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辻調理師専門学校

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ルポ「マデイラワインセミナー」後編(調理師本科キャリアクラス)

在校生ブログ
調理師本科

2019.07.18

こんにちは! 調理師本科キャリアクラスの鶴見佳子です。
マデイラワインの歴史や製法、使い方、味わい方などを学んだ「マデイラワインセミナー」のルポ後編です。

木下インターナショナル社の永岡さんに続いて、マデイラ島でマデイラワインを製造するヴィニョス・バーベイト社(1946年設立)の醸造責任者、リカルド・ディオゴ・V・フレイタス社長が壇上に。
マデイラワインの特徴と、料理とのマリアージュについて教えてくださいました。

食前酒・スターターとして飲んでもいいし、食後酒・デザートワインとして飲んでもいい。ナッツやチーズと合わせたり、スイーツと組ませたり、最近では、マデイラワインとフードペアリングをするレストランもあり、東京ではマデイラワインを提供する和食店もあるそうです。

「ヴェルデーリョのミディアムドライには、シェーブルのチーズ(山羊の乳で作ったチーズ)やオニオンスープが合いますよ。そうそう、日本で初めてブアルのミディアムスイートと生のイチゴを食べ合わせた時、相性の良さには驚きました」
マデイラワインとフルーツの、甘さと酸味が四重奏するような感じでしょうかね。

セミナー受講生の一人が質問をしました。
「リカルドさん、マデイラワインは、どんなグラスに入れたらいいですか?」
ナイス・クエスチョン!!
リカルドさんは「それを説明しようと思っていたところです。もちろんこんな形(ウイスキーのテイスティンググラス状)のグラスがオーソドックスですが、私は白ワインのグラスで飲むこともお勧めします」

試飲で火がついて、授業が終わった後、私は、マデイラワインを求めて近鉄百貨店の酒売り場に走りました(笑)。
セミナーでは試飲しなかった「ミディアムドライ」(テインタ・ネグラ100%、残留糖度69.6グラム)をお買い上げ〜。永岡さん、売り上げに少しだけ貢献しました。
ワインのアテにフランス産のチーズ「クロミエ」を選びました。

早速、自宅で試してみました。ワイングラス、ウイスキーのテイスティンググラス、端麗辛口な日本酒を飲む薄はりのグラス、重厚なロックグラス、ガラスのお猪口。いろいろなグラスに入れ、香りと味わいを比べてみます。

リカルドさんのワイングラス案の意味がわかりました。「香り」を優先するなら、リムが狭く、ボウルの深いテイスティンググラスがいいのでしょうが、ワイングラスだと唇全体で受けられ、一般的なワインよりアルコール度が高いためアタックが深く感じられます。
マデイラワインは、加熱することでワインを酸化した分、取り扱いは簡単で、常温で保存できます。気楽に常備・常飲できますね。

ちょうど今は梅雨どき。リカルドさんに「日本の夏は気温も湿度も高くて、このマデイラワインのスイートさは、少し難しくありませんか」と尋ねてみました。
「暑くても湿度が高くても、みなさんは、ビールも飲めばウイスキーも飲むし、いろいろ飲み方を臨機応変に工夫するでしょ? マデイラも同様に考えてみてください。カクテルにしてもいいし、ソーダで割ってもいいし、氷をいれてもいいんですよ」

どう飲むか、何と合わせたら、より美味しくなるか、想像の翼を広げました。
意見交換をした永岡さんは、「中華とはあいそうですよね」とおっしゃいます。私は意外と、和食との組み合わせの可能性があると考えています。日本酒だって、蟹と合わせる時には甘い方がおいしいし、鴨ロースとも合うんじゃないかなぁ。

「リカルドさんに、写真を撮らせてとお願いしてみたら?学生ブログに書くんでしょ?」と、可児慶大先生が背中を押してくださいました。
「学校のブログに載せたいので、お顔の写真を撮らせていただいていいですか?」
リカルドさんにお願いすると、破顔一笑、「チーズ!」。
「リカルドさん、チーズでなく、マデイラとおっしゃってください」とお願いすると、ニコニコして「マデイラ!」。
リカルドさんの口元、ご覧ください。マデイラとおっしゃってるんですよ!

プロフィール
鶴見佳子(名古屋市出身、大阪市在住)。
新聞記者、文筆家(フリー)を経て、現在、辻調調理師本科(キャリアクラス)に在籍。50代の学生ですよ!
趣味は落語(アマチュア落語家「大川亭知どり」も私のもう一つの顔)。
目標は「食堂あおぞら」の店主兼調理人。これを人生最後のしごとにすべく勉強しています黒ハート