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料理・お菓子の「なぜ?」を解き明かす

プロのノウハウが詰まった180分。見て、聞いて、味わって、理解する理論の授業。

理論の授業に潜入!

独特の食感や風味はどう作られる?
プロセスのすべてに、その理由がある。

サクサクとふんわり、ふたつの食感が同時に味わえるクロワッサン。ライ麦の風味を活かした、ハードで食べごたえのあるパン・ド・セーグル。タイプの違う二種類のパンが、今回の授業のテーマ。先生の実演を通じて、学生たちはそれぞれのパンが持つ魅力的な個性をどのように引き出していくのかを、しっかりと学びます。

科目名
高度製菓理論 製パン
テーマ
クロワッサン、パン・ド・セーグル
梶原慶春先生 窯の中でも60℃までイーストによる発酵が続き、そこから発生した炭酸ガスが熱膨張して生地をふくらますことを「オーブンスプリング(窯のび)」といいます。教科書には載っていないプロの知識を、先生が教えてくれるのも、この授業の魅力の1つ。また、パンの単価設定の考え方やベーカリー経営における心得も、学生たちに丁寧に話してくれます。

授業内容

  • ストレート法 生地の発酵時間が短く、素材の風味が活きる。 パンの製法には、大きく分けて「ストレート法」と「発酵種法」の二種類があります。ストレート法は、すべての材料を一度にミキシングして生地を完成させる製法です。19世紀末に、炭酸ガスを多く産出するパン用のイーストが開発されたことで、この製法が誕生しました。それまで唯一の製法だった発酵種法と比べ、生地の発酵や膨張が短時間ででき、素材の風味を出しやすいのが特長。今回のクロワッサンは、この製法で作ります。
  • ストレート法 Croissant (クロワッサン)Pain au chocolat (パン・オ・ショコラ) バターをたっぷり折り込んだリッチな味わいのパン。 Croissantは、フランス語で「三日月」を意味します。バターを折り込んでできるパイのようなサクサクした層と、イーストの発酵によるソフトなクラムとが織りなす、独特の食感が魅力。原型が生まれたのは17世紀頃で、当初は折り込み生地ではありませんでしたが、パリに伝わり、20世紀になって現在のようなクロワッサンに変化しました。パン・オ・ショコラは、クロワッサン生地でチョコレートを巻いて作ります。
  • ストレート法 Croissant (クロワッサン)Pain au chocolat (パン・オ・ショコラ) やわらかすぎも固すぎもダメ!折り込む前にまず固さを調節。 生地に折り込むバターは、冷たくてやわらかい状態でなければダメ。冷蔵庫から出したての冷たくて固いバターを麺棒でたたいてやわらかくします。固すぎると折り込みの途中でバターがちぎれてしまいます。バターの表面と内部の固さが均一になり、冷たくても曲げて割れない状態がベスト。生地にあわせて形を整え、「風呂敷包み」または、「封筒包み」のいずれかで包み込みます。
  • ストレート法 Croissant (クロワッサン)Pain au chocolat (パン・オ・ショコラ) バターが溶け出さないよう、冷凍庫で休ませつつ折り込み。 クロワッサン作りは、バターの層をいかに保つかが重要。成形までにバターが溶けて生地になじんでしまうと、独特の食感が損なわれます。生地でバターを包み込んだら、三つ折りにして、マイナス20℃の冷凍庫で30分休ませ、その後もさらに三つ折りして冷凍庫へ、また三つ折りして冷凍庫へ、と三回繰り返し。丁寧に、バターを生地に折り込んでいきます。凍庫へ、また三つ折りして冷凍庫へ、と三回繰り返し。丁寧に、バターを生地に折り込んでいきます。
  • ストレート法 Croissant (クロワッサン)Pain au chocolat (パン・オ・ショコラ) 生地を伸ばす時も切る時も、バターの層への気配りを徹底! 折り込みが済んだら、パイローラーで生地を薄く伸ばし、クロワッサンは二等辺三角形( 底辺100mm×高さ150mm)に、パン・オ・ショコラは長方形(80mm×110mm)にカットし成形。ローラーの摩擦熱でバターが溶けないよう、作業は手早く。カットはまず印をつけたあと、包丁で押し切り。バターの層が崩れないよう、包丁を前後に動かさず垂直に。
  • ストレート法 Croissant (クロワッサン)Pain au chocolat (パン・オ・ショコラ) 二等辺三角形にカットした生地を、少しのばしてから巻いていきます。 上下からチョコを包み込みます。中央部での生地の重なりは10mmほど。
  • 発酵種法 ルヴァン・ミクスト 強い発酵力で旨味を引き出す「ルヴァン・ミクスト」。 発酵種法は、1回目のミキシングで「発酵種」を作り、2回以上のミキシングでパン生地を完成させる製法です。発酵種にはいくつかの種類があり、今回のパン・ド・セーグル作りで用いた「ルヴァン・ミクスト」は、発酵種のミキシング時に、事前に作りおいた発酵生地を5〜10%の割合で投入するのが特徴。より強い発酵力と発酵生成物により、穀物そのものの旨味と発酵による風味を引き出します。
  • 発酵種法 ルヴァン・ミクスト Pain de seigle(パン・ド・セーグル) ライ麦入りの食事パンとしてフランスではポピュラーな存在。 seigleはフランス語でライ麦のこと。パン・ド・セーグルはライ麦が含まれたパンで、ライ麦粉と小麦粉とを半々くらいの割合で生地を作ります。南ドイツからアルザスを経てフランスに伝わり、現在ではライ麦独特の風味や食感を生かした食事パンとして広く市民権を獲得。カランツ(干しぶどう)やくるみ入りは、ワインやチーズと相性ぴったりです。

    パ成形後すぐに、生地の表面にライ麦粉をふり、クープ(切り込み)を入れます。バゲットのように深く切らず、ごく浅いクープに。

  • 発酵種法 ルヴァン・ミクスト Pain de seigle(パン・ド・セーグル) プレーンな生地だけでなくカランツとくるみ入りの生地も。 ライ麦粉、小麦粉、イースト、水などに、ルヴァン・ミクストを加え、ハード系のパン生地を作るのに適したスパイラルミキサーで、生地をミキシング。さらにカランツとくるみを加えた生地も作ります。
  • 発酵種法 ルヴァン・ミクスト Pain de seigle(パン・ド・セーグル) ライ麦の性質をふまえながらパンを完成させていく。 生地の発酵・分割のあと、成形の前に、弾力が強くなった生地を休ませる必要がありますが、ライ麦はグルテンをつくらないため、休ませるのは小麦粉だけのパンより短めでOK。その後、27~28cmくらいのナマコ形に成形。ライ麦の生地は切れやすいので、叩かずにおさえるように成形し、閉じ目が真下になるように布に置いていきます。いので、叩かずにおさえるように成形し、閉じ目が真下になるように布に置いていきます。
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