辻調理師専門学校 辻製菓専門学校 通信教育部 ブログ

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【宮本さんの受講日記 これにて最終!!(製パン技術講座23・24)】

今回のテーマは・・・
第23課 特殊な生地のパン①             
第24課 特殊な生地のパン②   



我が家の空気中には発酵に必要な菌がないのか?
という恐怖と戦いながら挑戦し続けた私だったが、ヨーグルトではついに発酵液を作ることができなかった。

温度管理が下手なのか、道具を殺菌し過ぎたのか、原因はよくわからないが、私の中に「発酵怖い」というトラウマがすっかりできてしまった。

しかしパネットーネから逃げるわけにはいかない。
そこで何かもっと簡単に発酵液を作る方法はないものか、とインターネットで検索してみると、温度管理なしでできるという方法が見つかった。



リンゴを皮ごと切って水と一緒に瓶に詰め、冷蔵庫で1週間保存した後に室温に出しておくと、5日ぐらいで発酵液ができるというもの。

これは簡単そうだ。
プロっぽくないとか言っている場合ではないし、テキストのレシピ通りできないのは残念だか、藁をもつかむ思いで試してみると、なんと!

1週間冷蔵庫で過ごしたリンゴは、室温に出した翌日、小さな泡を出し始めたではないの!!
そしてその3日後には勢いのある発酵液が出来上がっていた。
きゃー、嬉しい〜!



さっそく発酵液を使って発酵種作りに取り掛かった。
1回目も2回目も、すごい勢いで発酵している。すごいすごい。
3回目の生地なんか、ケースからはみ出るほど発酵した。

思えばルヴァン・ナチュレルの第17課から始まり、発酵液作りに悩まされ続けた私であったが、ついに成功するのだ!

と興奮した私は、最後の本ごねで小さな失敗をした。
早く次の段階へ進みたくてウズウズするあまり、水と粉などに発酵種をちぎって入れるべきところを、水の中にバーンと放り込んでしまったのだ。

水に直接触れた発酵種の表面が固まってしまったのか?
その後いくらミキシングを続けても、小さな粒々が残った。



一気にテンションが下がった。
だがやめるわけにはいかない。

小さな粒々をできるだけ手で取り除くという初心者みたいな荒技を使った後、発酵、成形まで進んだが、ホイロに入れてもちっとも持ち上がらない。
やっぱりあの粒々が原因に違いない。

思った通り、焼いてみても膨らまず、硬いパネットーネができ上がった。
味は美味しいけれど、全く別の食べ物だった。

ショックは大きかったけれど、イタリアに暮らす私が、「私は辻製菓専門学校の通信教育コースを修了したんですよ、えっへん!」と言えるためには、パネットーネの成功は不可欠である。

ということで、再度挑戦することにした。




しかし。

発酵液は元気だった。
発酵種の段階では、前回に比べるとややパワーが劣る感じがしたものの、まあまあよく発酵していた。

そして本ごねは、今回は細心の注意を払って完璧にやった、つもりだった。

なのにやっぱり、成形して型に入れた後、前回ほどではないにしろ、なんだか膨らみが足りない感じだった。いやーな予感。

そして焼いてみると。












型の外まで膨らみ、見た目はまあまあ美味しそうな感じではあるけれど、食べてみると、うーん、ふんわり感が足りないじゃない。

あの、パネットーネ特有の、発酵の力をフル活用しましたよ! という感じの網状生地じゃないし、発酵失敗の証拠という大きな穴が所々にあいている。

職業柄、イタリアの数あるパネットーネブランドの中でも、ベストと言われるものも食べ比べている私は舌が肥えているという考え方もできるが、それを差し引いても、この苦労にしてこの味なら、作らない方がマシなのでは??










と、その時、私の頭の中にパンの神様が降りてきて言った。
『何言ってんの、たかが1回や2回挑戦しただけで完璧に美味しいパネットーネが焼けるなら、誰も苦労はしないよ』 と。

そうだった。
パネットーネは特殊な生地だけど、他のパンは、これまで何度も何度も繰り返し同じような生地作り、ミキシングや発酵、成形、焼成のコツ、技を勉強したからこそ、今、少しではあるが私はパンが作れます、という自信がついたのだった。

この自信と、24課にわたって勉強してきた知識と失敗の経験をもとに、これからももっとパンを焼いていこう。
そしていつの日か美味しいパネットーネを焼いて、先生方に報告したい。

その日まで、私の受講記は一旦お別れです。
先生方、そして読んでくださったみなさん、どうもありがとうございました。






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