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日本料理体験記~vol.11 鞍馬ご飯

     

Vol.11  鞍馬ご飯

みなさん、こんにちは。今回のレポートは第19課、第20課よりご飯物です。

お米は日本の主食ですが、みなさんはご飯のおいしさに改めて感動するという経験をしたことがありますか?

私の場合は留学を終えて帰国したときです。3年間のアメリカ生活を支えてくれたものの1つは、70ドルで手にいれた小さな炊飯器でした。スイッチがひとつしかない旧式のもので、炊き方は選べません。

お米はスーパーでは手に入らなかったので、州都の日本食品店でタイや中国、韓国など、アジアの国々から輸入されてくる米を買っていました。スーパーの食材を日本の調味料で料理して白いご飯と一緒に食べていたので、それなりに充実した食生活を送っていたと言えます。

しかし、帰国して母の食事を口にしたとき、豪華なおかずよりも、つやつや光るふっくらしたご飯のおいしさにびっくり、感動しました。コシと粘りのある温かいご飯。そこに食卓を囲む家族との会話が相乗効果となり「ああ、家に帰ってきたんだ」と実感が込み上げたのを覚えています。


さて、せっかくなのでまずはお米の洗い方を復習しましょう。
たっぷりの水のなかで手早くかきまぜ、白く濁った水を捨てる、の繰り返しです。

子供の頃お手伝いをしたとき、勢いあまって水と一緒にお米を流してしまったことを思い出します。
包丁使いもそうですが、慎重で丁鞍馬ご飯寧であることが料理の基本なのですね。お米の研ぎ方も、簡単な作業のようですがコツがあります。米を手のひらで軽く押すようにして研ぐのです。

講義を受けるまで知らなかったのですが、指先を立てて勢いよくかき混ぜて米粒同士をこすり合わせてもいいそうです。何度か繰り返すと水が透明になります。このまま炊いてもいいのですが、1時間ほど水につけて水分をお米に含ませてから炊くと、ふっくらつやつやのおいしいご飯になります。

では、鞍馬ご飯です。
山椒の産地で知られる鞍馬から名前をとった、香り高い混ぜご飯です。

ちりめんじゃこを使うのですが、今回は山椒と相性のいい赤腹ちりめんじゃこを使用してみました。
ここで先生の注意です。
どれでも同じだろうと釜揚げやしらす干しなど柔らかいものを使うと、調理が終わる頃には歯ごたえがすっかりなくなってしまうそうです。

まず、ちりめんじゃこは想像以上に塩味が強いので、一度熱湯でゆでます。先生が「あくを取るように」と指示されています。
こんな小さな魚からあくが出るのかと思いましたが、茹でてみると少しずつ浮かんできました。ゆで時間は約2分、余分な塩分やにおいを取り除いてから、ざるに広げて冷まします。

次にじゃこを酒、水と一緒に火にかけ、砂糖やみりんで味をつけ、最後に濃口醤油とたまり醤油で味を調えます。煮汁がほとんどなくなったら冷まして、刻んだ木の芽と粉山椒を混ぜて完成です。緑色の木の芽がくたくたにならないよう、必ず冷ましてから混ぜます。
粉山椒の分量は決まっていません。私は舌先がピリピリと痺れを感じるような辛さに仕上げてみました。混ぜご飯でもいいし、お茶漬けにしてもよさそうです。


今回は調理時間が短かったので、もう1品、豆ご飯も作ってみました。

お米とえんどう豆のほかは、塩、お酒、水だけでシンプルに仕上げます。
ピリッと大人の味の鞍馬ご飯とは異なり、こちらはきれいな薄緑色をした、素朴な甘みを感じる優しい味に仕上がりました。






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