未来のシェフへの挑戦! 外資系ホテルでのインターンシップ奮闘記 ~後編~
辻調理師専門学校 調理技術マネジメント学科(2年制)では、
1年生の後期に『インターンシップ』の授業があり、
1年生は全員がいずれかのホテルにインターンシップへ行きます!
インターンシップの事前準備の様子をお届けする、前編のブログはコチラ
今回取材している、調理技術マネジメント学科1年生の、川原 百々花さんのインターンシップ研修先は、
大阪駅前、グランフロント大阪の北側にある、外資系ラグジュアリーホテル
インターコンチネンタルホテル大阪様。(https://icosaka.com/)
右の建物がグランフロント大阪北館、
その左(北)側のベージュ色の建物が、インターコンチネンタルホテル大阪様です。
ホテルには、ミシュランガイド1つ星を獲得しているレストランや、オープンキッチンのレストラン、
ラウンジや宴会場などもあり、様々なスタイルの料理に携わることができるのが、ホテル調理職の魅力ですね!
こちらは20階にあるホテルのロビー。
開業11年目で施設も新しく、洗練された空間と、大阪駅周辺を見渡せる絶景に、思わずため息が出ます。
学生たちはインターコンチネンタルホテル大阪様のコックコート(白衣)をお借りし、
名札も自分のものを作っていただき、気が引き締まったところで、
いよいよ研修のスタートです!
初日オリエンテーション後の様子。これからそれぞれ現場に分かれます。
ワクワクドキドキ、緊張の表情ですね・・・。
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さて、私たち学校の教員も、研修2日目に、学生たちの奮闘の様子を見に行ってみました。
川原さんは、オープンキッチンのレストランで、お昼の営業が終わり、洗い物をしていました。
大小、様々なお鍋・・・量がすごいですね!
川原さんに、インターンシップはどう?順調?? と尋ねてみると
「初日の集合の時、外国籍のフロントスタッフの方から声を掛けられた瞬間が一番緊張しました。
周りにも外国人のお客様も多くて、外資系ホテルって、こういうところなんだぁって・・・。」と、
研修が始まる前から、国際色豊かな職場の洗礼を受け、その雰囲気に圧倒されたようです。
一緒に見学に伺った先生が、「どんな仕事してるの?」と声を掛けます。
「昨日、野菜をボール状にくりぬく仕込みがあったんですが、どうしても半円になってしまって・・・。
先輩にコツを教えてもらって、今日は何とかできるようになって、少しずつ慣れてきました!」と。
後ろに写る先輩(辻調OB)からも「元気よく、頑張ってくれてますよ!」とすかさずフォローが入ります。
人事担当の川戸様にもねぎらいの言葉をかけていただき、笑顔がこぼれます。
「とにかく先輩たちがカッコよすぎて・・・オープンキッチンなので、お客様から見えるということもあって、
所作の美しさ、丁寧な作業、無駄のない動き、キリっとした表情・・・どれも見習うことばかりです。」と
目をキラキラさせて話してくれていました。
今回のインターンシップでは、川原さん以外にも5名の辻調の学生が研修をさせていただいているので
川戸様に各セクションをご案内いただき、様子を見てきました。
こちらは、2人とも辻調の学生で、翌日の宴会で使う、チーズのカットを任されているようです。
さすがホテルの宴会ともなると、作業する量が多く、びっくりです。
こちらは、左側が辻調の学生で、メロンをカットしています。
カット後の形や大きさを確認しながら丁寧に作業していると、
右側の先輩とは、やはり作業のスピードが倍くらい違います。
量が多いので、素早く仕上げていく力もホテルでは必要そうですね。
こちらの学生は、人参や玉ねぎなど野菜を、大きめにカットをしているようです。何に使うのでしょうか?
後ほど伺うと、『フォンブラン』(フランス料理で使われる白色のスープ)を作るようで、
深さ1mはあろうかという大きな鍋に、
スープと、先ほどカットしていた野菜を入れ、何時間も煮込むそうです。
奥側で鍋にスープを移している先輩も、辻調OBの方でした!
宴会場では翌日のパーティーの準備が進められていました。
宴会のために準備されているお皿も、すごい量ですね。
これに料理を一気に仕上げて盛り付けていくのは、きっと圧巻でしょうね!
ご案内いただいている途中のエレベーター前で、ふと見ると・・・? おや?
インターンシップに参加している辻調の学生たちの紹介を掲示してくださっていました!!
英語が併記されているのも、外資系ホテルならではですね!
人事の川戸様も、我が子を見守るように、心配そうに調理場を覗いてくださっています。
川戸様にご案内いただき、たくさんのセクションをまわらせていただいたのですが、
どこに行っても、シェフやスタッフの皆さんが下の名前で呼び合い、気さくに声を掛けてくださっていました。
明るく楽しい雰囲気や、風通しの良い社風、人事スタッフの方も現場との距離が大変近く感じ、
実力主義の外資系ホテルのイメージは、もっとツンとピリピリしているのかと思いきや(失礼しました!)、
私の予想とは全く異なる雰囲気で、若いスタッフも多くて活気があり、
インターコンチネンタルホテル大阪様の就職先としての人気や、離職率の低さのヒミツはこれかな?
