料理名のための外国語?!
(^^)/みなさん、こんにちは!
前回のブログ「料理のための外国語?!」は見ていただけましたか?
前回、調理技術マネジメント学科では2年生になると料理にちなんだ専門的な外国語も学ぶことをお伝えしました。
今回は、日本でもなじみのある外国語の料理名や、外国で使われている日本語の食材や料理名についてお話しします。
ちょっと意外なこともあるかもしれませんよ。
●フランス語
Bonjour à tous ! (ボンジュール ア トゥス)みなさん、こんにちは。
これから寒い時期に食べたくなる温かい料理。
冬によく食べられるフランス料理では「ポトフ」が定番の鍋料理です。
じっくりと煮込んだ肉の固まりと野菜を食べると、体の芯まで温まります。
この「ポトフ」はフランス語では"pot au feu"と書き、
日本語に訳すと「火にかけた(= au feu)鍋(=pot)」という意味になります。
なんだかちょっとそっけない名前ですね。(詳しいレシピはこちら)
ポトフと並んで冬の風物詩と言えば「チーズフォンデュ」。
パンや野菜、ソーセージにとろとろのチーズを絡ませて食べます。
皆さんご存じの通り「チーズ(=cheese)」は英語、
一方「フォンデュ(=fondue)」はフランス語で「溶かした」なので、
ふたつ合わせて「溶かしたチーズ」になり、これまたフランスのおしゃれな感じはまったくなく
「え、それだけ?」と言いたくなるネーミングです。
「ポトフ」はフランスのレストランでも問題なく注文ができますが、
「チーズフォンデュ」はそのまま言うと「?」という顔をされるかもしれません。
現地では「フォンデュ(=fondue)・サヴォワヤード(=savoyarde)」と言い、
アルプス山脈に近いサヴォワ地方の郷土料理で、使われる3種のチーズはすべてこの土地の名産品です。
日本に紹介するときに、わかりやすく名前を変えてしまったのかもしれませんね。(詳しいレシピはこちら)
●中国語
大家好!(ターヂャーハオ)みなさんこんにちは!(^^)
中国料理で、なじみのあるものといえば何が思い浮かぶでしょうか?
シューマイ、チャーシュー、ラーメン、チンジャオロース...などなど、いろいろありますね。
「実はこんな意味がある」というものをいくつか紹介してみます。
まずは「ラーメン」。中国語だと"拉面"と書きますが、拉は「引っ張る」という意味です。
引っ張ってのばして作る麺(=面)だから拉面なのですね。
ちなみに、中国では手動のドアに、「引く」は"拉"(「押す」は"推")と書いてあります。
そして、ピリ辛な味つけがご飯とよく合うホイコーロー(回锅肉)」は、
ゆでて火を通した豚肉(=肉 ロウ)を再び鍋(=锅 グオ)に戻して(=回 ホェイ)作るので、
この名前がついています。
中国の料理名に単に「肉」とだけ書かれている場合、動物名が前に書かれていない場合は、豚肉を指します。
次に、「チンヂャオロースー(青椒肉丝)」は比較的よく知られている中国料理かもしれません。
先述の通り、「肉」と書かれているので豚肉が使われています。
牛肉を使っているときは、青椒"牛"肉丝になるので、もしどこかでチンジャオロースーを食べる機会があれば、
料理名がどうなっているかを見てみましょう!
以下の写真は青椒"牛"肉丝です。
最後に、中国料理と言えば「マーボードウフ(麻婆豆腐)」でしょうか。
昔、中国の四川(しせん)というところで陳さん夫婦が小さな飯屋を営んでいました。
顔にあばた(=麻)のあった奥さん(=婆)は陳麻婆(チェンマーポー)と呼ばれていて、
彼女が作っていた豆腐の料理が名物となり、麻婆豆腐と言われるようになった...といわれています。(詳しいレシピはこちら)
●英語
Hello, everyone ! (ハロー エヴリワン)みなさん、こんにちは。
ここでは少し趣向を変えて、日本語がそのまま英語になった食材や料理を紹介します。
まずはこちら、皆さんもご存じの「寿司」。
寿司は英語で"sushi"と表記され、「寿司」のローマ字表記が英語になっています。
発音は「"スー"シ」と、suの音を強く、そして伸ばして発音します。
日本語の「寿司」とは少々発音が違いますよね。
続いてはこちら、「天ぷら」。こちらもお馴染みの日本料理ですね。
この天ぷらも英語では"tempura"と表記され、寿司と同様、日本語のローマ字表記が英語になっています。
そして発音は「テン"プー"ラ」と、puの音を強く、そして伸ばして発音するんです。
日本語の「天ぷら」の発音と比べると、だいぶ違うことが分かりますね。
そして最後にご紹介するのが「椎茸」。
これも実は日本語がそのまま英語になっているんです。
英語では"shiitake"と表記されるのですが
(これの後ろに「きのこ」を表す英語"mushroom"を付けて、"shiitake mushroom"と表記したりもします)、
その発音は「シ"ター"キ」と、taの音を強く、そして伸ばして発音します。
「寿司」や「天ぷら」といった代表的な日本料理がそのまま英語になっていることはともかく、
「椎茸」という食材までもがそのまま英語になっていることは個人的にとても驚きました。
皆さんはいかがでしょうか?
今回紹介したsushi、tempura、shiitakeは
英和辞典や英英辞典(英語の単語の意味を英語で説明した辞典)でも扱われていますので、
もし手元にこれらの辞典があれば、是非確認してみてください!
いかがでしたか?
前回のブログ「料理のための外国語?!」に引き続き、今回もフランス語の先生にも協力してもらいました。
いろんな言語のちょっとした知識を知っていると、料理への理解が深まりますね。
フランス語:A bientôt ! (ア ビアント)
中国語:再见!(ヅァイヂエン)
英語:See you!(スィー ユー)
~プロフィール~
辻調理師専門学校 専門講義科目グループ
多田羅 平
担当科目:料理のための外国語(英語)、英語コミュニケーションⅠ・Ⅱ
みかんで有名な愛媛県出身。
日本料理の中で特に好きなのは握り寿司と刺身です!
日本料理は今や「ユネスコ無形文化遺産」に登録されている日本の宝です。
そんな日本料理について学生たちが英語で伝えられるようになるにはどうすればいいのか、日々奮闘しています。
辻調理師専門学校 専門講義科目グループ
矢野 諒子
担当科目:料理のための外国語(中国語)
中国語の授業担当以外に、調理技術マネジメント学科2年生の担任もしています。
メディアにかかわる仕事をしていることもあります。