目標です。
外国の料理である西洋料理や中国料理では、料理名、調理法、食材、文化的背景など理解するために、
その国の言語を学ぶことは必要不可欠です。

難しく聞こえるかもしれませんが、みんな一からしっかり学ぶことができるので、安心してくださいね。

今日は4つの言語の授業風景をご紹介します!(^^♪

●英語
この日の授業では「パフォーマンス発表」を実施しました。
この「パフォーマンス発表」とは一体何か?
皆さんもご存知のように、多くの外国人観光客が日本を訪れるようになりました。
日本の飲食店で外国人観光客が食事を楽しむことも珍しくありません。
そして、外国人観光客の中には英語を話す人が大勢います。
そんな外国人観光客に対して食でもてなすことができるよう、
飲食店での客と店員のやり取りを英語で実践するのが「パフォーマンス発表」なのです。
パフォーマンス発表は2人1組で実施するもので、
「客役」と「店員役」に分かれ、
「出迎え・座席誘導→飲み物の注文・提供→料理の注文・提供→会計→見送り」
という一連の流れを全て英語で披露します。
台詞は基本的に教科書に載っているものを使いますが、一部、独自で考えた台詞も使います。

さて、そんなパフォーマンス発表の一部を写真でご紹介しましょう!

まずは出迎えからです。

店員:Do you have a reservation?(ご予約はされていますか?)
客:Yes, I do.(はい、しています)
店員:May I have your name, please?(お名前を教えていただけますか?)


ここでは本物の食器を使って料理の提供をしていきます。

店員:Thank you for waiting. Here's your 〇〇(お待たせいたしました。こちら〇〇をお持ちいたしました)

単に料理を提供するだけではなく、そのおいしい食べ方も紹介します。

店員:It's more delicious if you eat with 〇〇(〇〇と一緒に食べるとさらにおいしくなりますよ)


こちらは終盤、会計の場面です。
ここでも小道具を使っています。

店員:Your check comes to 〇〇 yen. Would you like to pay by cash or credit card?
(お客様の会計、〇〇円になります。お支払いは現金、クレジットカードのどちらになさいますか?)
客:By cash, please.(現金でお願いします)


見学者は店員役のパフォーマンスに対するコメントを評価シートに記入していきます。

●フランス語
この日は色を表す言葉を学びました。食材の色を伝えたり、料理の彩を考えたりするのにも必要な言葉です。
実際の食材を使いたいところですが、今回は色画用紙を使って勉強をしました。
今回は全部で6色と、英語でもなじみのあるblue(ブルー)に、
フランス語ではバラを意味するrose(ローズ、桃色のこと)を加えました。
先生がフランス語で言う色のカードをあげるゲームを行いました。
最初はゆっくり、だんだんと早く発音されるので、単語の理解と反射神経が問われます。

●イタリア語
今年度、イタリア語を選択した学生は1クラス平均で7名ほど。
先生との距離も近く、どのクラスもアットホームな雰囲気です。

6月下旬のあるクラスの授業を覗いてみました。この時期は食材の色や大きさ・形を表す言葉を学んでいます。
まずは前回の復習からはじめます。
1台のPCを囲んで2~3人1組で、食材の写真に色を表す単語を選んで組み合わせていくゲーム感覚の課題です。

先生からは「答え合わせの時に全員が答えられるように、みんなで話し合いながら!」と指示が。
忘れかけているところはお互いに教え合いながら、問題を解いていきます。
日本語とは全く違うイタリア語のルールに、慣れるまではどうしても混乱しがち。

いろいろと思い出したところで、その後はひとりひとり練習問題にじっくり取り組みました。

授業後半のテーマは時間。
これまでの授業で覚えた数字を使って、「何時ですか?」「3時です」といったやり取りをペアで練習します。


最後に、先生とイタリア人が会話している動画で聞き取りをしました。
全員、目を閉じて耳だけに集中。みんな真剣です...
秋のヨーロッパ研修旅行までに、使えるフレーズを少しずつ増やしていきましょうね!

●中国語
中国語では中国の標準語(普通话)を学びます。
中国語の発音は「ピンイン」というものであらわします。
ピンイン・発音の仕方・漢字を合わせて覚える必要があります。
そこで、授業ではクイズ形式のゲームなども行っています。
この日は、Quizletというゲームを通して単語とピンインの定着を確認しました。

また、中国料理のレストラン形式の実習(→紹介ブログはこちら)では、
サービス役は料理名の中国語を発音し、その後に日本語で料理名の説明をしてから、
客役に料理を提供しています。
正しく発音しないと、お客さんには料理名が伝わりません。
サービス役が正しく料理名を伝えられているかどうか確認するため、
中国語教員がサービス役の発音チェックに行くことがあります。
料理名の発音ができると、実際に中国へ旅行に行ってレストランで注文するときにも役立ちますね。


このように日本料理では日本の食文化の紹介や接客に役立つ外国語を、
西洋と中国料理では、それぞれの料理を学ぶのに必要なことを学んでいます。
「えーっ!料理の専門学校で外国語を勉強するの?」と驚いた方、
好きな料理に関することなら、興味がわいてきませんか!?

~プロフィール~
辻調理師専門学校 専門講義科目グループ
担当科目:料理のための外国語(英語)、英語コミュニケーションⅠ・Ⅱ
多田羅 平
みかんで有名な愛媛県出身。
日本料理の中で特に好きなのは握り寿司と刺身です!
日本料理は今や「ユネスコ無形文化遺産」に登録されている日本の宝です。
そんな日本料理について学生たちが英語で伝えられるようになるにはどうすればいいのか、日々奮闘しています。

辻調理師専門学校 専門講義科目グループ
担当科目:料理のための外国語(中国語)
矢野 諒子
中国語の授業担当以外に、調理技術マネジメント学科2年生の担任もしています。メディアにかかわる仕事をしていることもあります。