と感じました。
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そして研修6日目。 研修最終日の午後、インターンシップのフィードバックを兼ねて、
オープンキッチンのレストランNOKA(ノカ)で、若手の先輩社員とのランチ会を開いてくださいましたので
また様子を見に伺いました。
2日目の取材では、まだ緊張していた様子の学生たちも、研修を終えてほっとした表情です。
左側の、手前から2番目の方が入社2年目(辻調OB)の先輩、
左側の、手前から3番目が方が入社1年目の先輩社員です。
前菜のビュッフェで、川原さんも「私がカットしたレタスや、盛り付けをした生ハムがある!」
と、嬉しそう。
自分の携わった仕事が、どのようにお客様に提供されているかが分かり、
実際にお客様の気持ちになって食べてみる経験ができるのも、ランチ会のありがたいポイントですね。
メインのお料理が運ばれてきて、中条シェフ(こちらも辻調OB)から料理の説明を伺います。
気さくに声をかけてくださり、緊張している学生たちの場を和ませてくださいます。
とってもおいしそうな料理を前に、学生たちも舌鼓を打ちながら
先輩社員に質問をしたり、アドバイスをいただいたりしました。
・インターコンチネンタルホテル大阪に入社した決め手
・学生時代にやっておいた方が良いこと
・現場に入ってから役立つ勉強ポイント
・入社してから感じるこのホテルの良いところ
・外資系ホテルの調理職で、英語はどのくらい必要か
・食べ歩きのアドバイス
などなど、ざっくばらんに、たくさんお話しくださいました!
辻調OBの2年目の先輩社員さんは、明日は仕事がお休みだそうで、
職場の調理スタッフとサービススタッフの方と一緒に、食べ歩きに行く予定なんだそうです!
先輩と食べ歩きに行くと、見る視点や意見がそれぞれ異なって、とても勉強になるそうです。
学生時代にもっと食べ歩きに行っておけばよかったなと、今になって思う、とおっしゃっていました。
現在、別のホテルでアルバイトをしている学生からは、ホテルと言ってもひとくくりにはできず、
ホテルによる違い、外資系かそうでないかの違い、規模による違い、設備の違い、
会社の雰囲気の違い等を感じたようで、どちらもそれぞれ魅力的に感じるポイントがあるので、
就職先をどうしようかなと、悩む様子もありました。
ちなみに、昨年度にインターコンチネンタルホテル大阪様でインターンシップを経験した辻調生のうち2名が、
今年度の正社員求人に応募し、就職内定をいただき、来春からこちらのホテルでお世話になります。
インターンシップを通じて、職場の魅力を体感し、企業からも評価いただけるなんて、最高に嬉しいですね。
最後に、インターンシップの研修修了証をいただき、ニッコリ。
「段取りがうまくできなかったり、良かれと思って準備したことが空回りしたりもしましたが、
先を見通して行動に移すのが難しかったなと感じる毎日でした。
でも充実した研修で、あっという間の6日間、とても楽しかったです!」と川原さん。
「大きさや形が違う野菜を、同じ大きさ同じ形に、しかも大量に切り揃えるのが意外と難しくて、
研修期間中に何度も指導していただきました。切りものの練習をもっとしようと思いました!」と、
話してくれる学生もおり、それぞれに今後の学びの目標が見つかったようです。
先ほど一緒に食事をしてくださった先輩(右から2番目)も、
夜の仕込みのためにすぐキッチンへ戻られていました。
まだ2年目ながら、なんとメイン料理を担当しているそうです!
お写真を撮らせてください!とお願いすると
「このメンバー全員、辻調の卒業生ですよ!」とのこと。(すごーい!)
バックヤードの見学の際も、調理場で多くの方から「私も辻調の卒業生です!」
と声をかけていただき、現場に出ると、いかに多くの辻調のOBOGの先輩たちが活躍しているのか、
思い知らされる場面となりましたが、同志の仲間がたくさんいると思うと、安心できますね。
最後に。
インターンシップに参加したすべての学生たちが、
この経験を通して最良の就職選択ができることを願ってやみません。
取材にご協力くださったインターコンチネンタルホテル大阪様、ありがとうございました。
学生のみなさんも、インターンシップお疲れ様でした!!
(学生の皆さんは、振り返り授業がまだありますよ!)
~プロフィール~
辻調理師専門学校 専門講義科目グループ
小峰 幸恵
私の大学時代からの専門分野は、経営学の観光ビジネス。
このようにホテルの裏側を拝見できるチャンスは私にとっても学びが多く、
インターンシップに行ける学生が、うらやましくもあります!